ADHDだからこそ自分をもっと知る方法(GATHERING動画紹介シリーズ:林田さん後編)
記事前編では林田絵美さんの学生時代からADHDと診断されるまでを中心に、「自己分析」の大切さについてまとめました。
後編では林田さんの現在のお仕事の話題を中心に、社会と障害のあり方についてさらに深掘りしていきます!
「マルチタスク」にも、いろいろ。:林田さんの現在のお仕事について
林田さんは現在、株式会社キズキの一事業であるキズキビジネスカレッジでマネージャーとしてお仕事をされています。
気になるそのお仕事内容はというと
……など。一見するとかなり「マルチタスク」に見えます。
自己分析の過程で、林田さんは「マルチタスク」にもさまざまな種類があると気づいたそうです。林田さん自身が苦手としていたのは、タスクの優先度の順位づけや、さまざまな相手とのコミュニケーションなど。これらを林田さんは「思考回路のマルチタスク」と表現します。
苦手やつまずきをひとつの言葉にまとめてしまうと、見えなくなってしまうものがあります。例えばケアレスミスが苦手な人の場合でも、書類の読み間違いが多いのか、人から言われたことの勘違いが多いのか、それとも言い間違いが多いのかで、それぞれ対策が変わってきます。
ビジネスカレッジの講師として話をすることも多い林田さんは、自身の経験から、「細かく自分を分析すること」や「気づいたことを丁寧に言語化すること」の大切さを生徒さんにも伝えているそうです。
「障害」を、考え切る。
当事者として生活しているとしばしば耳にするのが「障害は個性」という言葉。しかし林田さんはそのフレーズにしっくり来ないものがあると感じています。
「ADHD」はあくまでも診断名であり、それ以上でも以下でもない、という林田さんの言葉には、インタビュアーからも共感の声が上がっていました。
当事者の感覚や困りごとは、そうではない側からみると見えづらい、または見えていないことがあります。障害や特性の解釈は人によって異なるため、コミュニケーションが食い違ってしまうことも。だからこそ診断名ではなく、具体的な「ファクト」(事実)に基づいて分析し、コミュニケーションを取り合うことが重要になります。
そんな林田さんですが、生活や職場で困りごとを発見したときはどのように気持ちを切り替え、対処していたのでしょうか。ここでも林田さんは「言語化」つまり思考とコミュニケーションの重要性を強調します。
上手くできないこと、苦手なことがあると気づくと、ついつい悔しい気持ちになり、気持ちを切り替えることが難しいときも。けれどそこで思考を立ち止まらせるのではなく、「なぜ」できないのか、というポイントに目を向けることが必要です。林田さんがご自身の困りごとに対してどんな工夫をしているのか、一部をここでご紹介します。
終わりに:「知りたい」が、自分を突き動かす
ここまでは林田さんの働き方やキャリアについてのお話が中心でした。最後に、そんな林田さんご自身の姿に迫っていきたいと思います。
大切にしていることは?というCollableスタッフからの質問に、「笑顔」「事実」「目的」というキーワードを挙げる林田さん。これまでのインタビューを振り返ってみても、挙げられたキーワードはどれも林田さんにぴったりです。
たしかに。自分のことは自分がいちばんわかっている、という考えに、皆さんも陥ることがあるのではないでしょうか。同時に、林田さんが言うように、自分でも自分のことが分からず、混乱したり、怖くなったりした経験があるひとも多いのではないかと思います。働くとは、また社会の中で生きていくとは、色々な相手と関わることでもあります。
林田さんは「もっといろいろな人の思考回路が知りたい」という思いと一緒に、「もっともっと自分のことを知りたい」という好奇心を持っているそうです。もしかするとこの「知りたい」という強い気持ちこそが、林田さんの明るさの秘密なのかもしれません。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!林田さんのインタビュー全容はこちらのリンクから視聴することができます。ぜひご覧ください!
「大人の発達障害がわかったとき」キャリアライブ No.001 林田絵美さん 前編:
「大人の発達障害がわかったとき」キャリアライブ No.001 林田絵美さん 中編:
「大人の発達障害とつきあうために」キャリアライブ No.001 林田絵美さん 後編:
最後までお読みいただきありがとうございました!
主催団体:特定非営利活動法人Collable
林田さんのお仕事内容はこちらから!
株式会社キズキ:
キズキビジネスカレッジ:
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