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プロ野球 ヒーローインタビュー再考論

「そうですね」禁止令考察

新庄BIGBOSSが監督に就任して間もないころ、選手にインタビューの際に「そうですね」というのを禁止したり、「もっと面白いことを言え」と指導したりする場面があった。ファンの印象に残らないという理由からだ。

よくぞ言ってくれたと膝を打った。個人的には、プロ野球のヒーローインタビューをもっと見る価値のあるものにしてほしいと思う。

30年来のプロ野球ファンだが、球場での試合観戦後やテレビ中継の後で、ヒーローインタビューまで残って観ようと思う選手は歴代でもほとんどいない。推しの選手だったり、劇的な勝利の時は余韻に浸って観ることもあるが、やはり新庄(以下敬称略)が言うように印象に残ることはゼロに近い。

たいていはインタビュアーの「あの場面はどんな気持ちで?」「チームの雰囲気は?」「最後にファンに一言」などといったお決まりの質問に、「何とかしようと粘って」「最高です」「応援よろしくお願いします」という判を押したような返し。

もちろん糸井や柳田に代表されるような天然キャラが炸裂した面白回答があったり、かつては阪神に移籍した広沢がお立ち台で六甲おろしを歌ったりと印象に残るものもあるが、ごく一部である。

もちろんインタビュアーもプロ野球選手が話のプロでないことは分かっているので答えやすいように誘導しているし、選手側もあまり技術的なことに立ち入ってもこちらが分からないだろうという配慮や、あるいは企業秘密の情報があるために無難なやり取りに終わってしまうのだろう。単純に語彙力の面の問題もあるが。

さらに私の贔屓の阪神の場合は、大阪だからか「最後は○○選手に締めてもらいましょう!」とオチのような盛り上げを求めることが多く、芸人でもないのに「この人が今から面白いことを言いますよ」と強制されているような感じがして、観ていて辛いこともある。

そこで2つほどヒーローインタビューの改善案を上げたいと思う。

改革案① インタビュアーを球団広報の人が担当

最近は各球団の公式YouTubeチャンネルで、試合後のベンチの様子や、選手インタビューのおかわり動画を上げてくれたりすることがある。普段見られない選手の顔や様子が見られるので、いいファンサービスだと思う。

しかし個人的には、「そこでカメラ回すなら代わりにヒーローインタビューで聞き手役になってくれんかなあ」と思う。

広報の人なら普段から先週に接しているため、選手も話しやすくなるだろう。また、選手側の性格や話し方のクセも分かっているので、ファンの人が喜んでくれるような発言を引き出せる可能性が高い。広報なら球団側の人なので、直前に軽く打ち合わせをして「ここまでは言っても大丈夫」という加減も調整しやすいだろう。

中心選手なら「最近○○選手プロデュースのお弁当が発売されました!」とか、若手なら「応援タオルが新登場しました!」など、販促にも活用できるので、NPBと各球団にはぜひ検討してみていただきたい。

大谷の通訳の水原一平さんや中日の名物通訳ルイス・フランシスさんのように(通訳の方の例ばかりになったが)、選手でなくとも球団の人気者が誕生すればプロ野球の盛り上がりの一助になるだろう。


改革案② インタビュアーを試合中継の解説者が担当

プロ野球の中継時には必ず元プロ野球選手の解説者がいるので、その人がオーローラビジョンで大写しになりながら選手にヒーローインタビューするのも面白いと思う。

試合後に中継ブースで実況と解説者の方がハイライトを見ながら試合を振り返っているが、その前にグラウンドと中継をつないでオーロラビジョンに解説者を映せばいいだけなので、技術的にもコスト的にも全く問題ないだろう。

アナウンサーよりも技術的なことや心理的なことがプロの目線から聞けるし、選手も専門的なことが話しやすいはずだ。

何ならテレビのスポーツコーナーでやっているように、その日のヒーローを解説者が決めて、独自の目線で解説しながらインタビューしてくれるとさらに見ごたえがあるのではないか。

阪神ファンの私からすると、もしヒーローインタビューで藤川球児が藤浪に「晋太郎ならもっとやれるで」とか、金本が高山に「よう復活したなあ」なんて言ってくれることがあれば、泣いてしまうかもしれない。

中日なら山本昌と大野、広島なら新井と菊池の組み合わせなんか面白そうだ。日ハムなら毎回のように岩本が登場するかもしれない(笑)。

こちらは各テレビの関係者に検討してみていただきたい。

そろそろ選手の個性頼みのヒーローインタビューから新しいステージに進化することを願う。



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