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【映画】前を向いて生きていく【コーヒーが冷めないうちに】

仕事柄、カフェで作業することが多く、1日にコーヒーを数杯飲むこと(スタバで朝にコーヒーを買って、午後にそのレシートを持って100円でワンモアコーヒーをすることが多い)は珍しくない私ですが、最近はカフェに行く機会がないので、自分でインスタントコーヒーを淹れて飲んでいます。そして、つい先日、水出しコーヒーを作れるボトルを購入し、人生で初めてコーヒー屋さんに行き、豆を挽いてもらいました。まだ、粉と水の適当な分量がつかめていないので、薄かったり濃かったりと悪戦苦闘ですが、これから学習していきたいと思います。

つまらないコーヒーの話はこれくらいで、今回はコーヒーにまつわる作品を紹介させてもらいます。

~人は後悔を抱えながら生きている~

誰しもが1度や2度は時間を巻き戻したいと思うことはあるだろう。やり直したい過去、悔やんでいる出来事、辛い記憶…。生きている限り人はどこかに何かの後悔を抱えながら日々を過ごしている。

そんな人の心の隙間や葛藤を埋めてくれるような映画が今回紹介する『コーヒーが冷めないうちに』だ。原作が舞台作品で小説化され、その後に映画化されたという珍しい作品だが、人の心の機微を上手に捉えた感動作である。

有村架純演じる時田数の働く喫茶店には、そこに座ってコーヒーを飲むと過去に戻ることができると噂されるイスが存在する。しかし、その席にはいつも“先客”がいるため、なかなか座ることはできない。さらに、座れたとしても過去に戻るためには5つのルールがあるのだ。ルールを破ると現実に世界に戻って来られないことも。それでも、過去に戻りたいと願い喫茶店にやってくる人たち。その1席を巡って、『男女』、『夫婦』、『姉妹』、『親子』の4つの物語が繰り広げられていく。

~変えられるのは過去ではなく未来~

この物語のポイントは過去に戻れたとしても、現実は変えることはできないということ。過去に戻り何かをやり直そうとしても、それが未来につながることは決してない。過去に起きてしまったことを受け入れながら、未来なら自分の力や思いで変えていける。そのために今を必死で生きる。頭では分かっていても心では受け止めきれない何かを気が付かせてくれたと感じた。

彼を思う気持ちがありながらも素直に伝えきれない彼女。

病気である妻との向き合い方に悩む夫。

妹の思いから逃げようとする姉。

母の愛情に気が付いた娘。

4つそれぞれのストーリーは現実で起きてもおかしくないことであり、誰しもが共感できる部分は多いだろう。個人的には、生きていく上で後悔はあっても良いと思うし、時には必要と感じることもある。過去への思いや悔しさが未来を生きていく糧になることだってあるはずだ。ただ、いま世界や日本、そして自分が置かれている現状も相まって、1日1日を、一瞬一瞬を、大切に生きていきたいと改めて思わせてくれた。

~おまけ~

波瑠や林遣都、薬師丸ひろ子や石田ゆり子、伊藤健太郎と豪華キャストが客として訪れる華やかな喫茶店だが、そこでいい味を出しているのが、街にある喫茶店に本当の常連客としていても全く違和感がなさそうな吉田羊演じる平井さん。一直線にいつもの席に座り、コーヒーを飲み、たばこを吸い、お店の人とも仲良し。場面としては1シーン、2シーンくらいだが、そんな平井さんのスナックには行ってみたいと思った。絶対に楽しそう。人生相談もしたい(笑)。

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