【映画】自分の命を懸けて他人の命を守れるか【ホテル・ムンバイ】
この間、おすすめの海外映画を紹介した流れに乗り、今回も実話に基づいた海外の映画を紹介したいと思います。
大学生になり、初めての夏休みに男2人でインドへと旅行に行ったのですが、なかなかの強烈な体験でした。到着早々、予約していたはずのホテルに行こうとするも、「道が封鎖されている」という謎の理由で急遽、違う街のホテルに向かうことに。(その道中、爆睡をこいた私に友達は「よく寝れるな」と、呆れていました笑)。その他にも、電車に乗るにも降りるにも、日本のように案内や標識が整っていないので、ビクビクしながらの移動を繰り返し、極めつけはインドで警察にお世話になったこと。市場で友達が財布を少年にすられ、地元の警察署に駆け込みました。警察犬のような野良犬が床に寝ていて怖かったです…(笑)。
ただ、何かとハプニングには見舞われたけど、基本的にインドの人たちは優しく、トゥクトゥクのおじさんたちはみんな陽気で、嫌な思いをや怖い経験をすることはなかったですね。カレーをはじめ食べ物も美味しく、いまとなっては大学生初の旅行としてはよい思い出です。
前振りが長くなってしまいましたが、今回はそんなインドに関する映画を紹介させてもらいます。インドを代表するタージマハル・ホテルなどで起こった無差別テロに巻き込まれてしまった人たちのお話です。
自分も訪れた世界遺産であるタージマハルやムンバイの街でこれほど卑劣な事件が過去に起きていたなど知らなかったので、とても衝撃的でした。
~自分か。他人か。究極の選択~
主要駅やレストランなどと同じく無差別テロの標的になってしまったホテルの男性従業員にスポットライトが当てられたこの物語。身籠っている妻や小さな娘のいる1人の男性として家族のもとに一刻も早く駆け付けたい思いがある中で、ホテルの従業員として働いていることに誇り持ち、お客様の安全と無事を守らなければいけないという使命感にかられるアルジュンは「ここが私の家です」とホテルに残ることを決断。勇敢にテロリストたちと向き合い、多くのお客様を守ってみせる。
テロに巻き込まれたことに気が付き、料理長のオペイロが部下たちを集め、「ここに残るか、家族のもとに戻るか」を問うシーンがあるのだが、アルジュンだけでなく、多くの従業員がお客様のために、ホテルに残る。その決断のせいで命を落としてしまう人も出るのだが、自分の命の危険を顧みず、お客様さまを守ろうと奔走した人々には敬意を表したいと思う。
人は”自分”と“他人”を天秤にかけたときに、どのような決断をするのか。そういうことを考えさせられる映画だ。
~これはフィクションではなくノンフィクション~
一言で言えば、惨い。見るに堪えない。
テロリストたちがマシンガンを乱射し、次々に人々を殺していく様子は手で目を覆いかぶせたくなるようなシーンの連続である。
また、どうにかしてホテルから脱出を試みる緊迫感や、テロリストと出くわしてしまったときの絶望感のリアリティーはものすごい。アルジュンやオペイロを中心に全員で協力して逃げる様子には、どこか勝手に自分を投影してしまう部分もあり、ハラハラドキドキが止まらないというのが正直の感想だ。
さらに言えば、それがフィクションではなく、実際に起こった事件であり、あのような経験をした人が多くいるということを考えると、背筋がゾッとする。
アルジュンだけでなく、自分の娘のために必死に生き延びようとするデイヴィットやザーラ、預かった赤ちゃんを何としてでも守り抜こうとするサリーなど、多くの人々があの危機迫る空間の中で、自分のために、誰のかのために、生きて愛する人のもとの帰ろうとする姿に人間の底力を見たような気がした。
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