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金色のガッシュ!!で見るChat GPTの使い方

金色のガッシュ!!ってご存知ですか?
30代の方はご存知の方も多いはず。
僕は大好きな漫画です。

これは100人の魔物の子供が人間界に来て、
彼らが持っている特殊な魔本を読める人間をパートナーとし、
戦って生き残った1人が魔界の王様になるという物語です。

泣きあり笑いありで、
多くの名言や今でも指標になるような考え方が多くある
素晴らしい漫画です。
将来子供ができたら読ませたい本の一つです。

個人的にはキャンチョメやバリーの話が好きで、
よく読み返したりしてます。

皆さんは清麿やデュフォーをご存知でしょうか?
清麿は主人公ガッシュのパートナーで、
物語はほとんど清麿目線で進むので全部読んでなくても
わかると思いますが、
デュフォーはガッシュの兄ゼオンのパートナーで
主に物語の後半で活躍します。

2人とも物語の中で「アンサートーカー」という
魔物よりもチートな能力を持っています。
いわゆる、どんな質問に対しても即座に回答できるという
とんでもない能力です。

清麿はガッシュと一緒に戦う際、
アンサートーカーの能力を使い、相手の強い術を最低限で弾き返したり、
見てないのに避け続けたりと、離れ業を連発します。
それだけではなく、日常においても
解明されていない古代の文章をやすやすと解読したり、
天気図を少し見ればほぼ予言に近い天気予報ができたりします。

僕が現実で欲しいと思う能力の一つです。
こんな能力があれば、ドイツ語の勉強に苦労しないのに‥笑

さて、これって何かと似ていませんか?

そう、ChatGPTを始めとするAIサービスです!

ChatGPTもなんでも答えてくれますよね。
すごいサービスだと思うのですが、

「いや、そんな便利なもんじゃないよ」

と思っている人も多いでしょう。

そこで、僕はガッシュのアンサートーカーあたりのストーリーを見てたら
問答が非常に今のChat GPTの仕組みと
似てるんじゃないかなって感じました。

そして思ったんです。
ガッシュって、Chat GPTの教科書として使えないかな?


アンサートーカーにも回答の質の差がある

アンサートーカーの能力は使用する人によって差があります。
これは、アンサートーカーが発現したばかりの清麿と、
生まれた時から能力を鍛えられていた
デュフォーで戦いのレベルに差が出てしまうというのを
バトル時にも描写されています。

「なんでも答えられるなら、お互い一緒になるはずじゃん!」
と思われるでしょう。
しかし、デュフォーのパートナーであるゼオンと、
清麿のパートナーであるガッシュでは持っている術やパワーが違います。
いかに適切な答えを出せるからといって、
同じ「攻撃を当てる」や「避ける」などの答えを見つけようとする場合でも
差が出てしまうのです。

また、アンサートーカーは考えることができなければ
答えを出すことができないとも言われており、
考えること、疑問を持つことが前提の能力なのです。
おそらく、デュフォーの方が質問の質が高いのでしょう。

これって、今の私たちがChatGPTで得られる答えも同じですよね。
ドイツに行くためには?と聞くひとと
ドイツに一番安く行くためには?と聞く人では
行くという目的は一緒でも、得られる答え違いますもんね。

愛という概念をすぐには理解できない

デュフォーは清麿たちに負けてゼオンと別れることになります。
ゼオンは最後にデュフォーに泣きながら別れを告げますが、
デュフォーは完全にはゼオンの意図を理解できていませんでした。
ゼオンが別れ際に言った通りに一人でアフリカを旅しているとき、
一人の少年を救います。
その時に感謝され、「あなたは息子に愛を与えた」と
少年の父親に言われデュフォーは太陽のようだと太陽に向かって指さされ、
初めてゼオンから愛を受けていたことに気づきます。

ガッシュの中でも屈指の名シーンなので、もしよかったら読んでください。
文才がないので、どれだけ感動するか語れません(笑)。
このシーンもChatGPTの文脈で考えると、
愛という曖昧な概念についてはデュフォーもすぐには理解できず、
誰かに教えてもらうことで初めて愛という概念を「ラーニング」します。
そして、初めて今までのゼオンが
デュフォーと共にいた時間や行動が
愛を与える行動であると気づいたのです。
これってすごいですよね。
多くのChatGPTの指南書も、
概念などをラーニングさせる必要があるとしており、
これもまた関連性があります。

「お前頭悪いな」「お前は頭いいな」、質問の重要性

清麿たちに新たな危機がやってきたとき、デュフォーが仲間になります。
あまりにもチートすぎるからか、戦いには参加しませんが(笑)。
デュフォーはテレビで取り上げられた魔物との戦い跡を見て、
清麿たちの危機を知り、清麿の家に訪問。
仲間たちに強くなるためのトレーニングを提案します。

清麿がガッシュ以外にも何人か仲間がいる中で
デュフォーに質問するのですが、
それもまたChatGPTを体現したようなやり取りです。

シェリーとティオという女の子2人がデュフォーに質問します。
デュフォーのアンサートーカーという能力を知っているのですが、
それでも不思議に思ったシェリーは
「あなたは私たちが強くなるための答えを持ってるってこと?」
と聞きます。するとデュフォーは

「お前頭悪いな。強くなれるから指導すると言ったんだ」

と一蹴(笑)。

矢継ぎ早にティオも
「なんで清麿の家がわかったの?どうやってきたの?」と質問。
デュフォーは

「お前も頭悪いな。『清麿の家はどこだ?』
の答えがわかるからアンサートーカーだろ。」

と子供の質問なのに遠慮なく発言。

そこで横からキャンチョメというお調子者が
「じゃあデュフォーはテレビで戦いの跡をみて、
僕たちの危機を察知してくれたんだね」
と言います。
するとデュフォーは

「お前はあの二人よりも頭いいな」

と褒めました。
そしてキャンチョメは二人に対してドヤります。(笑)

ここはコメディ部分として取り上げられていますが、
ChatGPTにどう質問するかを理解する上で重要です。

つまり、ChatGPTに質問するときも、
前提条件を理解していない状態で質問すると、
まともな答えが返ってこないということです。

シェリーは
「あなたが指導することで強くなるかならないか」という質問で、
デュフォーから「俺が指導することで強くなる」
という回答しか得られませんでした。
ここで実際に問われているのは「誰が何をするのか」という
質問ですからね。

ティオはアンサートーカーの前提を理解していない質問のため、
デュフォーに能力の説明を改めてされました。
あなたはなんで答えがわかったのですか?と聞いてるのと
一緒です。

一方、キャンチョメは
当時の状態と
求めたい結果をつなげて質問しているため、
「頭いいな」と褒められたのです。

ChatGPTの「頭いい」使い方とは?

このキャンチョメの質問の仕方こそが、
ChatGPTが適切に回答するのに必要だと思うのです。
現時点の状態と、求めたい結果を指定し、
そこにたどり着くための方法をChatGPTに尋ねるのが
「頭のいい」使い方ではないでしょうか?
まとめると以下のようになります。

  1. ChatGPTで得られる回答の質は同じではない(清麿とデュフォーの戦い)

  2. ChatGPTに概念などをラーニングさせる必要がある(ゼオンとデュフォー)

  3. ChatGPTに質問するときは現状とゴールを明確にする(キャンチョメの質問)

これって、ほとんどChatGPT活用法と同じですね。
金色のガッシュ!!は2001-2007年に掲載されていた漫画ですが、
こんなにも未来を見ていたなんて驚きです。。。

漫画を描く人の想像力ってすごいですよね。
もはやガッシュは道徳や国語の教科書に掲載されるべきです(笑)!

デュフォーや清麿は感情を持ったChatGPTとも言える存在ですが、
新しいChatGPTも人間のジョークを理解できるようになってきています。
流石に電気を口から出せる子供が魔界から来ることはないですが、
清麿やデュフォーはもはや漫画の存在ではなくなってしまいそうです。





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