見出し画像

お金持ちの思考(貧す者はより貧す)

スーパーで働いていると、毎日お買い物に来てくれる方がたくさんいらっしゃいます。
顔見知りにもなりますし、お買い物している物、志向、家族構成なども何となく見えてきます。
そんな中の気づきから、セレブリティな方(富裕層だったり生活に余裕のある方)、お金の無い方の買い物の動向についての気づきを共有させてください。

富む者はより富み、貧す者はより貧す。
富む者になりたければ、富む者を模すのが近道である。

誰の言葉でもありません(笑) そのように私自身が感じているだけですが。

貧す者の買い物動向

まず、お金に余裕のない方のお買い物動向ってどんなお買い物をしているでしょうか?
お金を無駄遣いしているからお金に余裕がなくなる・・とも考えられるので余計な物をたくさん買っているイメージもありますよね。
まず、買い物をするときに買う決めての最も重要にしているのが『値段』です。
これは使えるお金から考えると当たり前かもしれませんが、使える金額で出来るだけたくさん、お得に買い物をしようとする意識が高いように感じます。
例えば、日替わり特価品(1日限りの赤札商品)やタイムサービス、値引き商品を好んで購入します。
ポイントや曜日別奉仕などにも細かくチェックして、いかにお得に買えるか、にこだわります。
※お店としても日替わり商品や曜日別奉仕で来店客数を増やす目論見があるのでこのような購買動機が悪いわけではありません。むしろこちらの意図に従ってくれているのでありがたいお客様です。

そして気になるのが無料でもらえる物へのこだわりが強い方が多いという点です。
例えば、お寿司等の惣菜を購入したら必要になるであろう 小袋のお醤油やわさび、甘酢しょうが、水物をいれる小さなナイロン袋、お箸など、無料で提供しています。
人によってはお惣菜やお寿司を購入していないにもかかわらず、甘酢しょうがを大量に持ち帰ったりします。
小さなナイロン袋、お箸なども必要以上に持ち帰る方がいらっしゃいます。
これが得をしたという感覚なのだと思います。
つまり、無駄遣いをしているのがお金に余裕のない方というイメージよりも節約してもらえるものは貰おう、安い特売品を買おう、といった節約しているように見える買い物動向なのです。

富む者の買い物動向

これに対して、余裕のある方(私がそのように見える方)のお買い物はどうでしょうか?
そのような方の買い物を見ていて感じるのが、こちらが意図的にしかけている日替わり特価品や曜日別奉仕の商品をあまり気にしていないことです。
日替わり特価品は原価割れ(赤字)の商品が多く、お得感がありますが、業界では日替わり品を『ロスリーダー』といっています。ロスリーダーとはロスを生み出す根源という意味ではなく、『おとり商品』という意味で、こちらの商品を購入することで来店動機になったり、併売率(一緒に買う可能性が高い商品)の高い商品の利益率をあえて高め設定したりしています。
そのこちらの思惑には引っかからない・・ということです。
また無料でもらえる小袋醤油や甘酢しょうが、わさび、ナイロン小袋などはほとんど持ち帰りません。
無料の醤油や甘酢しょうがは無料で提供できるだけの商品であり、とにかく安く仕入れられるものがほとんどです。
つまり、余裕のある方の食卓をイメージすると、お惣菜を買って帰っても自宅の使い慣れた美味しいお醤油や、きちんと対価を払って購入した美味しい甘酢しょうがを使っているのだと推測できます。
お祭りなどに的屋として出店している方に聞いた話ですが、
「安く食品を作って美味しいと思ってもらうには、とにかく砂糖で甘くすることだ。砂糖で甘みをつけたら、味を整えるように塩味でバランスをとっていく。甘味さえあれば味のごまかしはどうとでもなる。」
こんなことを言われていました。
無料で持ち帰れる醤油や甘酢しょうがについても対価を払って購入する醤油や甘酢しょうがに比べると、的屋さんの考えのような製造方法がとられている可能性があります。(そもそもセレブリティな方はタダで大量に持ち帰っても利益が残る構造に疑問をもっている)
では、何を買っているのか?
それは安さで選ばず、必要な商品、欲しい商品を買うに尽きます。
いつもの調味料や、お惣菜など。 特売になる事もある商品でも値段を気にせず必要なタイミングで買っているイメージです。
購入するときは損した(一番安く変えるタイミングと比べると)事になるかもしれませんが、結果的に必要なタイミングでしか買わないため、買う機会はグッと減るのです。
そして、日替わり商品などの自分がいつも使っている物を違う調味料(例えばマヨネーズやカレー粉なども)には目もくれないので美味しくない思いをせずに済むのです。

賢いお買い物

では我々はどのようにお買い物をすれば富む者に近づけるのでしょうか?
それは、買い物をする側の目線でお買い物をすることです。
日替わり商品や、曜日別奉仕品などは、販売する側が設定しているため、販売する側に合わせてお買い物に行ったり、買う商品を決めなければなりません。
日替わり品(ロスリーダー・おとり商品)を目がけて買い物に行くことが販売者の意図するところだということを知らなければなりません。
買い物に行く。 買い物をする。
この選択を他人に委ねないことが賢いお買い物と言えます。
行きたいタイミングで、買いたいものを買う。これがたまたま高いタイミングで商品を買うことになっても最終的には美味しく食べられ、フードロスを減らし、買い物に行く日、時間を小売店ベースにしないため、自分の時間も増えることに繋がります。

特売商品の選定

ちなみに、同じ商品がよく特売商品になっていると思いませんか?
スーパーやドラッグストアなどの広告を見ても意外と同じような商品が安く特売になっています。
赤札価格で実際は原価割れになってまで、特売を打つわけですから、他の競合店と同じ商品をわざわざ特売しなくてもよさそうなものです。
これには理由があります。
商品には価格弾力性があります。
価格弾力性とは値段を下げることによって(もしくは上げることによって)売れる数がどれぐらい増減するかのブレ幅の大きさをいいます。
つまり、価格弾力性の(値下げをすることで来店動機につながりやすい)高い商品を特売商品に選定しているので、どこの小売も同じような商品が特売商品になるのです。
そして、特売商品との併売率の高い商品が価格弾力性の低い商品であれば利益が確保できるというカラクリです。(つまり値下げしても売れ行きはあまり変わらない為、通常価格で販売する)

まとめ

ご自身のお買い物はどのような傾向があるでしょうか?
今一度、俯瞰してみて、思考を柔軟にしてみることをお薦めします。
もちろん、特売品を安く買って「儲けたー!」と嬉しい気分になってもらえるのもスーパー従業員冥利に尽きます。
どちらのお買い物をしていても大切なお客様に違いはありませんので。

最後まで読んでいただいた方へ
この記事を書くきっかけは、店で無料で持ち帰れる醤油やわさび、ガリを大量に持ち帰る方が数人いらっしゃることにモヤッとして書いた記事です(笑)
オチを笑っていただければ幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?