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ハンディキャップチャイルドペナルティ

子育て中の母や、ワンオペの親が、子どもが居る為に社会的、経済的に不利益を受ける事をチャイルドペナルティというそうです。
確かに育児休暇がとりやすくなったといわれますが、休暇中の給与が無給だったり、復職しても育児の為、時短勤務になり要職を外れたり、能力を発揮しづらい環境に陥りがちだと感じます。

障がい児育児(ハンディキャップチャイルドへのペナルティ)

育児に対して社会的経済的なペナルティが課せられるといったことはわかりましたが、障がい児となるとさらに深刻です。
これを造語で『ハンディキャップチャイルドペナルティ』と呼ぶことにします(検索しても出てきません。造語です。)
身体障がいや知的障がい、精神障がいなど、障がい種別は様々ですが、明らかに定型発達の育児と比較すると社会から隔離された感覚を覚えます。
経済的には様々な福祉サービスなどで優遇される面もありますが、就業環境の選択肢が少ないなど、稼げる能力を発揮しづらいことは容易に考えられます。

障がい児育児中の世帯年収

育児中の世帯年収が550万円以下の世帯は35%というデータがありますが、障がい児育児中になると550万円以下の世帯は54%と相対的に年収が低い結果が出ています。
18歳未満の子どもがいる家庭の母親の就労率72.4%に対して、障がい児の母親の就労率は55%となっています。
(特別支援学校の児童生徒の母親対象のアンケート結果より)

データ上でもチャイルドペナルティ以上にハンディキャップチャイルドペナルティの方が経済的なダメージが大きいことがわかります。

重責職、要職に就きづらい環境

管理職だけでなく、看護師や期限に追われる職務、運転手など要職に就きづらい環境にあるのは、チャイルドペナルティ以上にハンディキャップペナルティがさらされています。
医療的ケアが必要だったり、特別な配慮が必要なお子さんの場合は、学校や放課後デイでは問題が起こった際に対応出来ないケースが多く、保護者に迎えに来てもらうことがほとんどです。
当然ながら、迎えに行く保護者にもプライベートがあり、働いている職場で職務が全うできない事に苛立ちや申し訳なさを感じながらストレスを抱えています。
そんな環境下では、仕事が面白くなって実績をあげ、昇級していくという仕事の醍醐味を味わうことが困難です。
そんな姿を何度も目にしてきました。

まとめ

本来の能力を発揮できていない事で働いている本人はもちろんですが、社会的な損失も大きいと思われます。
では、どうすればよいのか?
それは新聞記事などでも様々提案や議事があります。
ですが私の私見は違います。
(制度などで子育て支援する事も大切なことです)

障がい児を育てている家庭を支援する事や、働きやすい環境を作ることは重要なことです。
ですが、子どもの異変に学校や放課後デイに駆け付けなくても大丈夫な社会も問題だと思います。
育児は大変な事です。
ましや障がい児育児はなおのことです。
現状を変えていくことも大切ですが、現状を知ってもらうことがもっと大切だと思います。
働いている職場が、通っている学校が、放課後デイが、社会そのものが、障がい児育児の大変さにしっかりと目を向け、共感し、寄り添う社会になっていくことが、価値ある育児をしているという充実感に繋がります。
「あなたの頑張りを見ているよ」
「つらいね。仕事のことは気にしないで、でも頼りにしてるよ」
「大変な子育てお疲れ様。ひとりで抱え込まないで、頼っていいんだよ」
そんな育児共感文化が広がればペナルティと感じる気持ちが和らぐのではないでしょうか?
支援や制度を政治的に改善、設計することは急務ですが、何故必要なのか?の現状を理解してほしいと思います。
それが問題点の洗い出しになり、必要としている福祉制度設計に繋がります。

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