ペイウォールとディスタンスウォール
base In えひめ キックオフセミナー
B型事業所の方が主催者の1人になっているセミナーに主催の方にお誘いを受け、参加してきました。
ディープなセミナーで、自閉症の支援についての踏み込んだ内容のセミナーでした。(講師は中山清司さん)
内容についてはクローズで、資料についてもSNS等で取り扱うことができない規約になっています(当然といえば当然ですが)
実践的な事例の映像もたくさん盛り込まれていて、活かせる内容で収穫が多いセミナーでした。質問の時間も長くとられていたので参加者の理解も進んだと思われます。
(質問回答については自閉症支援より、チームビルディングやマネジメント視点の質問が多く、ビジネスパーソンにとっては知りうる内容でした。)
キックオフセミナーということで、今後も継続的なセミナー開催を予定しているようで、愛媛県の中予で開催された今回を皮切りに(今回は伊予市でした)、次回は南予が決まっていて、以降東予でも計画されると思われます。
ペイウォールとディスタンスウォール
内容について、細かく記事にできないので、今回気づいたことは参加のハードルを少し上げることで、個人的にはフィルターを抜けた方々は長時間のセミナーにも本気で聴かれていたと感じました。
そのハードルが
①ペイウォール
参加費が3000円でした。
個人的には特に気になりませんでしたが、広報が始まったタイミングではあまり参加者が集まっていないと聞いていましたので、私自身も知人や関係のある方にお声がけをさせていただきました。
その際に、
「お金がかかるんですね」
とか
「高額ですね」
と、言われる方が少なくないんですよね。
福祉系のセミナーの特徴として行政発信のものだったり、補助金が活用されたりするセミナーが多く、無料で参加できるセミナーが非常に多いんです。
私はタダでも、自分の限られた時間を興味のないセミナーに使いたいとは思いませんが、おかげで第一のペイウォールが発動したんですよね。
考えてみれば、講師の方は大阪から愛媛に前泊、後泊で来られていましたから、募っていた人数で割ればおのずと金額が計算できます。
むしろ黒字(主催の儲け)ではないかもしれません。
②ディスタンスウォール
ディスタンス(距離)のウォール(壁)。
今回のセミナー会場は車で高速道路を使って1時間少々の場所にありました。
お声かけした方からの返答で多かったのが
「伊予市ですか・・・」
「ちょっと距離がありますね・・」
「もう少し近ければ・・・」
といった返答でした。
片道1時間、往復だと2時間強の時間がプラスされます(午後1時開演だったので昼食をとる時間も合わせると約3時間)
13時~17時の4時間のセミナーに往復時間を合わせて約7時間の拘束時間。
ほぼ半日強の時間が拘束されるわけです。
距離の壁の大きさを実感していただけたと思います。
ここからが本題なのですが、私の住んでいる地域の方でセミナーに参加されている方もいらっしゃいました。
それだけのペイウォール、ディスタンスウォールがあっても、です。
もちろん、そのセミナーに価値を見出せなければお金を払うことも、高速を使って遠いところまで足を運ぶことはないでしょう。
ただ、参加された方が全員同額のお金を払っていますが、何処から来ているかは様々です。
主催者や、今回誘ってくれた方から何度も言われたのが
「遠くからわざわざ、ありがとうございます」
という言葉です。
これが “わざわざ行く価値” だと思うのです。
私の住む地域以上に遠い場所から来られている方もいらっしゃいました。
セミナーの最初の挨拶で
「わざわざ、〇〇からお越しいただいている方もいらっしゃいます」
といった具合で紹介までされていました。
恐らく、これから主催者とお会いした時も
「あの時は遠くからお越しいただいてありがとうござました」
といった具合に、記憶に残るのではないでしょうか?
以前、テレビ局で働いている方が私のところへ来られて、柑橘農家や加工場を紹介して欲しいと頼まれたことがありました。
その際、南予地域の柑橘農家の方にお声がけしました。
片道3時間強の道のりを、急なお誘いにもかかわらず、わざわざ来ていただいたことを覚えています。
恐らく、ディスタンスウォールが無ければ、ここまで鮮明に記憶に残ったりしていないと思います。
距離の壁は、遠いから行けない・・のではなく、遠くから行く事が価値になります。
わざわざ・・・足をのばしてみませんか?
のばした距離に価値があります。