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ナッジとダークパターン

従来の経済学では、この世は完全な情報を持ち、自分の満足が最大となるよう合理的に行動する「経済人(ホモ・エコノミクス)」で成り立っているとみなし、人が好みに応じて行動する「選択の自由」を是とします。
でも、人にはバイアス(偏り)がつきもので、時に非合理的な振る舞いをします。

アホなオイラ、アマゾンで商品を買った際、送料無料に目がくらんで、「アマゾンプライム」に入会。無料で映画を観ることもなく、5年ほど放置していた模様(笑)。
オイラ、とても合理的に生きているとは言えませんね(笑)。  

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ナッジ(Nudge):(合図のために)肘で小突く、そっと突く。行動経済学で、強制するのではなく、行動と意思決定に影響を与えるようほめて誘導したり、 他の事にかこつけてそれとなく遠回しに諭(さと)して誘導すること。

タバコを吸うのも暴飲暴食を重ねるのも個人の自由であり、他者に被害を及ぼさない限りにおいて、他者に好み・嗜好に口を出される筋合いじゃないってのが一般的な自由の概念。

ところが、人間は感情に左右されやすく、今の満足を過剰に重視してしまう生き物。食事を控えた方が太りすぎず健康にいいとわかっていても、ついつい食べ過ぎてしまいます。

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そこで、最近注目されているのが行動経済学

行動経済学の知見から、人は後で別の選択肢が与えられても最初に設定された条件=デフォルト(初期状態)を選ぶ傾向が浮かび上がってきました。そこで、政府はあらかじめ望ましい行動を提示することで、人々を望ましい行動に仕向けるナッジを用いるようになりました。

「拒否する」にチェックを入れなければ臓器提供リストに入るのをデフォルトにしておくと、臓器提供に同意する人の割合が増えるってのが代表的な例。また、受動喫煙を防ぐ分煙化やメタボ健診も国民が正しい生活習慣を身につけるようにするためのナッジです。
自由の侵害することなく、医療・介護・年金などに必要な社会保障給付を削減できるのですから、債務不履行という意味でなく、初期設定の意味のデフォルトなら大歓迎ですよね(笑)。

https://note.com/gashin_syoutan/n/n0fe1647a8659

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次はナッジの応用編。

ダークパターン : ネットサービスの解約を煩雑にする手法。約10年前に英国で「消費者を欺く」と問題視され、注目を集めた。
ノルウェー消費者評議会は今年の1月、有料サービス「アマゾンプライム」に関し、解約が困難で消費者の利益を損ねる(違法なダークパターン)の疑いがあるとして、ノルウェー消費者庁に調査を促しました。同サイトでは一部商品で定期購入が初期設定(デフォルト)された「誘導」のダークパターン

米国のプリンストン大によるダークパターンの分類では、セールの時間制限などを強調する「あおり」、余分な注文のボタンの色などを目立たせて申し込みを促す「誘導」など7種。

日本で多いのは「誘導」。メルマガの受信の初期設定、商品の定期購入が自動的に選択されているものなどがありますが、現行法では違法ではありません。

キャンセルできない場合もあるようですし、企業の問題意識も低いようです。法律が守ってくれない現状では自己防衛しかありませんね。

高齢者のネット通販利用については、「ナッジ(←汝)老人を助けよ」ってね(笑)。


https://note.com/gashin_syoutan/n/nd1cd1b64b682

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