保存機器の進化の歴史
保存機器、それは現在のコンピューターの中では特に大切な部分です。でも、保存装置はたくさんあり、外付けタイプだと対応する機器が限られ、内蔵型だとそれがコンピューターの起動速度を決めてしまいます。今回はそんな電子機器の保存装置の種類と歴史の紹介です。
注)ROM・・・何度も書き込みと読み出しが可能なもの
RAM・・・一度書き込んだら以降は閲覧専用になるもの
持ち運び用=ここでは単体で移動させることができるものを指す。基本は部屋の中で使うものも含む。
1. 1800年代の保存機器
デジタルでないため、コンピューターには読み込めず、現在はあまり使われていないです。
・アスファルト
あまりにも古く、馴染みある人が少ないので省略。
・写真フィルム
🗺持ち運び用
カメラが庶民に広がるきっかけにもなった記憶媒体です。モノクロだと、光に反応する銀が塗られ、光に反応すると目に見えない別のものに変わリます。見たいときは特殊な薬品(ここでの説明は省きます)で現像します。
🔴デジタルより信頼できる。
⚠️誤って蓋を開けると見えなくなる。
劣化の危険がある。
画面のないカメラの場合は撮れているかの確認ができない。
現像は専門知識がいるため業者に頼む必要がある。
・シリンダー式レコード(蝋管)
🖥内蔵型
エジソンが開発した初期の蓄音機で、蝋管の表面にワックスを塗りそこに記録しました。表面を削れば再利用できますが、限界があり、やりすぎると摩耗します。
また使い切りですが半永久的に保存できるセルロイドのものもあっりました。後に複製できるパンとグラフも生まれた。
・ディスク型蓄音機
🖥内蔵型
安価だが再生しかできず、録音はできない。
2.円盤式レコード
🖥内蔵型
大量生産に適したため、シリンダーよりも広がった。円盤形記録媒体の始まり。
3.磁気テープ
磁性体を塗って記録します。アナログ式とデジタル式があります。
🔴MP3に変換することでコンピューターに取り込み可能
ディスクに比べて安価
⚠️しかしデータの破損が起こることがある。
テープの回転によってデータを読み込むため、初めから順番に読み込むことしかできず、たくさんのデータを並べて選ぶ作業は不可
・カセットテープ
🗺持ち運び用
4.光学ディスク
円盤の表面に微細な凹凸をつけて記録します。
🔴保存は最大3億年
⚠️ディスク面に傷が入ると情報が読み込めなくなる。
大きさは種類に関わらず同じものが多いため、色々な光学メディアを読み取れるプレイヤーがあります。
なお、現在は減少しており、プレイヤー非搭載のパソコンもあります。
・コンパクトディスク(CD)
🗺持ち運び用
赤外線で読み取ります。
🔴レコードより摩耗しにくく、扱いやすい
→1980年台から急速に広まる。
音声記録用は、アルバムとして曲を収録しての販売や本の付録として付属するなど、記録ではなく視聴のために販売されることが多いです。現在はMp3形式の音楽配信が増加し、このような販売方は減っています。
データ記録用(CD-ROM)は、パソコンでの設定を必要とする家電に付属して、ディスクをパソコンに挿すと設定ソフトが読み込まれると売ったことで利用しました。さらに、ハードディスクなどのバックアップとしても使われます。
・レーザーディスク
🗺持ち運び用
ビデオを保存するためのものです。世界で初めて一般家庭に普及しました。仕組みはCDに似ています。
・デジタル多目的ディスク(DVD)
🗺持ち運び用
赤色半導体レーザーレーザーで読み取る。
(1)DVD-ROM・・・一度作ったら再生のみ。
(2)DVD-R・・・一回まで追加で書き込める。
(3)DVD-RWとDVD-ROM・・・複数回追加で書き込める。
DVDプレイヤーで読み込みます。プレイヤーはテレビ(テレビデオとも)やパソコンや録画機に内蔵されることもある。
パソコンは、CDと兼用のプレイヤー。
非搭載端末には外付けが必要です。
商品として映画を収録する場合や、本の付録として付属している場合など、CDと同様に記録ではなく、視聴のために販売されることが多いです。
しかしこちらも、オンラインの動画配信サービスに代わり、このような販売方は減少しています。
・ブルーレイディスク(BD)
🗺持ち運び用
ビデオとコンピュータのデータを保存。青紫色半導体レーザーで読み取る。CDより容量が大きい。
かつては競合規格のHD-DVD(東芝が開発)もありましたが、現在は圧倒的にこちらが優勢です。
ブルーレイプレイヤーで読み込みます。プレイヤーはDVD・CDと兼用です。プレイヤーはテレビ(テレビデオ)やパソコンや録画機に内蔵されることもあります。
プレイヤーが搭載されていない端末では、外付けが必要であります。
主にテレビの録画や、DVDに代わってビデオの販売用として使われることが多いです。
・ホログラフィック・バーサタイル・ディスク(HVD)
光ディスクの記録層を従来の「面」ではなく「立体」的に使用することで記録容量を飛躍的に増大させる、ホログラフィック記録技術を利用
(Wikipediaより)
だそうです。とにかく従来のDVDとは大きく違ったものだということがわかります。なんと日本で開発されました。
このディスクは、想像できないほど多くの容量を保存できますが、広まっていません。僕は、家電量販店でHVDと書いてある表記を見た事はありません。2006年度中に実用化させる計画があったようですが、結局実現できず現状は微妙です。
ただ、光ディスク自体の需要も往時ほどは高くないと思うので今後これが広まるかは分かりません。
5.磁気ディスク(HD)
磁性体を塗った円板を高速回転させてデータを読み書きします。
⚠️割れてしまった場合は情報が消えてしまう。
・光磁気ディスク(MO)
赤色レーザーと磁気を利用します。既に消滅済みです。
・フロッピーディスク(FD)
写真について…父が所有していますが、探す時間があまりなかったため用意できませんでした。また機会があれば写真を公開できるかもしれません。
🖥内蔵型、🗺持ち運び用
現在はあまり使われていません。
フロッピーディスクドライブで読み込みます。中のディスクを取り出せることが特徴です。大きさは様々なものがあります。
パソコン(又はワードプロセッサ専用機)に内蔵したものと、外付けのドライブがあります。後者は後にUSBメモリに取って代わりました。
・ZIPディスク
FDの発展系ですが互換性はありません。高速で、安価で、接続がしやすですが、すでにMOが普及していたためあまり浸透せず、後にCD・DVDにっとって代わります。
・ハードディスク(HD)
🖥内蔵型(ドライブごと持ち運べるものはある)
パソコンや録画機やサーバー等に内蔵されてメインメモリとして利用する場合と、CDやDVD同様に外付けで利用する場合があります。TB単位での多くな保存に向きます。
さらに近年はサーバーのようにネットワークにつながりどこからでも、どんな端末でもデータを見れる『ネットワークハードディスク(NAS)』と呼ばれるものも販売されています。
他のディスクとの違いは、ハードディスクドライブとハードディスクを切り離すことができないことで、外付けの場合はディスク単体ではなく、ハードディスクドライブに内蔵されたハードディスクをUSB等のコードでパソコンとつなぎます。
前者はメモリーに、後者はSSDに取って代わり、最近は減少。
6. 半導体メモリ(フラッシュメモリ)
電気的に保存します。
🔴稼働部分がない→
破損しにくい(衝撃や揺れに強い)
小型・軽量
読み込み速度がとても速い。
静音
消費電力が低い
⚠️長い間電源を通さないでおくと情報が消えてしまうことがあるため、長期保存には向かない
ディスクより高価
※後日注
NOR型→平面状に素子を置く。あまり保存できない。
NAND型→立体上に素子を積む。多く保存できる。
・SDカード
🗺持ち運び用
小さなカードです。主に写真を記録するのに使います。大変小さいのにも関わらず、32GBや64GBも保存できます。衝撃に強いため大変よく使われます。
・USBメモリ
🗺持ち運び用
フロッピーディスクに代わり、データを持ち運ぶために使います。対応したUSBポートがあればどんなコンピュータでも使えます。
端子の大きさに合わせて、USB-A用とUSB-C用があります。
最近はGoogleなどのサーバーにデータを預ける『クラウド』増えていますが、まだUSBメモリも多く使われます。
・ソリッドステートドライブ(SSD)
🖥内蔵型 (ドライブごとを持ち運べるものはある)
ハードディスクにかわり、コンピューターの記憶装置として使われます。主にパソコンやサーバーにつけられます。
また、ハードディスク同様にドライブごと持ち運ぶこともできます。外付けタイプのものはUSBで接続します。
大幅に小型化し、静音となり起動も速くなりました。
いかがでしたか。保存機器は、今の私たちにとって必要不可欠なものです。一昔前はハードディスクがよく使われていましたが、現在はあまり使われていません。昔からコンピュータを使っている人ならフロッピーディスクを知っている方もいると思いますが、現在は知らない人の方が多いです(このブログを書くために調べ始める前の僕もしりませんでした)。保存機器は日々進化しています。今後はどうなるのでしょうか。
次回は鉄道に関する記事の予定です。お楽しみに〜
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?