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風のない日に 港を走る 人気のない荒れた舗道に 大型トラックが 寝そべってる 誰もいないよ…
誰もいない 休日の波止場の 錆びた鉄板の上に ひとり ひなたぼっこしてる 猫の横を 我が物…
すっかり汗ばむような それでも 木陰に入ると うっすら冷たい 山里の春は 去年と同じ顔し…
よく晴れた 風のある昼下がり 自転車をこいで となりの町まで ちょっとばかり 海のやつを…
何だか寒くて起きられない 冬の朝 布団の中から手を伸ばし どうにかリモコンをさぐりあて エ…
よく冷えた朝 斜めにずれた毛布から はみ出した足が あんまり寒くて ベッドの奥に 縮こま…
垂れこめた秋の朝 雲隠れしてるのは 何も太陽ばかりじゃないと 君は憂鬱そうな顔で ひとり キッチンで湯をわかしてる 僕はといえば 読めもしない本を開き 白紙の部分を目でなぞってばかり 君は言う 本なんて捨てちゃえばいい だって 大事なことは何一つ書いてやしないのに 僕は言う 書かれていないことを読むために 本を読むのだと 君はあきれた顔で肩をすくめ ひとり お茶を入れてため息をつく そして冬になる前に 少ない荷物をまとめ シングルベッドといっしょにいなくなった
午後の山を歩く 自転車を押して ただひたすら だらだらと 別にどこへ行きたいわけじゃない …
ようやく抜けた空に 風が吹く まだ湿ったままの空気さえ嬉しくて 地平線に太陽が顔を出す そ…
厚い雲が垂れこめる 重苦しい朝に 寝苦しさのあまり 床の上で目を覚ます 降ってはやみ や…
降り続いた雨がやんだ 束の間の安息日 横殴りの風は まだ気まぐれに砂を運ぶ 松林の向こう…
降るような降らないような あいまいな空の下 港湾地区の立ち入り禁止の金網の向こうに 見え…
雨上がりの空は 夏 まだ梅雨の雲を引きずってはいるけど ペダルを蹴って自転車をこぐ 早朝の…
まだ夜も明けて間もない朝 昨日の熱を残したままの砂を歩く 足を運ぶたびに逆の足にかかる砂が 靴の中に入るのさえ心地よい 水際で少し持ち上がってから落ち込む 砂の盛り上がった地面を越えてようやく からみつくような潮の音とにおいに むせそうになりながら水面に触れる まるで大きな生き物の呼吸のような 緩やかなようで強いリズムに 行く当てもなく漂うのもそう悪いことじゃない なんて強がりばかり言ってた頃を思い出す 寄せては返す波に乗せて小石を投げる 遠くに飛ばしたはずの石は