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NLP・自然言語処理は、人工知能と言語学を繋ぐ技術!

自然言語処理をご存じでしょうか。特にIT業界やAI業界では最近よく言葉かもしれません。本日はそんな自然言語処理について解説。

●自然言語って何?NLP/NLU/NLGの違いとは?
●パーソナライズが一番の武器?
●英語も日本語も、より自然な表現が可能に?

自然言語って何?NLP/NLU/NLGの違いとは?

自然言語処理(natural language processing)とは、Wikipediaでは以下のように書いてあります。

人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術であり、人工知能と言語学の一分野である。

出典:自然言語処理 - Wikipedia

そもそも「自然言語」とはなにかというと、日本語や英語のように、いつも使っている言葉のことをいいます。

なぜ敢えてそんな表現をするかというと、「人工言語(形式言語)」と対比して使うためです。人工言語とは、数式やプログラミング言語を使って構成された言語です。

つまり、人間たちが自然に使っている言語か、機械が一定のルールで人工的につくりあげた言語か、という違いが分かるように「自然」「人工」という定義があるわけですね。

自然言語処理(NLP)は、その自然言語をコンピュータで解析する処理のことですが、それに近い言葉としていろいろあるので、以下の図で整理すると分かりやすいですね。

出典:NLP vs NLU vs NLG: Differences and Applications


自然言語理解(Natural language understanding)
⇒コンピュータが自然言語を理解、または意図を抽出させること

自然言語生成(Natural language generation)
⇒コンピュータが自然言語によるテキスト応答を生成すること


パーソナライズが一番の武器?

このNLPの技術を利用することで、どんなメリットやビジネスが可能になるのでしょうか。

一言でいってしまえば「パーソナライズ化」です。
つまり、その人その人に向けた文章をAIが作成して提示するということが可能になるわけですね。

私たちが見る、PCがつくる言語って、基本的に「自然ではない」ことが多いはずです。ラインのチャットボット、アマゾンのレコメンド機能など、だいたい決められたルールのもとAIが勝手に文章を提示してくれることが多いです。

しかし、もしその人用にカスタマイズされた文章で提示されるようになったら、顧客接点を増えますし、ユーザーもより自分がほしい情報と感じる可能性は高くなるでしょう。AIによる自動応答など非常に便利といえる現代ですが、まだまだ人間が使う言語とは乖離があるのが現状です。

製品説明やレポート作成なども、同様に自然な言語で完成させることができれば、多くの仕事が効率化できることは間違いありません。音声認識と繋げれば、より広範囲でビジネス化できる素材となりえそうです。


英語も日本語も、より自然な表現が可能に?

また、インタフェースとしての側面もあります。NLPの技術は、より精度の高い文章をつくることにも活用されるはずです。英語では同じ単語でも名詞と形容詞が存在するものがありますし、日本語ではもっと複雑な単語や文章生成があります。文節ひとつひとつをより「人間が使う言語」に近いものとして表現できるようになります。

英語だけならまだしも、地球上のすべての言語で共通する課題であるからこそ、今ホットな技術といえるのかもしれません。
(例えば、わかち書きといって、英語では単語の間に区切りがありますが、日本語では区切りがありませんよね)

日本語だけでも

形態素解析
構文解析
語義の曖昧性解消
照応解析

といったようにたくさんの基礎技術が必要になるのです。

こうして考えると、機械学習や人工知能よりの話でもある一方、かなり言語学的な話でもあるんですよね。

今後も注目の技術ですね!


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