マガジンのカバー画像

私と不妊治療と流産と

25
自分の4年間にわたる不妊治療・2度の流産・不育症にまつわるエッセイのようなもの
運営しているクリエイター

#稽留流産

不妊治療で病んだら植物を育てよう

この行き場を無くしたあふれる母性をどうすればいいのか?不妊治療中、メンタルを病む人は少なくない。3年間ずっと不妊治療中の私もそのひとりだ。 がんばっても一向に終わりが見えない。私がはまっている不妊治療という沼を、周りはあっけなく通り過ぎていく。それがたまらなく虚しい。 そんなとき救いを求めてペット飼う人は多い。無論、幼少期から猫を飼っていた私は大賛成であるが、植物を育てることも同じくらい有力な候補に挙がってもいいと思う。 私は不妊治療でどうしようもなく病んでいた頃に、ほ

【自分だけじゃない】不妊治療の声まとめ

不妊治療・流産について発信してるX投稿やnote等を読み返す用にまとめておくことにした。まるで私の気持ちを代弁してくれているかのように、共感の嵐で涙が出てくる。自分だけじゃないんだ!同志がいる!と思えて励まされる。 不妊治療は表に出ない話題がゆえに、特に実名で発信してくださる皆さんの勇気に感謝。ありがとうございます。 さっと見る じっくり読む・見る

不妊治療 痛いランキング

3年半の不妊治療・流産・不育症を通じて、数多くの痛い治療や検査を受けてきた。受ける前は毎回ドキドキして、どれだけ痛いのか心の準備が必要だったので、ググってはみなさんの体験談にお世話になった。「この検査はこれくらいの痛みか、そこまで痛くないのか」とイメージした上で臨んだことで、少なからず心理的負担は減ったように思う。 そこで、私自身の治療経験の痛みもランキング化してまとめておくことにした。私の痛みが誰かの役に立つかもしれないと考えると、報われるもんだ。 なお、以下のランキン

この注射、自分の腹に打つの?

不妊治療の採卵周期が始まると毎日自分の腹に自ら注射を打つ。 最近はペンタイプの簡易的な注射が発明されたおかげで、痛みもほとんど感じず、簡単に注射を打てるようになった。私も恩恵に預かっている。 でも、病院が変わり、少し使う薬剤が違うので、採卵前にまじで普通の注射を打つことになった。自分で自分の腹に。 いや、怖すぎやろ「下腹の肉をつまんで刺してください」と病院からラフに説明を受けたけど、どういう角度でどこまで刺せばいいわけ?私、看護師でもなんでもないけど刺せるんすか? 怖

最高のシナリオだけ考える

来週から地獄の採卵周期がスタートしてしまう。文字どおり地獄のような壮絶な治療である。受け入れたくない。まさか自分が3回も採卵手術をすることになるなんて、だれが予想できただろうか。 まだ血液量が多い生理3日目の内診も、毎週の通院も(3時間の待ち時間・採血)、日々の注射や投薬も、当日の点滴も手術も、卵巣がパンパンに膨らんだ痛みも、あらゆる治療のリスクと恐怖も、仕事との調整も、すべて女性側が一人で背負わなければならない。 でも、ポジティブに考えよう。 来月採卵して翌月に移植、

その繁殖力、分けてくれ

不妊治療をしながらガーデニングしていると、「その繁殖力、分けてくれよ!」と羨ましく思う場面にたくさん遭遇する。 最たる例が多肉植物だ。 親株・子株と呼んでいるが、簡単に言うと、彼らは自分の体に子どもを産みつける。 もちろん水やりなど毎日お世話をして、親が立派に成長した上で子どもが誕生するのだが、にしても、ものすごい繁殖力。 しかも、子どもは1人や2人ではない。こちらの子宝草は文字どおり子宝に恵まれ、1つの親の葉から何十人も小さな子どもが生まれる。大家族だ。 なんて羨

365日でたった12回

1年は365日ある。 そのうち妊娠できるチャンスは最大でもたった12回しかない。どんなにあがいても12回だけだ。 しかも、その12回は自分で日程をコントロールできない。ホルモン周期によって体が勝手に決めてしまう。 そのうえ、1回ずつ確実に卵子も精子も老化していく。妊娠率は下がり、流産率は上がる。やがて卵子の数が底を尽きれば、妊娠できる可能性がゼロになったことを意味する。 この事実があまりにも重い。 高校球児が一球入魂するように、私は1回1回のチャンスに人生をかけてい

花のように花のように

気づいたら、お腹の赤ちゃんの心臓が止まって3週間も経っていた。 2回目の流産は受け入れ難かったけど、時間をかけて向き合ってきた。 でも、まだお腹から出てきてくれなくて、心身共にしんどいときがある。 会社では何人からかおめでた報告があった。お腹に亡くなった赤ちゃんがいる状態でベビーシャワーの写真を見るのはなかなか酷だ。だけど、その負の感情は、その場では表に出せないし、ひとりで抱えなければならない。 泣いても泣いても悲しみは消えないし、お腹の赤ちゃんは帰ってこない。 そ