住宅ローン変動金利上昇!返済中、またはこれから借りられるあなたがまず知っておくべきこと
皆さんこん〇〇は。
独立系 FP 事務所、ガーデン・イールズのふじおかです。
今日も投稿をご覧になって頂き、有り難うございます。
今回は FP コラムとして、変動金利で住宅ローンを借りている方、またはこれから変動金利型でローンを組んでご自宅を購入されたいとお考えの方に向けたお話をします。
住宅ローン金利に影響する日銀の動き
2024年3月、日銀は長く続いたマイナス金利の解除に踏み切りました。
この報が出た当時、各ニュース媒体などでは、それが及ぼす分かりやすい影響として、住宅ローンの金利が上がる、ということを殊更に取り上げていた記憶があります。
その4ヶ月後となる7月の会合では、マイナスからゼロになったその政策金利をさらに 0.25% 、引き上げることを決定。
今ローンを返済されているご家庭にとってはチクチクと耳障りの悪い報道で、ストレスを感じる方も少なくは無かったであろうと察します。
とうとう来てしまう、ローン利息引き上げ発表
そして一昨日、9月26日。
大手5行より、変動金利型住宅ローンの返済金利を引き上げる予定であることが発表されました。
住宅ローン、変動金利上昇へ - 大手5行、0.15%程度(共同通信)
今までは “上がるかも…” で終わる話であったら、と願いつつ、動向を何となく見ていた方もいらっしゃったでしょう。
しかし、日銀の政策金利と住宅ローンの変動金利は、多少のタイムラグなどはあってもかなり密に連動します。
つまりこのニュースは、前段のいわば “予告” を経た上で、来るべくして来た凶報である… ということです。
“これから”を正しく理解し、取るべき姿勢を悟る
では今回の住宅ローン変動金利上昇は、発表した大手5行に留まる可能性もあるものなのでしょうか。
残念ながらそのようなことは無く、ネット銀行や地銀、信金などで借りている場合であっても関係無く、この動きは全体的に波及していきます。
ですからまずは本記事を起こす目的の一つ目、このメッセージをお伝えすること。
楽観的なスタンスで眺め続けることは諦め、
腹を括って対峙しなさい
要は ファイティングポーズとんなさい ってことです。
直ちに慌てる必要は無し
続いて本記事を起こす目的の二つ目、“それで、ではどうするか” というお話。
変動金利型と言うのは、世の情勢によって金利が上下するローンですよ… って、この説明を受けた覚えが無い、またはこの性質を知らない、と言う方はさすがに少数派かと思います。
なお、借りた時点で終始の金利が確定し、返済総額が変わらないタイプの住宅ローンは固定金利型と呼ばれます… 念の為。
さて、ではお金を借りて、ご自宅を買う決心をされた当時のことを振り返ってみて下さい。
今確認出来る利息は、固定型より変動型の方が明らかに低い
(こっちの方が安いやん)借りた後、みるみる金利が上がっていくなどということが想像出来ない
(きっとイケる。このままか、言うて大きく上がったりはせんやろ)
今見て良さげな方を選ぶ、先のことはあまり考えずに選ぶ。
言葉は悪いんですが、変動金利型でローンを組むというのは、つまりそういうノリを多分に含んでのことだということです。
この思考が一概に問題だとは言えませんし、その良し悪しを論じることはこの記事の目的外なので言及しません。
※不動産屋は買って欲しくて仕方が無いので、顧客本位でリスクをきちんと説明することは稀ですし
ただ。
先にお知らせしました通り、異変は既に起こり始めています。
ですから、今からで全然構いませんから、まずは自分が今借りている、変動金利型住宅ローンの性質を正しく把握するところから手をつけましょう。
ここからは、住宅ローンに関する具体的な話になります。
今ローンを返済中の方は、契約内容を確認出来る書類や、金融機関から送られてきた最新の残高証明書、返済予定表などをお手元に用意されれば、より理解が進むものと思います。
まず確認すべき4つの要素
①変動金利型の金利見直し時期
融資元(金融機関)の規定に依存するが、年に2回、4月/10月 の見直しであることが多い
4月の見直しによって ▶ 7~12月の利息が決定
10月の見直しによって ▶ 翌年1~6月の利息が決定
つまり先の共同通信のニュースは、
「来月、10月の見直しで、利息 0.15% 上げることになるで」
を、報じているのです。
②返済方法(返済方式)
住宅ローンの返済方法には、以下の2つがあります。
元金均等返済
毎月の返済元本が一定の金額となるよう算出される方式
利息分支払が減少するため、返済額は毎月少しづつ減少
支払総額はこちらの方が少ない
元利均等返済
毎月の返済額が一定の金額となるよう算出される方式
毎月の返済額は(金利が変わらない限り)ずっと同じ
よく選ばれるのはこちら
自分がどちらを選択しているかの見極めは極めて簡単で、毎月の返済額が同じであればそれはつまり、元利均等返済です。
③5年ルール
利息が上がっても月々の返済額が急に増えたりはしない仕組み、それが5年ルールです。
つまり、来たる10月の見直しで金利が上がったとしても、来年1月から先の5年間、月々の返済額は今までと一緒ですよ、ということです。
借り手の家計が直ちに火の車とならないよう、配慮されているんですね。
④125%ルール
さらにもう一つ、返済額の急激な上昇を抑制する仕組みが125%ルールです。
5年ルールの効き目が無くなれば、毎月の返済額は見直されてしまう(上がる)訳ですが、その際も増額幅は従来返済額の125%までに留められます。
つまり、それまで月の返済が 100,000円だったとすれば、見直し後は最高でも 125,000円ですよ、ということです。
差し当たってはこれら4点、自身の組んだ住宅ローンではどうなのかを確認されるのが宜しいかと思います。
返済者を守る5年ルール、125%ルールについては、返済方法として元利均等返済を選択しているローンにのみ、適用が可能です。
ただ、少し気を付けたいのが、特に最近の住宅ローンでは、これら2つのルール設定が無い(敢えて外してある)ケースも見られます。
これも無いからダメ、とは言い切れない部分で、貸す側にとっては負担となるこのルールを排除し、その分より低い金利でお貸ししますよ、という “ウリ” になっていることもありますから。
そして最も大事なこと
5年ルール、125%ルールの2つが機能する、最もポピュラーな変動金利型住宅ローンですと、今々金利が上がったとしても、実際に月の返済額が増えるのは5年後ということになります。
この場合に見通しておきたいこととしては、来たる5年後の収入・支出の状況にどのような変化がありそうか、ということ。
例えば子供が高校、大学に進学しているなど、支出増大が予想される時期とクロスするのであれば、今から貯蓄に回す額を増やす検討が必要かもしれません。
また、さらにこの後も金利上昇の傾向が続くなら、貯蓄よりも繰り上げ返済を行った方が良い可能性も出てきます。
最も大事なのは、返済完了まで金利は一切上がらない… などと夢想していたあの頃とは訣別し、今後はどの程度の備えが必要になってきそうか、を、見極め続けようとすることです。
出来るだけ先手、先手で取り組んでいく方が良いのは間違いありませんし、具体的にどう備えるべきか分からないのであれば、専門家に相談するのも手段の一つ。
考えたくもありませんが、今後万一、返済困難に陥ってしまいそうな雰囲気を感じたら、実際に滞納を生じてしまう前に打てる手もちゃんとあります。
今回はまず全ての前段、自身が利用している住宅ローンがどういった性質のものなのか、改めて正しく理解する(思い出す)ところから始めましょう… というお話でした。
今回のテーマに近接するトピックとしては、
切迫した事態で講じるべき具体的な対処
では固定金利型で借りている場合はどうなるか
などといったところがありますが、それらについてはまた今後、取り上げていこうかと思います。
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最後までお読み頂き、有り難うございました。
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