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馳せる

あなたのことを思い出すと

今もまだ

胸が痛くなる


あなたがいなければ

あなたさえいなければ

「ふつう」でいられるのにと

何度考えただろう

それなのに

あなたがいなければ

成り立つことのなかった、せかい


あなたも

苦しかっただろう

辛かっただろう

あなたは

しあわせから遠いところにいて

だれよりも

愛されたいのに

不器用で不器用で

さみしさが埋まることがなく


不器用なあなたの

不器用な愛が

わたしたちを苦しめたけれど


あなたも

苦しかっただろう

辛かっただろう

さみしかっただろう

愛されたかっただろう

それが

わたしたちには

重過ぎて

見えなかった


あなたのことを思い出すと

願わずにはいられない

あなたが今

しあわせであるように



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