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硝子の鳩 Like a brittle, fragile light

やれること、やれないこと
少しずつ増やして、あたしの自由の形を
彫刻していく

視線を感じて、絶望の存在に気づく


いつか外に出られると思ったら
ショーウィンドウの中

通りのあなた達は羨ましそうにあたしを
見ていくけど

それは、あたしも同じなんだよ?


外へ出るのを許してくれるのは
あたしの視界だけ
それはそのまま、
あたしを逃がさない境界になってる

A4のコピー用紙に収まる人生

薄くて破れやすくて大量生産されて
誰かの全部の為に構成されていく細胞みたいな
代替えの効くザコだとバレない様に生きてる

死に際の美しさを探してる

思いっきり空へ手を広げて、蝶のように
地上へ落ちていくアリでいたいの

そうしたら、あたしのプライドは永遠に死なない

これから死者みたいにあなた達
一人一人の悪夢をさまようから


大量生産される
ベルトコンベアが作る楕円
繰り返される輪廻の円環に私を混ぜないで

私は私
唯一だと信じて、その思いと魂は
誰にも踏ませない

たとえ、
あたしの存在が悪だとしても

あなた達が目を開けられないくらい
漆黒の光になってやる

願わくば

あなた達の心を震わせて
その従順に列に並んだ価値観を
豆腐の様に両手で握りつぶして
新しい顔を作ってあげたい

人間の本当の命を
見せてあげたい


アリとして生きるなら

せめて夢だけでも
鳥みたいに滑空しながら
世界を瞳の中で支配する女王になりたいの

自由は精神にしか宿らない
そして、それは全ての始まりの場所

なのに誰かの作った箱にピッタリ収まるように、自分を歪めてでもその管理された場所にいようとする
高騰するみんなと同じものを追いかけて、
一緒にいるべき君自身を置き去りにする

便利の対価に、自由の価格はグラフの先が見えないくらい上がってる
操ってる人達でさえ、操ることに操られて
発行される通貨量に支配されてる

結局すべてが、何かにおいての
人形でしかないよ

自然も
空気も
風も
誰かも
そして自分の魂でさえも
相互作用のもと、それぞれ互いを縛り合い
存在を許されてる

すべて地球からの借りたもの
返さなければいけない日は
必ず来る

それまでに出来る自由は
きっと無限にある星のように
儚いから、輝いてるから
大事にする

あたし達が産まれた時

命であることの価値観だけは
普遍で

色は違っても

タペストリーにしたら
美しい原色のクロニクル

神様がいるなら
さぞかしそのプリズムに酔いしれてる
ことだろう

けれどあたし達の憎しみも、怒りも、後悔も、快楽も、慈しみも、優しさも、哀しみも、一粒一粒の感情は

TV画面のドットのように隙間なく敷き詰められて
楽しむだけ楽しんで自由に飽きて、チャンネルを変えていくオモチャにされる

自然は勝手にアタシ達を作っておきながら
そのゆりかごを揺らして、自分を信じさせる黒い本まで書かせた

頼るほど背負う物じゃないよ?その十字架は

誰かを愛することと神様を信じるってことは違うんだから
十字書いてお礼言わないで
ちゃんと近付いて、手を握ってあげて


パンとワインはエサ代で
彼が作った箱庭で束の間の生を走るアタシ達

このゲームは、アタシ達が滅ぶまで続く


たぶん、自分を信じることだけしか
あたし達には許されてない

だから、誰かを頼って、頼られても
それがあたし達の全てになってはいけない

自分にとっても、もちろん相手にとっても

あたし達自身は、自分であることから決して逃れられないけど
それはそのまま、あたし達一人一人の尊さに繋がってる、気がする

そう信じて今日もカレンダーを破る

今日が決して、昨日にならないように


そうだよ


どんな状況でも

真の闇は

自分の目を閉じた時だから

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