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薔薇バラ


今優しいのは

あたしの悲しみを拭ってくれる

冷たい空気だけ

あの時、あたしの肌を流れていった君の長い指みたいに


口数が減ったLineは、とうとう黙って

何も言わなくなった


初めは、運命だって信じてたよ?


君と出会えた幸福に震えてた・・


けれど

だんだん、あなたの全てを知っていく

花びらが一枚一枚
地面へ伏せていく様に

残った黒の蕾
本当のアナタに、気付いていく


残念

見つけた薔薇は、みんなのモノでした


そりゃそうだ

君の優しさと陽だまりに

癒されないヤツなんかいないよ



『どうしよう・・・』

『うう、涙が止まらない』

『あたしは、一番じゃ、なかったんだぁ』

わんわん、わんわん
海に向かって死ぬほど泣いた


悔しくて悔しくてどうしようもないのに

それでもどうしようもないくらい
あなたを好きなんだって気付いて

溺れそうなくらい泣いた


低くて長い汽笛の音は

下手なBGMよりあたしの感情を

えぐった

「あーーーーーーーーーーーっっっ」

声が出なくなるまで叫んで、叫んで、叫んで

少し落ち着いたら

お腹が空いた

ふらふらになって、部屋について
インスタントのコンポタージュで暖まってたら
思いっきりむせた

猫舌だって忘れてた、舌がピリピリ痛い


そのまま強い眠気が

あたしをベッドのそばに倒した

本当はわかってた・・・

あなたは月じゃなくて、太陽なんだって

あたしの夜だけを照らす為にいなくて

みんなが生きやすいように光ってるって

知らないふりして、笑ってたんだ・・・


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