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「とんじる祭2020」謝辞と感想

2020年2月10・11日、福岡市。「とんじる祭」という演劇のイベントがありました。今回が4度目の開催で、毎回不思議な切り口のテーマで演劇と向き合うイベントです。「映像×演劇」「カジノ×演劇」「占い×演劇」ときて、今回のテーマは「仏×演劇」でした。全然わからない、と思っている間に本番が目前に迫っているくらい奇怪なテーマでした。どの団体もまったく被らないマイ仏を輝かせていたと思います。

テーマがぶっ飛んでいるだけではなく、この祭りにはおもしろいルールがもうひとつあります。「参加する他団体ととんじるの如く混ざり合うこと」という簡単なようで難しいこのルール、うまくできるかしらと不安もありましたが、とても温かいすてきなルールだなと感じました。悟りとは因縁から解放されること、とか劇中のセリフでは言っていましたが、むしろ温かいご縁に涙する祭りでございました。一生悟りからは程遠いけれど、その代わりに繋がっていく良縁の紐を現世では大切にしようかな、という気持ちです、今は。

「まあ大丈夫だと思いますその時期は」とか言っておいて何ひとつ大丈夫じゃない時期にドーンと重なったとんじる祭。その結果多大なご迷惑を各方面におかけしてしまい(特にサンピリのみなさんに)誠に申し訳ない、という気持ちが拭い去られたわけではありませんが、それでもポジティブなコメントを残しておきたいくらい想像を超える楽しさの祭りでした。観に来られた方は、あまりのランタイムの長さに疲れきってしまったかもしれません。本当に長い時間お付き合いいただいて、私、感謝が止みません。それと同じくらい、素晴らしい祭りを立ち上げて支えてきた片山さんや元一さんにも感謝が止みません。感謝を述べ出すと一生続くやつですし、ずっと止まないなら文に残さなくてもいいかもなので、ここにはそれ以外のことを残しておこうと思います。

  

これが「とんじる」かあ

今回、団体としては1名での参加。まあまあの人見知りだし小屋に入ってから心配だわと思っていましたが、杞憂でした。

なんだか色んなご縁が絡み合って集ったという参加団体。最初にラインナップを知った時には、おそれ多いなあという印象でした。が、そんなおそれ多いすごい方々がたくさん喋ってくれる、こっちが話しかけたら答えてくれる……夢のような空間でした。もう全部ありがたいですが、不思議少年の大迫さんやピッピさんと楽しくお話しできたのは、完全にユニットれんげに出演していたジュンくんのおかげなのでここではみんなを代表してジュンくんにお礼申し上げます。ありがとうございます!

役者としてサンピリの作品にも参加。骨太な台本、迫り来るロンブンの壁、すごすぎる共演者や演出たち……食らいつけず死んでた時期も含めて追いかけるのが精一杯で、溺れそうな時間でしたが、一緒にできてめちゃくちゃうれしかったです。出していただいていなかったら今回も接点を掴み損ねたまま解散になっていたかもしれません。溺れず泳ぎ続けることができてひとまずよかったのではないかと……まだ岸に着いた気がしませんが!
あとは、やっぱり役者はめちゃくちゃ難しいしわかんないな!!!と思いました。ガンガン役者やってる人たちほんとにすごいです。


最後までないんじゃないかと焦った、がらくた宝物殿の演目

これまで会話しかやってこなかったがらくた宝物殿、今回ほぼひとりで演ることになるだろう、ということで最後まで難航しました。というか、サンピリの最終稽古が終わるまで若干の構想(仏の悟る瞬間をしょうもない出来事に落とし込むとか、エレカシのガストロンジャーやるとか、パワポ使うとか)はあったものの、ほとんど進捗がありませんでした、ひとりでやるの怖すぎて、あと心に余裕なさすぎて。

サンピリの最終稽古の帰りに元一さんが「それこそみかんに出てもらえば」と言ってくださらなかったらほんとによくない意味でとんでもねえ作品になってたと思います。

というわけで、第1回福岡学生演劇祭で私を演劇の道に引きずり込み、その後とんじるクロニクルにも放り込んでくださったみかんプロジェクトから「いい感じに微笑んでくれる悟った人」役を迎えてなんとか作品が見えてきました。ひとりでどうしよう〜となっていた不安感だったり、ニヒルと悟りは似てるよなあっていうイメージだったり、今の状況がそのまま詰め込まれたような無骨な劇ではありましたが、楽しんでくださった方もいたようで、大変うれしいです。結局君もひとりじゃなかったよ!というオチ?も、とんじるの他の具材たちに揉まれてごった煮になるという祭のコンセプトになんとなく合っていて、なんか好きです。サンピリで私が完全に疲れ切った直後に死にながら上演するという上演順もめっちゃ楽しかったです。死ななくてよかった。


反省点

「やりましょうよ〜」と無責任に言って、多大なご迷惑をかけ、各方面にお世話になりまくるという愚かすぎる末っ子プレイングで最後までいってしまいましたので、次回以降機会があればもっと色々すてきな提案や舵取りもできたらいいなあと、思いました。

今回のとんじる祭は、なんだか今の私にとって必要な祭りだったような気がします。序盤の会議で「仏」という謎テーマを提案したのも、どこかで何か救いを求めていたからかもしれません。演劇をめちゃくちゃ楽しんでいる人たちに囲まれて騒いで、今後もがらくた宝物殿を続けたいなと改めて思いました。

またいつかのとんじるに共に浸かれますことを祈って、ごちそうさまでした!!


今後の予定→福岡さよなら公演?

今後の予定としては、3月22,23日に福岡市は冷泉荘で、陰湿集団、後付けという2団体と共に短編持ち寄り公演をする予定です。
がらくた宝物殿はこれを最後にしばらくの間福岡市で劇をやることはできないかもなので、もし今までに興味を持ってくださった方は見納めにきてください。すてきな公演になるようにがんばります。
一緒にやる陰湿集団と後付けも、きっとおもしろいと思います。どちらもとんでもねえ天才ですので。後付けは京都からやってくる団体ですのよ!

チラシ画像は、陰湿集団の馬場くんがずいぶん不思議な世界観のものを用意していました。下の方に不穏な1文ものぞいてますね、ドキドキしちゃいます。もう予約も承っているようで、以下リンクから予約できるとのことです。とんじる祭より高くて申し訳ないですが、何卒。

予約→
http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=422134f6fa

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