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がらくた宝物殿 1月怪奇コント「ちょっと人面犬」稽古 #年末番外ひとりごと

年が変わったところでほとんど何も変わったためしがないのに、毎年年末には「来年はちゃんとしよう」と思う。そういう年末が今年もやってきた。2019年は演劇でスタートした。ありがたいことに劇を作りながらその年の終わりを迎えられている。

雑煮に始まりおせちの準備に終わる2019年がらくた宝物殿の演劇まとめ

年のはじめに作った劇と、今作っている劇を比較すると、同じように作っているつもりでも色々と違う。どちらも1月の公演なので、敢えて年始にまつわるたとえをしてみる。

2019年1月、雑煮

2019年1月の公演「何奴」は演劇に出てくれそうな知り合いにほとんど全員出演してもらい、さらにあまり面識のなかった人にも数名声をかけさせていただいた。そこそこの人数のそれぞれおもしろい人たちを狭い小屋に投入しかき混ぜてみる……言ってみれば雑煮的な作品となった。これはこれでよいところもたくさん感じているが、雑煮のよさというのは伝わりづらい。雑煮というのは、地方によって味付けが異なるし、それどころか家庭によって味も具材も食べるタイミングも異なる。人にはそれぞれの雑煮があるのだ。次に他人に雑煮を振る舞う光栄な機会をいただいた際には、ぜひその辺りを肝に銘じなさい。

2020年1月、おせち

そして2020年1月の作品。こちらは私も含めて3名でコツコツ作っている。私以外の役者2名は「何奴」にも出演してくれた人たちだ。
なんともありがたいことに、内1名は前回の時にはほとんど面識のないままにオファーした人。がらくた宝物殿の雰囲気にひくことなく(ひいてたとしても)今回も快諾してくれた。前にちらっと演技を見た時に「絶対おもしろい人だ!!」と思って話してみたら、想定の5千倍おもしろい。あと生きるの大変そう。色々な障壁があるだろうけれど救われてほしいランキングでは間違いなくトップに食い込む(余計なお世話かもしれないけれど、、、)。提供してくれるネタの温度がとにかくいい感じで、全部劇に入れたくなってしまう。「シングル・ビンゴ・マザー」という言葉を生み出してまじでピンチな私を救ってくれた過去を持っている。
私が直感でこの人おもしろいかもしれないと思った人はだいたい思ってたのより数千倍おもしろい。おもしろい人を見抜く才能が自分には備わっているのではないかと思うくらい、第1印象でおもしろい人を判別できる(おもしろい人からおもしろさが滲み出てるのだからそれは私の能力ではなくおもしろい人のパワーであることは自明だ!自明である!!)。もう1人の役者の方もその例に漏れない。私は悩み多き鬱鬱とした人たちと仲良くなりやすい傾向にあるが、その中でも彼は朗らかに人生をうまいこと運んでいる(ように見える)。「割り切る」のがものすごく上手いのだと思う。割り切ったら夕食を1日に4回とっても大丈夫な男。今回もその能力を遺憾なく発揮している。頼もしい。
役者のことを話しだすとどこまででも脱線してしまう。とにかく、私は上のような後輩2人とコツコツ楽しく、まじめに稽古している。
今回の劇は、細かく仕切っては意味付けしていく、雑煮というよりははるかにおせちに近い劇である。とは言っても、クセのある人たちとの作品な上に「新春怪奇コント(演劇)」という縛りが与えられている。なかなかふつうのおせちになるはずもない。「え、重箱この段かまぼこしかないの?」「このおせちを作った黒豆を異常に好きな人は正直に名乗り出なさい」「あの、ナポリタンにはどういうめでたい意味があるんでしょうか?」「おせちの重箱って4畳もありましたっけ?」みたいなおせちになっている。がらくた宝物殿の「マイおせち」それが2020年1月の作品だ。
昨年の年末くらいから「マイおせち」を作りたい気持ちが仄かにあったのだが、それが劇で実現したという感じ。一緒に料理考えたり盛り付け考えたりしてくれる2人には頭が上がりません。
「マイおせち」ではあるが、おせちという基盤は広く共有されていると思うので、結構多くの方に楽しんでいただけるのではないかと思う。テレビチャンピオンを見ながら「え、これ折り紙?」「いやログハウスおい、、」と思う感じで我々の作品観ながら「これコント?」「怪奇ですか?」と思ってくれたらうれしい。その先にはちゃんと「でも、おもしろい!」を用意しているはずなので。


年末のごあいさつ

とにかく、今回出演してくれる2人、今回出られなかったがらくた宝物殿ゆかりの方々、そして観に来てくださる方も観ないけれどなんとなく興味を持ってくれた方も、来年もよろしくお願いします!「来年もよろしくお願いします!」と来年も言えるのかしら、と思うと年末最後の切ない涙が頬を伝うのでありました。


公演情報

イッテルビウムとがらくた宝物殿
新春怪奇コント祭り
「ちょっと人面犬」

2020年1月18日(土) 15:00/19:00
会場:konya-gallery
料金:500円

ご予約→
https://forms.gle/CcsLCFeGsfCpembT6どちらの回も当日券は出ますが、確実に入場できる予約席は19時の回を4席残すのみとなりました!ありがとうございます!

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