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「家事代行のダブルループ」から紐解く2021年の振り返りと2022年の探究テーマ

2021年はMIMIGURIへの転職という大きな環境の変化がありました。

当時の自分のことばを引用すると「『デザイン×チーム』の可能性を求めて」転職した、自分のその後について2021年はあまり発信してこなかった、正確には葛藤の中にいて発信できなかったのすが、
先日ひょんなことからその葛藤の出口が少し見えた気がしたので、等身大の自分がいま考えていることをこの新しい年のはじまりに書き残しておこうと思います。

※このnoteは現在の自分の記録の目的が大きく、たくさんの人に理解してもらうことを目的に書いていないのため、おそらく読みにくい、文脈が掴みにくい箇所が多々あると思います…その点読んでくださる方にはスミマセン🙇‍♀️
もしそれでも差し支えなければゼヒお付き合いいただけると嬉しいです😊

2021年 直面した葛藤


私は前職でデザイナーチームのマネージャーを務めた後、
2021年3月にMIMIGURIに転職しました。

2021年のようすざっくり図解


MIMIGURI入社半年はプロジェクト単位でデザイナーとしてのバリューを発揮しつつ、
入社半年〜1年程度でマネージャーとしてのロールを担うというタイムラインイメージで体系的なマネジメント論を学習したり、実際にMIMIGURIのマネージャーのslackチャンネルに参加しマネージャーたちの実際の対話のようすを見学したりしていました。

このときに考えていたのは、それまでのデザイナーのキャリアとマネージャーのキャリアを掛け合わせることでした。
MIMIGURIの優秀なデザイナーの中で、自分自身デザイナーとしてのスキルを改めて研鑽していきたい。そして、マネージャーとしてのキャリアを掛け合わせていきたいと考えていました。

そして、ちょうど入社半年の時点で、コミュニティのサブマネージャーに就任するとともに、クリエイティブドメインの採用広報OKRのオーナーを担うようになりました。

ピープルマネジメントとしてメンバーの1on1を担っていないのもあり、マネージャーとしてのロールはOKR推進が大部分を占めるようになりました。

主な生息地のTwitterでも、採用関連の発信が増えていきました。


採用担当というロール自体は前職時代から担っており、前職では8名のデザイナーを自身のチームに迎えてきたのですが、MIMIGURIで採用広報を務めるためには、その実践知や成功体験のアンラーニングが必要でした。

MIMIGURIのデザイン組織コンサルティング事例を通した実践知やHR分野の基礎のインプットという学習が必要であったのはもちろん、
事業戦略と接続した採用広報戦略、業界の文脈を踏まえた繊細なことば選びなど、事業と採用ターゲットが変化したことによるWhat / Howの変化はとても大きいものでした。

とはいえデザイナーのキャリアや採用はもともと自身の関心が大きい分野なので、採用担当としての学習や実践を進めていました。
ただ、採用広報ロールとプレイヤーとしてのデザイナーのロールを両立しているうちに、HR領域への関心に自分の気持ちが大きく傾き始めていることに気付き、「自分はデザイナーを続けるべきなのだろうか…?」という葛藤が大きくなっていきました。

特に葛藤が大きかった11月頃は何を発信したら良いか分からず、Twitterの発信も目に見えて減っていきました。

デザイン行為が楽しく、デザインをしている時は没頭できることは変わらないものの、一方で自分のアイデンティティを見つめ直そうとすると「デザイナーを辞めたい」と考えたこともありました。

それまで「転職したい」と思うことはあっても「デザイナーを辞めたい」と思ったことは一度もなかったので、自身の葛藤の大きさが伺えます。

転機「家事代行のダブルループ」


そんな2021年の葛藤は、ひょんなことから転機を迎えます。

MIMIGURIでは月に1度の全社会が開催されるのですが、
2022年1月の全社会は年始ということもあり、Co-CEOの安斎先生と公式キャラクターのグリグリくんの対話というリラックスした(?)コンテンツから始まりました。


その中であった家事代行利用の話題の中で、
「家事代行にもシングルループとダブルループがある」という一節がありました。

このnoteではシングルループとダブルループについて詳しくは解説しないのですが、ざっくり書くと、シングルループは実践を通したHowの研鑽、ダブルループはリフレクションによるWhyの問い直しを指します。

※シングルループとダブルループについて詳しく知りたい方は下記Podcastをどうぞ!


なんとなく全体会のあともこの「家事代行のシングルループとダブルループ」というワードが自分の中でモヤモヤと気になっていたので、
そこから「じゃあデザイナーのシングルループとダブルループはそれぞれ何を指すだろう…?」と考え始めたことで葛藤を打開するヒントが見えました。


ここでMIMIGURIへ転職したときの想いを改めて振り返ります。

当時はそういうことばで認識していなかったのですが、現在の学習状況で改めて言語化すると、
前職での私はマネージャーとしてのミッション遂行のためのHowとしてデザイナーチームのシングルループ学習を推進していましたが、より組織や事業に接続した学習を推進すること、つまり、マネージャーとしてダブルループを回し組織学習を促すことが出来るようになりたくて、転職を試みました。

マネージャーロールを持たないMIMIGURI転職直後に自身の衝動ベースでOKRを立てていたときは「デザイナーのキャリア×マネージャーのキャリアの掛け合わせで出来ることの探究」が自身の探究テーマでした。

しかし、マネージャーとしての発達支援の一環として採用広報OKRのオーナーの機会提供をいただいた際に、自分の中で探究テーマのアップデートをきちんと言語化していなかったため、
探求テーマとOKRの分断→OKRのHow化が起きてしまい、結果として自身のアイデンティティの揺らぎが起きてしまったのだと状況を整理することができました。

2022年アップデートされた探究テーマ


「家事代行のジングルループとダブルループ」をきっかけに「デザイナーのダブルループとは?」を自身に問いかけた結果、
自分の中に「デザインと組織のダブルループ学習の探究」という2022年版の探究テーマが見えてきました。

「デザインは課題解決」ということばを聴いたことのある方も多いのではないかと思いますが、まさにそれが私のデザイナーとしてのアイデンティティの葛藤の根源でもあったのかもしれません。

デザイナーとして求められる「デザイン思考」が「問題解決のデザイン」「アウトサイドイン」に分類される一方で、自分の中での興味の対象が徐々に「問題創出のデザイン」「インサイドアウト」に移ってきていること、そして、私自身に「デザイナー」としての肩書や「デザイン思考」へのとらわれが起きていることが見えてきました。

※ここでも単語の詳しい解説は省略します。「問題解決のデザイン」「問題創出のデザイン」について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ!


デザイナーとして、問題解決デザインだけでなく問題創出デザインにもアプローチしていくこと(当然ダブルループを起こすためにはシングルループが必要なのでデザイナーとしての実践も深化させること)。
また、私は現在のデザイナーのキャリア形成が「デザイナー」という肩書の中に閉じたものになりがちであることへの発達支援観点での疑問も感じているため、採用広報ロールを通してデザインを通じたキャリアの探究と実践を行っていくこと。

その両輪を持ってデザインと組織のダブルループ学習を探究する、というのが、生煮えではありますが現時点での私の中でのアップデート版の探究テーマとなりました。

2022年の探究テーマ


マネジメントにおける組織学習の起こし方に関する情報は数多く存在しますが、「プロジェクトにおける“design”や“Design”のロールを担う人」、の意味での「デザイナー」による意味のイノベーションの事例はそう多くは聴きません。


「デザイン」はどのように意味のイノベーションを起こせるだろうか?

肩書としての「デザイナー」から行為としての「デザイン」にリフレームすることで、肩書にとらわれいちどは「デザイナーを辞めたい」とまで考えた自分がデザイナーをやる意味も見えてきました。

新たな探究テーマとともに、2022年新しい気持ちで学習と実践を重ねていきたいと思います。

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