君も頑張れ。僕も頑張る。

うちには御年6ヶ月になる赤ん坊がいる。

この子は最近ようやく寝返りが出来るようになったばかりで、まだまだハイハイも出来ないので前に進むことが出来ない。

最近のお気に入りはビニール袋とティッシュの箱。
ビニール袋を掴んでシャカシャカシャカシャカしたり、ドンドン叩きつけたり、噛んだりしている。
ティッシュの箱を手に入れれば、永遠にティッシュペーパーを出し続け空っぽにする。
もちろん何かあっては大変なので、袋やティッシュを口に含んだ時には、僕なり奥さんなりが取り上げる。
で、少し離れたところにそれらを置いておくのだが、6ヶ月になる娘はどうしてもその袋や箱が欲しいらしく、取り上げたら「あー、あー。」と声を出して怒る。
前には進めないから、精一杯手を伸ばしたり、転がったりバックしたり(何故か後進が出来る)して一生懸命袋を取ろうとしている。
そうこうしているうちに、気が付いたらそれを手にしてご満悦。

そんな姿を見ていると、何故か目頭が熱くなって。

頑張れ。って思う。

娘にとってビニール袋は夢なんだと。 ビニール袋 = 夢
ティッシュペーパーが夢なんだと。  ティッシュペーパー = 夢


娘へ

君はその小さい手を伸ばして掴もうとしている。
大きなビニール袋を。もう少しあと少し。
あとちょっとのところで、どーしても届かない大きなビニール袋。

次の目的は少し近場のティッシュペーパー。
下がったり、転んだり、伸びしてみたり、叫んでみたり、今の自分に出来る全てのスキルを駆使して必死で掴むそのティッシュペーパー。

ティッシュペーパーを手に掴む、その手に掴む。さらに掴む。
せっかく掴んだそのティッシュペーパーは儚くも脆い。
努力の結果手に入れたティッシュペーパーを喜びとともに噛み締めると、リスクを恐れる大人から取り上げられた。

君は絶望に打ちひしがれ、泣いたり立ち止まったりするけれども、それでもすぐに次の新しいビニール袋を見つけて、前を向いて進もうとしている。

そーやって成長していくんだな。

君はそーやって頑張っている、僕も頑張る。

どんなにティッシュペーパーが遠かろうが、難しかろうが僕は諦めない。
君も色々なことがあると思うが、ビニール袋ビニール袋簡単にそれを諦めたりしないこと。


とか、そんなことを考えながら娘と一緒にお留守番。



いつの間にかお部屋の中が散り散りになった夢の残骸まみれに・・・


大変だ。急いでお掃除しないと怒られるではないか。

                            




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