「実践する時に何に思い悩むのか?」書籍:対話する力 ファシリテーター23の問い 04 その2
ファシリテーターの相談箱 062 は中野民夫さんと掘公俊さんの共著である「対話する力 ファシリテーター23の問い」を私も考えてみようと思います。
「実践する時に何に思い悩むのか?」の2つ目は見せる行動をするかしないかです。ダイアログやワークショップの場では、しばしば「主体性」について話題になりますが、場に(参加者に)委ねることは、その1つのファシリテーションになります。つまり時として「なにもしない」がひとつのファシリテーションになります。昔、スタッフとして参画させてもらったワークショップで、オープンスペーステクノロジー(OST)を用いた場で、ファシリテーターの方が参加者へのインストラクション(導入)を終えた後、スタッフもしばらくは会場に入らないようにと指示を受けました。しばらくした後に参加者が自分たちで行動を始めたのを観て「もう入っても大丈夫ですよ」とおっしゃいました。つまりスタッフがいると、もしかしたら「机は動かしていいですか?」というような「許可」「質問」を始めて、それを見ていた他の人たちも、無意識にそうしなければと思うかもしれないですよねと。その場の方向性に対して「何をするか?」ではなく「何がどう影響(相手に働きかけ、相手がどう受けとるか)を起こすのか?」を悩むわけです。
もちろん、なにもしないは「見せることを・見えることを」であって、場を観察して、常に考えてはいます。
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