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クリエイティ部 消しゴムはんこ🎨

消しゴムはんこ 初挑戦🔰


「消しゴムはんこ」

皆さんはご存知でしょうか?
芋🍠版といえば、年賀状に押したりするもので、昭和スタイルだなと思われる方も多いかもしれません。
はんこといえば、アジアの印鑑文化(DX化ではんこレスが進んでいますが)を思い出しますが、元祖芋版の進化版が消しゴムはんこです。

消しゴムはんこの存在は2000年代後半から知っていて、
津久井智子さんやハンコ作家ayacoさんのHPやブログを毎日拝見していたのですが、小学生の版画の彫刻刀でせっせと彫らないといけない大変な記憶が濃く、実はずっと作品を見るだけの人 でした。
そして、そのハンコ作品を追っかけていたのも、2011~12年ぐらいまでで、
追っかけ熱量は10年ぐらいで止まっていたのでした。
ちょうど2010年代初め頃からSNSの流れが変化して、HPやブログではなく、Facebook、InstagramやTwitterなどにアクティブユーザーが流れていったので、私も自然と流行りのSNSへ流れを変えて、次第に消しゴムはんこ作品のチェックが減ったのでした。

時は流れ、2022年夏。

すっかり消しゴムはんこの存在を忘れていたのだが、「消しゴムはんこワークショップ」の開催を見つけて、直感的にやりたい!と思い、申込みをした。
私の行動のほとんどは、皆さんそろそろ察しがついてきたかと思うのですが、「直感」で決まります。

そして、記憶の奥底から湧き上がってきた思い出が、脳裏にふとよぎった。

そういえば、私は消しゴムはんこの作品を見るのが好きだった…

ここまで好きなのは、幼少期からの年賀状の思い出が深く紐づいており、母宛に届く年賀状のクオリティがいつも美術作品並みに高かったのだ。
母の交友関係から、美大出身の方や美術教師、画家などのクリエイターが多く、1年に1度届く年賀状は作品のお披露目になっていることが多かった。

中でも毎年心奪われていたのは、版画(木版・芋版・消しゴムのいずれか)の重ね刷りになって、ステキなデザインと色鮮やかなグラデーションの作品の年賀状だった。
その方は美大卒の美術教師で、美的センスの良さは抜群で、憧れの年賀状のひとつだったのだ。

私といえば、図画工作や美術の類は得意なのだが、陶芸や版画は10歳の頃に色々やってみて、手びねり向いていないし、版画も彫るのが大変で、「わだばゴッホ」になると名言を残した棟方志功のようにもなれないと、早々に匙を投げたので、それ以降は特に何もやっていない。陶芸の出来上がった焼き
物の絵付け以外、彫刻刀は手にしていない。

そのぐらい何もしていない私は、直感だけで、消しゴムはんこWSへ参加した。

WS当日

この夏からのブームは、がおがお王国グッズ作成で、シールやポストカードなど数種類を作り、『はんこも作りたいなぁ~』と邪な考えが、WS数日前に出てきたので、ライオンのロゴマークが大きめのポストカードを持参した。

感染者が多く、開催中止を懸念したのだが、予定通りにWSは開催され、今回も女性の参加者のみ9名が集まっていた。
この手のWSだが、いつも参加者が女性ばかりなのは何故だろうか?と思うのだが、「キャラクター考察論」にも紹介した通り、女の子は手作りが好きという三つ子の魂百までな性質が強いのかもしれない。
このモノ作りとジェンダーの因果関係はまだまだ考察の余地がある。

消しゴム彫刻家・消しゴムはんこ作家の藤嶋みやび先生のご指導の元、2時間のWSは始まった。

材料: 消しゴムはんこ用の消しゴム(シードやまとまるくんで有名なヒノデワシが推奨。DAISOなどの100円ショップの消しゴムは彫りづらいので、オススメしないとのこと)

道具: カッター(市販のもの)
    ナイフ(オルファなど一般的なナイフでOK)
    トレーシングペーパー
    鉛筆(HB)
    カッターマット
    新聞紙(彫ったカスが出るので)

WS等で指導歴3,000人以上で、消しゴムはんこ作家歴20年という先生のご指導は手慣れたもので、配られた可愛い袋に、材料と手順書が収められており、かわいい~♡なんて思ったのは束の間だった。

基本図案を鉛筆でトレースする

先生お手製の手順書を見ながら、早速実技に入ったのだ。
手際よく先生が、「最初は全ての彫り方が出来る家を一緒に作りましょう」と説明されて、手順書を見ると…

( ゚Д゚)

彫り方がガチ!! なんだこの台形に彫るって⁉
版画並みのスキルが要る!!

やばーー!
こんな私で彫れるかな…と半泣きしそうな状態で、先生のご指導の元、家の図案をトレーシングペーパーに書き写し、それを消しゴムにカッターを5㎝以上出して、消しゴムを切り出した。
ここまでは、大丈夫。

しかし、他の受講生の中には「Youtube観ながら彫るんですけど~、なかなか難しくて…」と言われる方もチラホラいらっしゃり、本当に初心者なのは私だけ??と、スタート時点で既にスキル差が…
どうしようと不安に駆られながら、先生はおもむろに説明を終わり、実際にやった方が分かりやすいですよとナイフを消しゴムに刺すようにして、手早く工程を見せて下さった。

ん??

遠くて見えない…

この時、私は席の空いていた最後列に座っており、先生がナイフを使って消しゴムを切り出す所作が、遠すぎて見えなかった。

豆粒??

しかも、消しゴムはんこ用に切り出した消しゴムは小さいので、余計に断面が見えづらい。

しまった…

後ろの列にも先生は回って下さったが、やはり席が遠かったので、うっすらと見えた先生の手つきとナイフの角度を何となく理解し、もうぶっつけ本番で、消しゴムを切り出すしかなかった。

たかが消しゴムはんこ、されど消しゴムはんこ

侮ってはいけない、小学生の時に習った版画の時間を思い出して欲しい、切り出した木面は、元には戻らない。

そうなのだ。 

彫った消しゴムは元には戻らない‼

びくびくしながら、私はナイフをまっすぐと家の枠線に向けて入れた。

全ての彫り方が学べるという家の型だが、窓の〇の部分をキレイに切り出すのが難しい。
ナイフに角度をつけて、ぐっと押し込み、反対側からも同様にナイフを入れてるのだが、どのくらい角度でナイフを入れれば良いのか分からない。
消しゴムを上手にくりぬいて、消しゴム本体のくりぬいた跡が美しく、かつ、切り出したクズが少なく、美しい方が良いそうな。

消しゴムに図案を転写する


角をカッターで落とす


周りを彫る


台形に彫るマニュアル(;'∀')


富士山のお鉢巡りの要領で彫った丸窓


どうにか完成😭


失敗が出来ないので、今回も過集中モードにいつの間にかスイッチが入り、全集中をして、細かい作業を行った。
家のドアは4分割して、彫り出したのだが、細かい部分が上手く切り出せずに、難しかった。
お手本のように、美しいはんこではないが、一世を風靡したナンシー関さんのような味わいのあるはんこ?にはなった…と思う。
もちろん、ナンシー関さんの消しゴムはんこの方が遥かに上手だが。

先生の素晴らしい作品

先生曰く、はんこ作家さん同士でも、彫り方の流行り廃りがあるそうで、ナンシー関さんの彫り方は甘いという評価が昨今ではあるそうで、芸術の域に達すると評価が厳しいのだなと痛感。

私は初めてだから、彫れただけでも良しとする。

家のはんこをなんとか彫って、残り約1時間ちょっと。

先生が作られたはんこをトレーシングして、違うものを作って良いですよとご案内を頂いたのだが、先生のはんこは面が小さく、パーツが細かい…
もちろん、押したら、小さくてかわいい絵柄が出る。
お中元などの文字はんこもあったのだが、曲線が多い。

文字のはんこ
金封用のはんこ
お中元はんこと動物はんこ

これは私には難しすぎる…

先生の技術ハンパない~(尊敬)

とっさに判断した私は、持参した「がおがお王国」のポストカードのライオンをトレーシングし、消しゴムに図案を転写させた。
割と大きめのイラストで、口周りは少し彫りにくそうだけど、先生の作品と比較すると細かい作業が少なめだったし、家の彫り方で教わったやりかたで、どうにか出来そうだと思ったのだ。

優しい先生は、トレーシングしたライオンのイラストを見て、彫れますよと言って下さり、一発勝負に出た。

消しゴムに転写

大きいイラストを図案として転写させたのだが、大きいと彫る部分が増えることにまだ私は気づいていなかった。

彫れたはんこはこちら👇


4ハウス🏠しし座♌の私らしい作品
私は真夜中の生まれです🌃


ここまではまだ良かった…


真剣に彫ったので、途中経過の写真が全くありません。
大きければ彫りやすいだろうと思った為、顔のパーツ(面)が逆に広くなり、目の周りを上手にくり抜けずに、ナイフでほじくった跡が…
面取りもきちんとできていない(時間の関係上やっていない)のだが、どうにか彫れたので、良かった。



脱力・・・

視線を前方に移すと、他の参加者は4個目のはんこを黙々と作られていて、
私はまだライオンを含めて2個目。難しい彫りにチャレンジしていたようで、あっという間に残り時間20分。
消しゴム本体やトレーシングペーパーにまだスペースがあったので、お手本の図案の魚を選んだ。

ほ、

彫りやすい‼

難易度の高い図案から、簡単な図案にしたので、天にも昇るぐらいサクサクと彫れた~♪
これだったら、私にも彫れちゃうと高揚してしまうぐらいだった。
(最初のうろたえ気味からの成長っぷりw)


魚み溢れる魚🐟はんこ


初心者は先生の図案で練習して彫ると良さそうだなと思いつつも、「がおがお王国」公式はんこを作り上げた達成感に満ち溢れていた。
これでグッズづくりに精が出ます(自己満足)

切絵のような美しさ
トランプの世界が美しい❤♠

先生は消しゴムはんこを美術作品として高める為、押さないはんことして作品を数々作られている。切り絵のような美しさで、素晴らしかったです。

小学生から高齢者まで参加できるので、皆さんは私みたいにうろたえずにご参加ができます!
YouTubeにも「消しゴムはんこ」の作り方がたくさんアップロードされているので、これをお手本にして彫るのも楽しいかもしれません。

早速Amazonで、消しゴムはんこ初心者向けキットをポチったので、これから少しずつ彫りたい図案のはんこを作っていきます!


おまけ


布用インクで、ペタペタと消しゴムはんこの版面にインクを付けていて、何でこんなに「はんこ」が気になるのかな~とふと思い浮かんだ映像が、「インドのブロックプリント」だった。

私はブロックプリント好きだった!

数年前にインドに行った際、時間が無かったのでジャイプールに立ち寄らなかったのだが、インドらしさを出したいせめてもの気持ちで、滞在中は日本で買ったブロックプリントの服をずっと着ていた。
このブロックプリントだが、まさに消しゴムはんこのように、版を重ね押しして、テキスタイルデザインをしていくのである。

版画、浮世絵、ブロックプリント、印花(中国の陶磁器でスタンプを押して絵柄付けする)、着物の型友禅など、古来より人間はモノに型押しをしていた。
型押し文化の終着駅が、シルクロードの終着地でもあった日本で、消しゴムはんこ文化が花咲いている。
独自の文化が広まっていることも気になるが、私はこれからも紙やモノに、はんこを押し続けるのだろう。











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