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#あの時のジブン

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50代後半の僕が 40代半ばの僕に 寄り添いながら その時の想いを 語るものがたり
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◯◯◯力の先にあるもの

私は以前、ある予備校の小論文の添削講師を していたことがある。講師と言っても講義を するのではなく、あくまでも学生が書いた小 論文を規定のルールにもとづいて添削するの である。 そのとき、少し疑問に思ったのは、こんな答 えのない試験で選抜することに意味があるの かということ。大学受験は文字通り選抜する ために行われるものだから、こんな曖昧な試 験で選ばれるのは気の毒だと思った。 しかし、こうあるべきとするストーリーは、 すでに出来上がっていた。予備校には、大学 側から、あ

理不尽なこと

今年も全社研修会が執り行われた。 AKB48「恋するフォーチュンクッキー」から 始まって、社長のプレゼンテーションと続き、 新任部長たちの発表と盛りだくさんだった。 まさに、転換期というべきだろう。 社長の打ち出した新規事業への挑戦とそれを 支える組織という構図は、市場で独自性を発 揮してきた当社だからこそできることだと思 う。 今年の展示会を見れば明白ではあるが、それ でも決断するのは難しい。変化を恐れず、ま っすぐに前を見据える姿勢を心強く思った社 員も多かったことだ

パクツイの先にあるミライ

連休中にNHKスペシャルで 「宝塚トップ伝説〜熱狂の100年〜」という 番組を観た。 世界的にも例がない“未婚女性”だけで構成され る宝塚歌劇団はこの4月に100周年を迎えた。 その中で常に舞台の主役を演じ、誰よりも目立 つ衣装と大きな羽根を背負う独特のスタイルで ピラミッド組織の頂点に君臨するのが<男役ト ップスター>達だ。そして、必ずと言っていい ほど、人気絶頂の中で<卒業>を迎え、新たな 世界に羽ばたいていくシステムも独特だ。 番組では、兵庫県にある宝塚大劇場でのト

ポイ活マインド

“ポイント”が、マイブームである。 「今頃、何言っているんですか」と思われるか もしれないが、これがなかなか面白い。 これまで、クレジットカードの獲得ポイント なんかチェックしたこともなく、よく見ると、 消滅してしまったポイントも少なくない。 獲得したポイントは商品や商品券などと交換 ができる上、何とマイルに移行できると分か り、今まで何をやっていたのかと後悔しきり だ。 ただ、調べれば調べるほど、疑問がわいてく る。通常は1000円の買い物で1ポイントが 付与されるの

無駄遣いと有意遣い

おおよそ、お小遣いをもらうようになってか らこの年までお金を使ってきたが、本当にお 金の遣い方が分かっているかといえば、そう とは言えない。目の前にある価格に従順に等 しい金額を支払ってきたというのが事実だ。 その昔、ウチの親が家具屋などで値切るのを 見て、本当に恥ずかしい思いをしたので、 「俺は絶対に値切るようなことはしない」 と心に誓ったことを覚えている。 中学生の頃だったが、どうしてもツーリング 用の自転車がほしくて、毎月のお小遣いを少 しずつ貯めたのだが、友だちが

クリエイティブに死す

CHAGE&ASKAのASKAが、 覚せい剤所持の疑いで逮捕された。 彼らの楽曲が、店頭はもちろんネット上から も消え去ろうとしている。彼らの所属するユ ニバーサルミュージックは、コンプライアン スの観点から関連商品の販売中止を決定した と発表した。 馬鹿げている。 90年代を生きた人間からすれば好き嫌いは あると思うが、彼の楽曲がどれだけ人に寄り 添い、社会を映し出し、人生の素晴らしさを 表現してきたか分かるはず。彼のしをた行為 は決して許されるものではないが、生み出

自然への奢り

「自然が、ざまあみろと言っているようだ」 東日本大震災で被災した高齢者の言葉だ。 人間が、自然をコントロールできると思い 込んでいるのが不思議だ、と続けるこの方 の言葉が心に染みた。 私たち人類は、どうしても自分たちの中で できあがったロジックを変えるのが難しい。 このように、徹底的に打ちのめされたにも かかわらず、未だにその営みをやめない人 たちに対する警告にも聞こえる。 以前も書いたが、主役を活かす舞台裏の プロデューサー的な役割が、こういう 場面でも機能しているか

求められるリテラシー

今年も新卒採用のシーズンが始まる。 人が人を選び、人が人を評価することの 難しさを、あらためて実感する。 「ものづくりを通じて自然を大切にする貴社の 姿勢に共感し…」どこかで教えてもらった面接 台本をしっかりマスターしてきた学生はまだ 良い方かもしれない。面接する会社のことを 調べもしないでエントリーしてくる学生も珍し くない。 リクナビなどでは、大量かつ一括エントリーが しくみとしてセットされており、それを企業も 期待しているからこそ、そんな悲劇が起きる。 つまり、エ

自分の言いたいこと

先週からNHKスペシャルで、人間の細胞に ついての特集番組が放映された。iPS細胞の 山中教授など顔ぶれも豪華で、ついつい 見入ってしまった。 番組によると、人間の脳の成長というのは 10代でおおよそ止まるらしい。ヘビ毒に似た 物質によって強制的に止められてしまうとか。 おいおい、すると、私たちの脳は10代ぐらい から何の進歩もないということなのだろうか。 ところが、そこにはさらなる成長戦略が隠され ており、大人になっても神経細胞は“進化”し 続けるらしい。「オリブデンド

場外乱闘に挑む

先週、東京ビッグサイトで業界の展示会が 開催された。今年は満を持して新シリーズの お披露目も兼ねていたので、資材も加わり 展示スペースも一段とスケール感が増した 感じだった。 Webサービスや新作商品、そしてオリジナル 商品もディスプレイされ、今年に賭ける当社の 意気込みを見せることができたのではないだろ うか。確かに、入場者数はお世辞にも多いとは 言えなかったが、昨年以上にグレードアップ した展示ブースに、みなさん興味津々の様子 だった。 だが、競合他社の展示ブースの内

動きをみせる人たち

先週、取引先のビジネスセミナーに参加し、 ライフネット生命の会長兼CEOの 出口治明氏の講演を聴いた。 出口氏の関西なまりの言葉に重みがあったが、 中でも私が気になった言葉が、 「人材の流動化」だった。 日本の大学生の半分以上がメガバンクや証券 会社、生命保険会社などの金融機関に就職を 希望している。理由は「安定している」から。 このように人材が固定化し、農業や医療など、 今後、成長が期待されている分野に人材が 行かないことが問題だということだ。 ちなみに、アメリカの大

#あの時のジブン

過去のジブンを振り返るシリーズ第2弾! “あの時のジブン”が始まります。 * * * 40代半ばになって 人との繋がりが 私に新しい境地を開いてくれる ことになった。 前職を辞めてから10年余り 個人事業主として 独りで社会に向き合ってきた状況が 組織の経営者としてのステージに 変わった。 私にとっては 社会人20年余りで 三度目のヘンカが訪れた。 私らしいと言えば、 私らしい。 カミさんからは やっていく自信あるの? と聞かれて 自信はないけど、やるだけ と答え