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2022年の抱負

あけましておめでとうございます。久々になってしまいましたが、2022年の抱負を書いておこうと思います。

2022年は次の7つを大切にしようと思います。

- 興味の対象と向き合う
- 手を動かす、モノを作る
- 思考を深めるために書く
- 知ってもらうために書く
- 6時間だけ働く
- 自分を統一する
- 人と過ごす時間と笑いを大切にする

以下、それぞれが出てきた経緯を簡単に書いていこうと思います。

興味の対象と向き合う

2021 年は興味が少し明確になった年でした。

長い年月をかけて蓄積されたそれは、塊となって僕から分離して、僕の前を照らしている。まるで自分だけを見て進めばいいと道を方向を明るく照らしてくれているようだ。

これは自分のメモからとってきたものですが、最近はこんな感覚がずっとあります。何をすればよいかがもう分かるので、他のことをすべて無視して、自分の興味の対象だけと向き合う時間を今年は積極的に確保していきたいと思います。

手を動かす、モノを作る

2021 年の3月に iOS, Android 向けアプリをリリースしました。

学ぶばかりで、実際にモノを作って世の中に出すことをしてこなかったので、「たやすい暗記」のリリースは自分の中で大きな一歩になりました。

言葉にするよりも、まずはとにかく手を動かしてモノを作る。アプリのリリースを契機として、この意識を忘れないようにしたいと思います。

思考を深めるため書く

今まで生きてきて言語能力の壁というのをよく感じることがありました。特に大学院にいた頃に、人の発表を理解したり、論文を読んでおかしな点を指摘したり、そして論理的に長時間話したりする能力が自分には欠けているとよく感じていました(本稿を読んでくださっている方々も僕の文章力の無さを感じ取っていることでしょう)。

この言語能力は興味の対象を突き詰めて行くのに必要不可欠です。そして、自分に一番必要な能力だと感じています。なので、まずは文章を書くことから今年は訓練していこうと思います。

知ってもらうために書く

ポジションを取れ.批評家になるな.フェアに向き合え.手を動かせ.金を稼げ.画一的な基準を持つな.複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ.あらゆることにトキメキながら,あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ.明日と明後日で考える基準を変え続けろ.
(落合陽一  Twitter @ochyai)

上の引用は落合陽一先生のTwitterからの引用です。このツイート自体好きで、2022年の抱負も多分に影響を受けているわけなのですが、これより前に似たようなツイートがあります(リンクが切れていて元のツイートを見つけることができませんでした。)。

手を動かせ,物を作れ,批評家になるな,ポジションを取った後に批評しろ,声明を出せ,それは手を動かして物を作るためのプロパガンダだ.
(落合陽一  Twitter @ochyai)

僕は自分が一番興味があることで価値を生み出してお金を頂いているわけではありません。そしてそうできていない原因の一つに今まで人に伝えてこなかったことが挙げられるでしょう。自分の興味のあるモノを作り続けるためには、それで価値を生み出して生活費を稼ぐ必要があり、そのためには人に知ってもらう必要があります。なので、作るだけではなくそれを何故作ったのか、どうして今それが必要なのかなどを伝えていくことも大切だと思います(あくまでモノを作ることが優先ですが)。

人に伝える際は、それに合わせて自分の作りたいものを変化させては意味がありません。自分が作りたいものは変えずに、それを他の文脈と接続して語る必要があります。そしてその上でできるだけ多くの人に知られるように努力しようと思います。

6時間だけ働く

2021年から Android エンジニアとして働きはじめました。働くのは初めてではありませんが、1日8時間労働をするのは初めてです。

僕の場合、1日8時間労働に加えて残業と昼休憩があるので、実質10時間で、移動込みだと平日は1日11 時間は使います。そしてそれ以外の家事等の時間1時間、そしてあとでも書きますが友人と話す時間で1-2時間、睡眠8時間と考えると、残りは1-3時間程度になります。僕にもし作りたいものがなければ、仕事と休暇で悪くはないバランスにはなっていますが、興味と向き合う時間が必要な自分にとっては少々キツイバランスになっています。その一方で、休日は一日が長すぎる感じがします。

だからといって仕事をやめればよいかというとそうではありません。仕事を始めたことで良かったこともありました。のんびり何かに考えに耽っている時間が減って、手を動かす時間が増えたり、仕事でタスクをバシバシこなしていくのがゲーム的で楽しく、実際ゲームをする時間が減ったりしました。毎日少しの達成感と肯定感も得られたりします。

仕事の時間、興味と向き合う時間、そして友人と過ごす時間、この3つのバランスを考えると、僕には1日4-6時間 x 7日労働が良いと思います。6時間だと休憩が必要ないので拘束時間が減らせますし集中力も保てます。そして、興味と向き合う時間が4時間は取れて、友人と過ごす時間も2時間はとれます。また、日頃、休みの日も興味のあることを調べたりコードを書いていたりするので、平日と休日に分ける必要はなく、7日間全く同じ生活スケジュールで過ごしたほう効率が良いような気がするので、1日4-6時間 x 7日労働というわけです。

できれば、2022年中にこの働き方に移行したいと思います。

自分を統一する

幼少期の僕は冷蔵庫の食べ物を食べるのにも、親に「これ食べていい?」と聞くような子供でした。何をするにも誰かの許可を取っていたし、ほぼ常に人の機嫌を伺っていました。そして今でもその癖が抜けません。

そんな僕にとって自分が正しいと思うことを主張することは結構難しいです。そうして自分のなかに徐々に溜まった不満がピークに達した頃、特定の人間関係をすべて断ってしまう。そういうことを人生の中で何度も繰り返してきました。

これは意識的に独善的に振る舞うくらいで、丁度良くなるのではないかと思います。言いたいことははっきり言う。やりたいことは勝手にやる。表と裏を作らない。シンプルで難しく、とても大事なことです。

また、物理をしたりコードを書いたりしている自分は気難しそうに見えるだろうからと、あまり見せることはしなかったですが、自分の中にはそこに境界はないので、自分を選択的に外側に出すことに違和感を感じていました。

そして、昨年の終わり頃に自分を分けるのをやめて、顔出し配信をはじめて、Twitter も2つのアカウントをつなげるようにしました。これは年を重ねることの良い側面で、自分の見て呉れを気にすることが減ったおかげだと思います。

2022年も、自分を騙さず、表と裏の自分を作らないように努力したいと思います。

人と過ごす時間と笑いを大切にする

一日何時間も使って友人と遊びに出かけるというのが時間の無駄な気がしますし、日本人的な同調圧力に合わせて空気を読んで話してしまう自分が嫌になるので、今まで継続して人と付き合うことはほぼありませんでした。

しかし、2021 年に VRChat を始めて、所謂ネット友達ができました。付き合うのにも VRChat を立ち上げるだけて良いので随分楽だし、彼らの多くは日本人ではないか、日本人であっても同調圧力の外にいるような人たちでとても気持ちよいです。彼らとはこの先も長く付き合っていけそうな気がしています。

友達がいる人生というのは良いものです。いつでも話せる人がいるというのは、雲がかかっていたとしても星はいつでもそこに存在しているような安心感があります。人間的に生きるためには人と過ごす時間、それと笑いが必要だとひしひしと感じていています。

己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、 求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。かといって、また、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。己の珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨こうともせず、また、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、 碌々として瓦に伍することも出来なかった。己は次第に世と離れ、人と遠ざかり、
憤悶と慙恚とによって ますます己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。
- 中島敦 『山月記』 (岩波文庫) pp.117-118

上の文章は『山月記』からの引用です。興味の対象だけと向き合う人生もとてもカッコイイですが、その道を一人で進むことは「虎」になる危険性をはらんでいます。興味の対象と向き合うときは人と離れつつも、人と時間を過ごす時間を忘れない。このバランス感覚を大切にしたいなと思います。