最近のお仕事の話
最近、いろんなお仕事をしていて、公開できる範囲では人流データを日用品・化粧品(及び隣接の)業界で活用する可能性について、実際にデータを操作しながら研究してます。
本日は、僕がどんなモチベーションで研究・検証をおこなっているかをご紹介していこうと思います。
業界のマーケティングで活用されるデータ
従来から、この業界では「ID-POS」という顧客属性付きの購買データを用いて、マーケティングが行われてきました。
似たキーワードとして「POS」というデータがありますが、ざっくり違いを書くと
POS:レシート
ID-POS:ポイントカードの番号+レシート
といった感じです。
マーケティング担当者は、ポイントカードの番号付きのレシート情報と一緒に、ポイントカード番号と属性情報(性別、年齢など)のマスタ情報を小売業から入手して、「自社のブランドをよく買ってくれる人は〇〇な人」とか「こういう人が〇〇という商品と一緒に自社の商品を買っている」というような、顧客の心理や行動(インサイト)を把握して、メーカーとしての商品開発や売場でのPOPの文言などを考えています。
買い物してくれるのはどんな人?
ここで問題になってくるのが、「ポイントカードを使う人=商品を使う人」という公式が成り立つのか?ということです。
ドラッグストアで歯ブラシや歯磨き、衣料用洗剤などはどなたが買うのでしょうか?多くの場合は「家族の中で誰かがまとめて購入する」という世帯が多いのではないかと思います。
最近はコロナの影響から、リアル店舗においては「レシート枚数(購入頻度)の減少」と「レシート内点数(まとめ買い)の増加」という状況が発生してます。
つまり、ID-POSのデータ「だけ」を利用した購買分析には、先天的なバイアスが発生してしまうわけです。
※こういった課題を解決するために業界では様々なサードパーティのデータホルダーが購買分析用のパネルデータを開発されています
そもそも、POSやID-POSは「購買されたデータ」ですね。では「何も購入しなかった(できなかった)」ときは、どうでしょうか?
多くのケースで分析対象にはなりませんし、そもそもその存在を把握することが非常に難しい状況となります。
本当にお店を利用している生活者を可視化
従来の「商品・ブランド軸」での分析は、メーカー(小売)にとっては重要な示唆を提供してくれますし、最終的には製品の多様性や付加価値向上といった形で生活者のためになるケースが多いです。
一方で「購入することができなかった」生活者の理解を行うことも重要ではないかと考えています。
「青い歯ブラシが欲しかったが、ピンクや黄色の歯ブラシしか店頭に在庫がなかった」
「いつも購入しているブランドがたまたま品切れしていて、それ以外はいやだから買わなかった」
こういった、
「お店を利用する生活者」の思考を理解するために、入手できるデータをどのように組み合わせるといいか?
これが僕の現在の仕事のメインテーマです。
ちょっと長くなってきましたので、今回は「なぜやってるのか」という部分で終わりにします。
具体的に、どんなGPSデータをどのように使ってみてるのか?という点については、また別の機会で書いてみたいと思います ><
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