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変化と深化と共に歩んでいく:2020年の振り返りにかえて

2020年がまもなく終わるとしている。
全ての人がそう思った通り、2020年がこのような年になるとは誰も思っていなかった。

そして全ての人が当事者になるという経験をした1年だった。

2020年は〇〇しようと思っていて、きっと出来なかったことが誰もがあったと思う。

かく言う自分もそうだった。

2019年、本職のフローレンスでは「15周年イベント」を行なって、それ以外では「かわるフェス」「Co Lab Bar」「NPOコミュニティ」「KIFUBAR」とリアルの場や機会を沢山作ってきた。

そして2019年の振り返りのnoteでも下記のように、これまでに作ってきた場や機会、繋がりを拡張していこうと思っていた。

今年はとにかく動いて、出会って、繋がって。そんな1年だった。
少しずつ出来てきた土台を固めていく。
そして本当に必要な人たちに、届けたい人たちに届けていくために。
リアルとオンラインを活用して届けていこう。
自分にできること、好きなこと。
それは人で会って、人と繋がること、繋いでいくこと。
そこから可能性や選択肢を広げていきたい。

そして迎えた2020年。
新型コロナウイルスの感染拡大により、自分自身も当事者になり、やろうとしていたことを行うのが難しくなった。

正直、当初はそこまで広がらないのでは、すぐに収まるのではと思っている部分もあった。

しかし、新型コロナウイルスは感染拡大を続け、2月27日に当時の安倍首相により、全国の小中学校と高校、特別支援学校に臨時休校の要請が出る自体に。

多くの人が先行きが見えない中で、どうなっていくのか、どうしていったらいいのかと不安にもなったし、厳しい状況に置かれることになった。

それでも、
立ち止まったり、迷ったり、自分たちも当事者の立場に置かれながらも、やるべきことがあるから、出来ることがあるからと歩みを止めなかった。

誰も置き去りにしない

自分が所属しているフローレンスという組織はいつでも、どんな時でも歩みを止めない組織だからね。

まずは実際に誰が、どんな課題や困難を抱えているのか、現状どうしているのか、どんなサポートがあったらいいかを可視化していく必要があった。

自分たちで仮説を立てることは出来るけれど、それだけで動いてしまうとミスマッチであったり、実際に望んでいるものではなかったり、むしろサポートを届けたい人たちにとってはマイナスになることもあり得る。

だからこそ声を聞いて、声を集めて、仮説検証をして、ブラッシュアップして、仮説を補完して、実際の施策を作り上げていく。

そうして行なったのが「一斉休校に関する緊急全国アンケート」だった。

SNSなどでも拡散していただき、3月6日(金)の調査開始から、わずか4日間で全国から10,504件の回答が集まった。

そうしてアンケートを元に行政・民間企業・社会に求めるサポートを提言していった。

そこからの展開は本当に怒涛のようだった。

4月に非常事態宣言が出てからは完全リモートで、全てのやり取りがオンラインに切り替わった。

テキストコミュニケーション、zoomやRemoを活用したオンラインコミュニケーション。

慣れない環境で、完全在宅で、そしてフローレンスは子育て家庭が多いので、子どもが家にいながら子育てと仕事の境界線が曖昧な中での様々な展開。

それは今振り返っても、そしてきっと今もそうだけど、決して楽な状況ではなかったし、相当にしんどいことだったよね。

本当は自分の心配も、家族や大切な人の心配もしなきゃいけない中で、それでもより困難な状況に置かれている人がいるから、自分たちに出来ること、やるべきことがあるから、とにかく向き合って、考えて、アクションを重ねてきた。

今振り返って見ても本当に良くここまで出来たと思う。笑

時流に合わせて、時流を読んで、スピードを持って、声を上げる、声を集める、発信する、行動する。

そしてそこに自分たちがすべき信念や正当性、信頼感があることで、より大きな価値を、流れを生み出していく。

今までにない波及効果を生み出し、今まで届かなかった人、繋がれなかった人に届いて、繋がって、「何かしたい」と思っていた人たちに対して、その機会を、繋がりを提供していくことが出来る。

例えばアジカンのゴッチさん、AAAのSKY-HIさん、紗栄子さんたちと協働させていただいたり、寄付をいただき、そこから必要としている家庭にサポートを届けることが出来た。

想いを、自分に出来ることをしたいと思っている人たちはきっと沢山いて、自ら支援を行う、自ら立ち上げるという選択肢もあるけど、今年様々なアクションを行なっていて思ったのは「想いを託すことの大切さ」であり、「想いを託せる先があることの大切さ」であり、その想いを受けて、支援を行う団体としての覚悟や責任の大切さ。

「自分たちに代わって支援を届けて欲しい」
「自分に出来ることはあまりないけれど、せめて寄付をさせてもらいます」
「自分も大変だけど、もっと大変な人がいると思うから」
「自分も沢山の人にお世話になったから、今度は自分に出来ることをしたい」
「困った時はお互い様」

本当に沢山の人が、沢山の想いを託してくれた。

その想いを受けて、自分たちに出来ることを、自分たちにすべきことをひたむきに行なっていった。

ひとり親をみんなで支えよう

そのような中で、個人的に大きかったのがサッカーの長友選手と協働で行なった「ひとり親をみんなで支えよう」プロジェクト。

ありえないくらいのスピードでクラファンを立ち上げて、そして5000万円を集めて、そしてひとり親家庭のための支援プログラムを検討、実行していった。

この話をもらった時に、自分としてもどうしてもこのプロジェクトには関わりたいと思って、自分から志願をして関わらせてもらうことに。

しんぐるまざあずふぉーらむ」が行なった調査でもひとり親家庭が厳しい状況に置かれていることが浮き彫りになっている。

自分の周りでもひとり親の方が多くいて、厳しい状況にいることは話を聞いてよく知っていた。
それでも個人としても、組織としてもこれまではあまり出来ることがなかった。

そんな中で今回このようにしてひとり親家庭の方向けの支援を大々的に行なっていくことに。

そうして有志メンバーでプログラム開発から行なっていった。

食糧支援から始まって、スキルアッププログラムの提供、「別居中・離婚前のひとり親家庭」への緊急支援・全国調査、そしてすべてのひとり親家庭が児童手当を受け取れるよう提言と状況に合わせて、人と課題と向き合って、様々なアクションを起こしていった。

ブレスト、アンケート、インタビューと課題の抽出、支援策の具体化と日々、打ち合わせを重ねて、ここまで走ってきた。

今回の取り組みで大きかったのが、数多くの団体と連携できたこと。

「コレクティブインパクト」といういう言葉があるように、同セクターはもちろん、セクターを越えての連携は増えてきている。

コロナ渦において、その連携は間違いなく加速したと思う。

支援を必要としている人たちがいて、自分たちでは届けることができなかったり、自分たちが行うことでロスが生まれたり、適切な支援を行えない可能性もある。
そうであるなら、すでにリレーションがある団体に行なってもらう、すでに実績がある団体に行なってもらう。

そうすることで必要な人に必要な支援を、適切に、スピード感を持って届けることが出来る。

それに各団体が持っているリソース、ナレッジを掛け合わせることで、より大きなインパクトを生み出していける。

その繋がりと、実績を作っていけたのは大きなことだと思う。

何を大切にするか。目の前の人にどれだけ向き合っていけるか

長文になってきているけど、まだまだ書ききれないくらい本当に沢山のアクションを起こしてきた。

これだけのスピードを持って、これだけのインパクトを生み出してこれたのは自分が所属している組織だけど、本当に凄いと思う。

それでもそこには確実に痛みも伴っている。

誰もが当事者になっている中で、どうなっていくか不透明な中で、仕事と生活が融合して、仕事と子育てだったり、プライベートを同時に行なっていく中で、きっと負担もあったし、無理もしている人もいたよね。

沢山の変化があって、多くの負荷がそこにはあったはず。

自分の周りでもしんどくなってしまった人、疲れてしまった人、今いる場所から離れた人、今いる場所にいれなくなった人、全てをなげうってしまった人もいた。

常々、自分は「人に寄り添っていきたい」「大切な人、周りの人を支えて行きたい、その人たちのために自分に出来ることをしていいきたい」「何より人を大切に、人と向き合っていきたい」

そんなことを想って、言って、行動してきた。

今年ほど、そのことが難しく、ままならなくて、自分の力不足を感じた年もあまりないと思う。

昨年まではそんな場や機会をリアルなもので多く作り上げていたけど、今年になってリアルな場や機会を作るのが本当に難しくなった。

人と会うことが、人と会えることが当たり前でなくなって、人と会うことがリスクがあることになった。

そんな中で、オンラインで人と会って、コミュニケーションを取っていくようになった。

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オンラインだからこそ、物理的な距離を、関係を越えて、今まで繋がれなかった人と繋がれたり、出会えたりと自分の世界が間違いなく広がった。

それでもこれまでリアルで繋がっていた人と会えなくなったり、テキストだけでは見えない部分も出てきたり、その人のSOSに気づけなかったり。

オンラインやテキストだと、その人の雰囲気や空気が見えなかったり、今までより感じることが出来なかったりもする。

そうして周りの人で休むようになったり、今いる場所を離れたり、連絡が取れなくなった人もいる。

自分は完璧でないし、むしろ出来ないことの方が沢山あるから、全ての人に対して、自分が何とかしたかった、何とか出来たかもしれないと思うのはきっと傲慢だと思う。

それでもそう思わずにはいれないよね。

そしてそれは職場でもきっと起きていた。

「すべての親子を置き去りにしない」

フローレンスが新型コロナプロジェクトで掲げたタグライン。

この「すベて」にはもちろんそこで働く人たちも入っている。

だからこそ足元を見つめ直す、足元を固める、時には立ち止まって、振り返る、そして自分たちを大切にすることも本当に大事なこと。

一人一人がどう思っているか、何を大切にしているか、今どんな状況や状態か、何をしていきたいかを素直に話せて、共有していける。

そして組織として、チームとして何を大切にしていて、どこを目指していくか、同じゴールが見えているか。

走り続けていても、各々が違うゴールを目指していたら、いつまでもゴールにたどり着かないかもしれないし、いつまでも交わることがないかもしれない。

だからこそ一人一人を知る、向き合う、繋ぐ。

そんな場や機会を作っていきたいと思った。

自分の強みはコミュニケーション力くらいだと常々思っているので、コミュニケーションに関わる横断プロジェクトに全て関わって取り組んでいった。

その一つが事務局全社会議

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700名近くのスタッフがいて、事業も拡大していて、オンラインが進んでいる中で、知る、摂する機会が減っているからこそ、まずは知ることが大事だよね。

どんな人で、どんな想いを持っているのか、何を大切にしているのか、何をしているのか。

知ることで、繋がることで、関係も出来て、その他大勢でなく、特定の個人になるからね。

この全社会議で全てがうまくいくことも、全てがOKでもないし、この場が一つのスタートに、きっかけになったらいいからね。

一人では難しかったり、一人では行けるところが限られていても、みんなとだったら遠くまで行けるからね。

人との繋がりと繋がりを繋いでいく

仕事としては本当に沢山の変化や深化があった1年。

個人として、自分のやりたいこととしてはもともとやる予定だったイベントやリアルな場づくりが出来なかったり、延期したりと難しい年でもあったなぁ。

・かわるフェス

・NPOコミュニティ・Co-Lab Bar

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リアルでは出来なかったけど、オンラインで開催したりと。

試行錯誤で、いま出来ることを、出来る形でやっていったよね。

今まで通りにはいかないし、オンラインだからこその難しさもあった。

それでもオンラインが加速したことによって、新しい人、繋がっていたけど会えていなかった人、会いたかった人に会って、繋がっていくことが出来たのは本当に大きいよね。

物理的、精神的なハードルが下がって、越境して、人との繋がりや関わりが広がって、深まっていったのもあるからね。

オンラインに立場や環境を越えて、様々な人が繋がって、「自分たちが何とかする」という思いで、物事が立ち上がったり、動き出したり、スピードを持って進んだりもしていった。

人と会う、行きたい場所に行く、外出するなど、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前でなくなって、今まで意識していなかったこと、気づかなかったことに目を向けたり、気づくようになった。

誰もが当事者になったことで、当事者と言われる状況が、状態がどういうものかを誰もが認識した。

そして近年の災害であったり、コロナを受けて、特に若者の意識、行動も変わりつつある。

社会貢献に関心がある若者が増えているし、実際に寄付や署名というアクションを起こす若者も増えている。

一人一人が出来ることをしたいと思っているからこそ、そのための場や機会があることで、その想い、アクションが加速していくし、「自分にも出来る」と思える人が増えていく。
そして、よりその出来ることを、やりたいということの選択肢を増やしていくために自分に何が出来るか。

・自分に出来ることをしたい
・自分の経験やスキルを何かに活かしたい
・新しいことがしたい
・何かしたいけど何をしていいか分からない
・自分に何ができるか分からない
・択肢や可能性を広げたいけど、何をしていいか分からない。
・毎日の生活に追われて動けていない。

そう思っている人が沢山いるはずだからこそ、そのための選択肢を、場や機会を作っていきたい。

そんな想いで、個人として出来ることをしていった。

今年はリアルでは難しいからこそ、オンラインで行なったり、個人的な発信を通して、一人一人の相談に乗ったりをしていった。

そうして発信、行動を続けていくことで、声を掛けてもらえたり、やりたいことが形になりやすくなっていった。

例えばCREEDOのイベントに登壇させてもらったり。

WEINのママ部のイベントで話をさせてもらったり。

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COCOCOLOR EARTHさんでインタビューをしてもらったり。

Rerise Newsさんでもインタビューをしてもらったり。

https://rerise-news.com/community/junichi_iwai/

自分の想い、経験、行動、強みや得意を伝えることで、活かすことで誰かの力に、誰かの支えになれる。

自分の想い、声を届けることで、誰かの力に、支えになれる。

自分に出来ることは微々たるものだけど、それでも出来ることがあるならば、これからも声を上げて、発信して、行動することを続けていきたいよね。

自分の声はまだまだ小さいけど、それでもきっと誰かには届いているし、その誰かの力になれるのであればいいからね。

自分の力をプラスに

イベントであったり、インタビューであったりと経験させてもらいながら、自分の経験、スキルをもっと還元していく、自分がやりたいことを、やりたいと思う人と一緒に行なっていく。

そうして引き続き関わっている活動もあり、新たに関わることになった活動もある。

がんになった人、その家族や友人を支えていく、力になるように場、機会、繋がり、様々なプログラム提供を行なっている「マギーズ東京」

2018年から関わるようになって、今年も引き続き関わらせてもらっている。

広報、ファンドレイジング、イベント運営と自分が得意とすること、出来ることをやらせてもらっている。

マギーズはリアルな場があって、そこに来て、自由に過ごしてもらったり、相談を受けたりしている。

今年はリアルが難しくなったので、オンラインで場づくりをしたり、相談を受けたりと。

難しさも沢山あったけど、オンラインになったことで、今まで来たいと思っていたけど行けなかった人、今までマギーズを知らなかった人が知って、繋がることができた。

またマギーズ東京を1日運営するためにフルマラソンにチャレンジして、寄付キャンペーンを行なったりと、新たな取り組みだったり、新たな発想で出来ることをしていった。

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そして今年新たに関わらせてもらうことになったのが「Public Meets Innovation」。

PMIはミレニアル世代の国家公務員・ITスタートアップ経営者ら イノベーションに特化した政策を検討し、世の中に広く問いかけていくことを目指して活動を行なっている。

世の中の物事を動かしていく、流れを作っていくために活動しているPMIは前から注目していて、関わりたいと思っていた中で、今回新たな取り組みを行うということで、広報、イベント周りで関わらせてもらうことに。

年明けにリリースする「ミレニアルペーパー」

多くの人に届けて、広げて、一つの流れを作っていくために自分に出来ることをやっていきたいよね。


かなり長くなってしまったけど、まだまだ書き尽くせないくらい本当に色々なことがあった1年。

今年は変化と深化の1年だったなぁ。

ままならないこと、変化を求められる時にどうするか。

立ち止まる、途方にくれる、流れに身を任せる、変化を恐れず行動する。

どう捉えて、どう向き合って、どう行動していくかは人それぞれ。

何を選択するかは人それぞれだけど、その中でも自分を軸に、自分が大切にしているもの、自分が大切にしている人を大切に判断、行動していきたい。

今年は特に本当に色々な立場、状況、状態の人と関わって、向き合ってきた。

社会課題解決を仕事にしているから、なんの支援も受けることができない人、自分ではどうすることもできない人、疲れてしまった人、夢や希望を持つことが難しくなった人。

そのような人たちと向き合っていると、時に自分の無知であったり、力不足に地団駄を踏みたくもなるし、悔しくもなる。

それでもそのような人たちと出会って、繋がって、課題を、状況を知った人間としてきっと出来ることがある、やるべきことがある。

それはそのような人たちがいることを、課題を、状況を発信していくことであったり、伝えていくことかもしれない。

または何が課題で、何が必要かを検討して、施策を作ることかもしれない。

または繋がる場や機会を作ることかもしれない。

または自分、自分たちだけでは難しいのであれば、周りに相談したり、すでに活動をしている人、団体と連携することかもしれない。

何れにせよ、知った人間としてもう無関心では、無理解ではいれない。

知った人間としての責任があるし、出来ることは微力でもあるならやっていきたい。

自分に出来ることはたかが知れている。自分だけでやろうとしたら難しいかも知れない。

だからこそ周りを頼って、周りと一緒に出来ることをしていきたい。

一人では難しくても、共に考えて、共に悩んで、共に歩んでくれる人がいるからこそ、自分も歩んでいけるし、きっと出来ることがまだまだあるからね。

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自分が知っていることが、自分に見えていることが、自分の世界が絶対でも、全てでもないということを意識して、色んな世界があって、色んな人がいることを知って、想像していきたい。

思いやり、想像力は本当に大切なこと。

何を、どこまで出来るかは分からないけど、これから先も歩みを止めずに、走り続けていきたいなぁ。

文:がんちゃん

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