マガジンのカバー画像

ホシガラス全集

18
noteを始めて短編小説を書くことを覚えました。『ウミネコ文庫』さんや『シロクマ文芸部』さんに参加するようになり、見よう見まねでおぼつかない文章ですが、書いてて楽しい(^^♪ 飽…
運営しているクリエイター

記事一覧

『鳴り砂の浜辺』(#シロクマ文芸部)

 海の日を首を長くして待ちわびていた。 何故なら海の日になったら田舎のお祖母ちゃんの家で…

30

輪廻転生(#シロクマ文芸部)

 夏の夜、こうして星空を眺めていると思い出すことがある。  今から79年前、1945年8…

46

神の啓示(#シロクマ文芸部)

 「手紙にはこれを書こうぜ、神様にさ!」  光輝君は少し興奮気味に僕たちを集めて言った。 …

ホシガラス
2週間前
32

紫陽花が咲く頃(#シロクマ文芸部)

 <紫陽花を見ると思い出すのう>  小さな神様は自身が祀られている古い祠の屋根に座って、…

ホシガラス
1か月前
57

空に消えた赤い傘(#シロクマ文芸部)

 赤い傘が降りてくる。  なんだろうと、通りすがりの人たちが歩を止めて天を見上げている。 …

ホシガラス
1か月前
36

朧月(#シロクマ文芸部)

    独り夜の noteに映る 朧月 夜な夜なnote界隈を徘徊しておりまして、美しい夜空や行…

ホシガラス
4か月前
31

理解して欲しいんじゃない、認めてもらいたいだけ(#シロクマ文芸部)

 卒業の前に、両親とはもう一度話し合いたいと思っている。 ぼくは大学を卒業と同時に、アルバイト生活に入る。何故かというと大学の軽音楽サークルから派生したバンド活動を優先して、メジャーデビューを目指すからだ。  それを両親に打ち明けると、わかってはいたが猛反対をくらった。大学までいったのだから、ひとまず就職をして欲しいと、母は涙まで流しての懇願だった。  無理もない。母は一人っ子の僕を、ハードな仕事と家事をこなしながら育ててくれた。塾や習い事も、僕が少しでも興味を持ったものは、

すれ違い(#シロクマ文芸部)

「春と風という漢字を使って文章を作りなさい」  これが今日の宿題だ。  今日は水曜日だから…

ホシガラス
4か月前
63

閏年の帰還(#シロクマ文芸部)

 閏年の2月29日は、仲間たちが約束の地で集結することになっている。我々は太古の昔から、…

ホシガラス
4か月前
41

チョコレートと天使の羽(#シロクマ文芸部)

「チョコレートが食べたい」  そうつぶやいた瞬間、突然目の前に景色が広がった。渋谷の交差…

ホシガラス
5か月前
40

現実逃避(#シロクマ文芸部)

 青写真はこうだ。  まず小説を書くことから始める。  いつもはダメダメなイケてない青年を…

ホシガラス
5か月前
34

夜の神社で(#シロクマ文芸部)

 布団から出て行こうとする琥珀を、思わず抱きとめようとした。  琥珀は私の飼猫で、寒い冬…

ホシガラス
5か月前
40

登場キャラクターの小さなお友だちを紹介します

先日、ウミネコ制作委員会の素敵な企画に参加させていただくことができました。 今まで手作り…

ホシガラス
9か月前
41

創作童話:大切なさがしもの

広いお庭の小さなおうちに、ララという茶色の犬が住んでいました。 ララはお花が大好きで、一年中お庭にお花を咲かせて幸せに暮らしていました。そのお庭には黄色のギムと青色のポムという大切なお友だちもいっしょに住んでいます。ギムとポムはお花の妖精で、誰にでも姿が見えるわけではありません。 お花が大好きな者にしか姿を見せない、小さなお花の妖精なのです。 ある日の朝、ララが目を覚ましてお庭に出てみると、いつもお庭で待っていてくれるギムとポムがいません。 天気の良い日はいつもギムとポムと