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幡野広志さんのワークショップ『いい写真は誰でも撮れる』


前回の記事で書いたトークイベントの翌日、 スタンダードブックストアで行われた幡野さんのワークショップ #いい写真は誰でも撮れる に参加させて頂きました。

まず座学を行った後に外へ出て各自で撮影。戻ってきてランチをした後、幡野さんがRAW現像の実践をされて、それを参考に各自撮ってきた写真を現像する、という流れです。


座学の時間、絞りやアスペクト比・画素数などの説明の際に、前列に座っていたワタシのカメラ・レンズを一例としてお話しされたシーンがありました。

持って行ったのは3年ほど前から愛用しているSONYのα7SⅡと50mm/F1.2です。
カメラ本体はたしか7,8年前に発売されたものですが、ファイルサイズ的にも扱いやすい画素数で機能的にも過不足無く、ワタシのようなレベルのアマチュアが使うにはちょうど良い性能なんです。
それに対してレンズはSONYのフラッグシップモデル"G MASTERシリーズ"。プロやハイアマチュアの方も使われるもので、幡野さんも同シリーズの35mmを使用されてるそうです。ワタシには勿体ない代物ですね。


Twitterの #誰かの写真を現像して恥ずかしいコメント一緒に返送した という企画で、以前幡野さんにRAW現像して頂いたことがありました。
その時のコメントで「このレンズとカメラは貴方の撮り方に合ってて良い選択」と書いてあり、とても嬉しかったことを覚えています。

確かに50mm単焦点は一番好きな画角のレンズで、過去フィルムカメラにハマってた時も50mm単焦点に初代GR DIGITAL(露出計の役割も兼ねて)を組み合わせて撮りに行ってたし、その後のフォーサーズも換算50mmの単焦点ばかり使ってました。
高性能を使いこなせているかは別として、この50mm/F1.2も自分にピッタリだと思ってます。

でも、これはワタシのカメラ・レンズではありません。



3年ほど前のある日、A君とBさんの二人から連絡があった。
A君とBさんとは、よく遊んだり旅行に行ったりする仲だ。4人でいる時にはワタシが主に写真を撮ることが多い。
連絡の内容はと言うと「このカメラとレンズをワタシに使ってほしい」というものだった。
事情を聞くと、それはA君の友達でありBさんとも面識があるCさんの物だった。だがCさんは入院が長く続いており、使うことが出来ないのでA君が譲り受けたという。
そこで写真が趣味のワタシに良かったら使ってくれないか、と連絡をくれたのだ。

ひと目見て高価なものだというのは分かったし、面識も無い方のものだし、使えない理由も理由だけに最初は躊躇した。
が、一番活用してくれるのは二人の周りの中ではワタシだと思ってくれたんだろう。
それもあって預かることにした。



カメラの設定など機材面の話や、撮る時に気を配ることなどの座学を受け、各自外へ出ていざ撮影です。
あいにくの雨だけど、写真的にはただの曇よりかは全然良いです。
近くには通天閣や新世界の他ディープな場所がありそうだけど、まずは四天王寺に向かいました。

旗を手にしたガイドさんに案内されるツアー客。海外からの観光客。立派なお寺で雨でも拝観される方が多かったです。
以前にも一度来たことがあるけれど、また晴れの日にゆっくり見て回りたいな。その時は御朱印帳も忘れないようにしなければ。

途中見かけたお堂のロウソクがきれいで撮ろうとした時、「ここは撮影禁止ですよ」と係の方に声をかけられました。
ワタシはただ単にきれいと感じた灯りだけど、これは献灯の灯であり配慮が足りませんでした。反省です。
非礼をお詫びし、お堂を後にしました。

門前を通る際にいい匂いがしていて。老舗のお店から漂う亀形のベビーカステラの香りでした。
腹ペコだったので一袋買って軒先で少し食べるつもりが完食。久しぶりの懐かしの味って感じで美味かったな。
お店のオバちゃんに亀の形をしている理由など教えてもらいつつ、焼き上がったところを撮りたいと言うと「焼けたのんを串でポンポン飛ばすから動画で撮ったらええで」と撮影アドバイスをくれました。
このオバちゃん、撮られ慣れてますぞ。

四天王寺から西へ少し行くとなんだか現代調?ギリシャ彫刻のような像が見えてきて気になるので見に行ってみると、鉄素材の山門にコンテンポラリーな阿吽の仁王像。一心寺の仁王門でした。20年ほど前に彫刻家の方が制作されたそうです。
寺社仏閣好きだけどこんなのは初めて見ました。斬新でカッコよかったな。



カメラ本体とレンズを3本預かった。
今まで使ってたフォーサーズと違ってフルサイズの画質は素晴らしいものだった。レンズも3本共に良いものだ。
聞くとCさんは多趣味且つどの趣味も凝る方のようで、うろ覚えだがクラプトンが愛用しているので有名なギター、Martin 000-EC?も所有しているそうだ。話をする機会があれば多分気が合うと思った。

入院中の方のカメラということで申し訳ないというか心苦しいのもあったのだが、新しい機材というのは新鮮で気持ちのいいものだった。

朝早く起きて写真散歩をしたり、週末は撮影を目的に出かけたりした。4人での旅行でももちろん撮った。
コロナ禍で行われてなかったウクレレサークルが再開され、以前のように演奏する仲間も撮った。
どこへ行くのにも持ち歩いて沢山撮った。

今までよりも更に写真が楽しくなった。



スタンダードブックストアのカフェ特製カレーライスをお昼に頂き、さていよいよRAW現像です。
Lightroomを使ってセレクトの方法や現像の方法を幡野さんが実演してくださり、各々が現像作業に入ります。

写真は過去のものでもOKだったけど、折角なので当日に撮ったものから組写真にもなりそうなのを選んで現像しました。
皆さんが撮られた写真を幡野さんが現像される過程や結果もとても楽しかったし勉強になったなぁ。現像だけでずいぶんと変わるものです。もっと前からRAWで撮っておくべきだった。ホントに。

ワークショップの最後には質問に答えてくださって。予定の時間を過ぎても丁寧に答えてくださって本当に感謝です。



そんな時に #誰かの写真を現像して恥ずかしいコメント一緒に返送した の企画が始まった。
プロの写真家に現像してもらってコメントまで貰えるなんてそうあるチャンスではないぞ、と思いRAWで撮るようになった。

及第点を出せる写真がいくつか溜まった頃に幡野さんにDMを送り、しばらくしてから返事を頂いた。
自分の写真を現像して貰えるだけでとても嬉しかったけど、頂いたコメントもすごく嬉しい内容だった。
趣味だから自分が気に入ったものが撮れれば良いんだけど、他人から見ていい写真なのかなぁ、と気にすることも少し、あった。
でもそんなのを気にせずに撮れば良いんだと、そっと背中を押してもらえたように感じた。

もっともっと写真が楽しくなった。

そしてCさんのカメラとレンズを活躍させることも出来ているぞ、という思いも持てた。
ワタシが楽しく撮ってるのを見て、A君とBさんも多分よろこんでくれているはずだ。

でも今、それをCさんに伝えようとしても、もう伝えることは出来なくなっていた。



この日も寒い一日でした。
でもとても楽しい一日になりました。
どうやら今回は東京でのワークショプへ申し込みされた中で関西方面の方が多かったため、大阪で開催していただけたようです。ワタシも滑り込みで参加できて本当に幸運でした。
幡野さん、スタッフの方々、浅生鴨さん、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

見たら撮る。真ん中で撮る。
これからもたくさん写真を撮りますね。


……

ワークショプ後に参加者数名の方とお話することが出来たんだけど(帰路、道すがらのお喋りも)楽しかったなぁ。
その中で記念に幡野さんと写真が撮りたいという話になり「それなら僭越ながらワタシが撮りますよ」と申し出まして。

幡野さんを挟んで両側に立ってもらい(記念の1枚がピンボケになってたりしたら洒落にならんぞ)と思いながらシャッターと切る際に、つい「はい、チーズ」と言ってしまった。

(うわー!普段言わないようにしてるのにー。ここで言ってまうかー)
(そーいや前に幡野さんも「はいチーズ」は要らないよね、って言ってなかったけ!?)
(やべー、はずかしー!)
渦巻く焦り。崩れる膝。ちょっとテンパる小市民。
「あ~、はいチーズって言っちゃいました!」と、思わず膝を叩いてしまったり……。
焦りつつも気を取り直し、念のためにもう数枚撮りました。

帰って来て写真を見ると、1枚目はやや固い表情も焦りまくる姿が功を奏したのか、最後の写真は目を細めて笑ってる幡野さん、両側のお二人もすてきな笑顔で写ってました。

自分が写ってない写真なのに、楽しかった今日が詰まった記念の一枚になりました。

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