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ゼルダの伝説 初期の3作品を今更プレイする

先日の発売されたティアキンのサントラを聴いて、改めてティアキンの音楽のクオリティの高さを目の当たりにした。ティアキンの音楽には、過去のゼルダシリーズの曲のフレーズが無数かつ効果的に引用されており、過去作とのつながりを感じているうちに、自然と私の中でゼルダ熱が再燃していた。そんな中で、今までプレイしたことのないゼルダをやってみようという考えが出てきた。

未プレイのゼルダを見つける

まずは、今まで私がやってきたゼルダのタイトルを整理する。結構やっている方だと思う。

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\begin{array}{|l|l|} \hline
\textbf{タイトル} & \textbf{プレイ有無(移植・リメイク含む)} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説} & \text{なし} \\ \hline
\text{リンクの冒険} & \text{なし} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 神々のトライフォース} & \text{なし} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 夢をみる島} & \text{GBC移植とSwitchリメイクはあり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 時のオカリナ} & \text{3DSリメイクはあり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 ムジュラの仮面} & \text{3DSリメイクはあり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 ふしぎの木の実} & \text{あり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 風のタクト} & \text{なし} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 4つの剣+} & \text{なし} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし} & \text{あり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス} & \text{あり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 夢幻の砂時計} & \text{あり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 大地の汽笛} & \text{あり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 スカイウォードソード} & \text{あり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 神々のトライフォース2} & \text{なし} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 トライフォース3銃士} & \text{なし} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド} & \text{あり} \\ \hline
\text{ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム} & \text{あり} \\ \hline
\end{array}
$$

さて、この中で移植やリメイクを含めてもプレイしたことのないゼルダは以下になる。タイトルは初期の作品、ゲームキューブの作品、3DSの作品に集中している。

  • ゼルダの伝説

  • リンクの冒険

  • 神々のトライフォース

  • 風のタクト

  • 4つの剣+

  • 神々のトライフォース2

  • トライフォース3銃士

これらの中で初期の3作品は、Nintendo Switch onlineの加入特典でプレイすることができる。私は普段ポケモンのランクバトルをやっているので、当然加入している。つまり、ソフトを持っているのに遊んでいないのに等しい。やるなら今しかない。

ゼルダの伝説をプレイする

タイトル画面

というわけで、初期の3作品を発売順にプレイすることにした。まずは初代ゼルダの伝説である。

まず驚いたのは、最初の作品にして既に基本的な部分がほぼ確立されていることだ。使えるアイテムや敵キャラクターの種類、ダンジョン攻略のバリエーションなどのいわゆる「ゼルダのお約束」的な部分が既に感じられるため、ゼルダをプレイしている気分になる。いや、ゼルダをプレイしているのだけれども。

容量の限られる昔のゲームらしく、ストーリーやアイテムの解説など、チュートリアル的な部分が全くない。これらは説明書任せになっている。そのため、なんの説明もなしにフィールドに放り出された状態でゲームがスタートする。最初は剣すら持っていない。ただし、ノーヒントではあるものの、手探りでプレイさせる上でのヒントが意図的に作られており、不親切だと感じなかったのは作り手の工夫だろう。この手探り感はブレワイにも通じる部分がある気がする。リンクは最初何も持たず、何をすればいいかもよくわからないという点も同じだ。

先ほど述べたように、説明書任せの部分があるため、初代ゼルダは難しくてヒントがない理不尽なゲームだと誤解している人は、まず説明書を読むべきだ。私も最初は説明書を読まずに始めたが、あまりの前置きの少なさ、アイテムの説明の無さを見て、すぐに一通り説明書を読んだ。ちなみにNintendo Switch online で遊べる作品の説明書は、任天堂のHPで見ることができる。アイテムや敵キャラクターの解説、最初のダンジョンまでの行き方などがかなり詳細に書かれており、現代の視点から見れば簡単な攻略本とも言える。

では、説明書を読んだとしてこのゲームが簡単かと言えば、少なくとも私の視点では難しいと感じた。アクションがシンプルに難しい。リンクの剣の攻撃範囲は後のシリーズと比較してもかなり狭く、こちらから攻めていく行動にはリスクがある。特にダンジョンでは狭い場所で複数の敵と戦うことになり、一度ダメージを受けて剣ビームが使えなくなるとそこから一気にやられてしまうことも多かった。下の画像を例に挙げると、画面にはタートナックが5体おり、四隅の石像からは絶えずビームが飛んでくる。ちなみにタートナックは盾を持っており、正面からの攻撃は盾で防がれてしまう。明確な攻略法は無く、気合いで倒すしかない。

厳しすぎるダンジョンの敵の例

また、ゲームデザインとしては、かなり試行錯誤する必要がある探索ゲームの要素が感じられた。一見すると理不尽な謎解きも、各地を探索して散りばめられたヒントを回収していけばわかるようになっている。ただし、ダンジョンの謎解きには一部理不尽な仕掛けもあった。

それにしても思うのが、よくゼルダの伝説というタイトルにしたなぁということだ。ゼルダは最後にちらっと出るだけ。名前もゲーム自体には出てこない。ともかく、楽しんだり苦しんだりしながら割とサクッとクリアできた。

物語開始時点でゼルダはすでに捉えられており、ゼルダを救う勇者を探すべくインパが出会ったのがリンクなので、ゼルダはリンクの名前を知らないはずでは?と思った。


リンクの冒険をプレイする

タイトル画面

初代ゼルダとは打って変わって、良くも悪くもゼルダ感がないのが2作目のリンクの冒険である。

この作品が横スクロールメインの異色作ということはわかってはいたが、プレイ感があまりに別味のため、ゼルダをやってる気がしなかった。初代で確立したと思われた要素をほとんど全てかなぐり捨てて、ゼルダの当たり前を見直すという、ブレワイと同じことをすでに2作目でやってしまっている。あまりにも冒険過ぎる。

ゲームを始めた瞬間
わかってはいたが横スクロール
フィールド画面はドラクエ風の見下ろし形式
しかも敵はシンボルエンカウント
敵に触れると横スクロールの戦闘画面に移行する

初代ゼルダをプレイした時の反省を生かして、まず説明書から読んだが、ゼルダシリーズをかなりやっている私から見ても全然聞いたことない敵キャラばかりでひっくりかえってしまった。また、敵を倒すと経験値が貰えて、貯まるとレベルアップするという経験値の概念も、本作品特有だろう。ひょっとすると、初代ゼルダとリンクの冒険の間に発売されたドラクエの影響を受けているのかもしれない。

ストーリー的には初代ゼルダから完全に地続きになっている。初代ゼルダの伝説でガノンを倒した後、ガノン復活を企む残党と戦いながら勇気のトライフォースを集め、初代ゼルダ姫(これは初代ゼルダの伝説で出てくるガノンに囚われたゼルダ姫ではなく、その祖先の文字通り“初代“ゼルダ姫である)を救うという流れだ。

横スクロールなので、ダンジョンの謎解き要素は薄く、探索型横スクロールアクションという印象を受けた。その分アクション要素は強化されており、はっきり言ってかなり難しい。雑魚敵ですら組み合わせによってはかなり苦戦する。リンクの剣のリーチも、ナイフ持ってるのか?というくらい短く、かなりイライラさせられた。また、盾を持って剣を上段下段に打ち分けるアイアンナックや、特定の魔法を使わないと倒せないボスなど、倒し方に一工夫必要な敵が多い。ゴリ押しで進めるのはかなり厳しく、たとえ雑魚敵相手でもじっくり様子を観察しながら集中して取り組む必要があった。

総じてかなりしんどかったが、なんとかクリアした。正直、ラスボス戦は二度とやりたくない。

なんとかクリア なぜか英語


神々のトライフォースをプレイする

タイトル画面

3作目は神々のトライフォース、通称「神トラ」だ。まず率直に言ってしまえば、2Dゼルダはこの神トラで完成した。そう言い切れるほどの完成度だった。その理由を、ストーリー面とゲームデザイン面の2点から話したい。

まずストーリーについて重要な点を挙げると、神トラではゼルダシリーズで初めてマスターソードが登場する。「マスターソードを手に入れてガノンを撃破する」という、後に定番となるストーリーの大枠がこの作品で出来上がった。これまでの作品では説明不足感があったストーリーやヒントもかなり詳細に作り込まれている。1991年の作品ながらも、現在プレイしても遜色のない作品と言える。

音楽についても触れておきたい。ハードがスーファミになったことで、サウンド面も大幅に進化しており、後にゼルダシリーズ最重要曲の1つとなるゼルダ姫のテーマを始め、ハイラル城やガノンのテーマなど、最新作のティアキンでも使われる多くの音楽が誕生した。2種類のフィールドBGMも素晴らしく、曲だけでも十分に楽しむことができる。

「ゼルダ姫のテーマ」はゲームの冒頭で地下牢に捉えられたゼルダ姫を助ける時に初めて流れる。
余談だが、名前が4文字しか入れられなかったため、とても発音しにくそうな名前になった。


続いてゲームデザインについてだ。神トラ最大の特徴は闇の世界の存在だろう。本作ではストーリーの途中からリンクたちの住む光の世界とガノンの支配する闇の世界を行き来することになる。闇の世界のフィールドは光の世界と1対1で対応しており、実質ゲームの途中でマップが2倍になったと言ってもいい。この2つの世界の相互作用と、アイテムを手に入れるたびに広がる行動範囲により、限られたフィールドながら非常に充実した探索体験をもたらす。

光の世界で水門を開き水を流しておくと…
闇の世界の同じ場所でも水が反映されており、ダンジョンの奥に進むことができるようになる

複数のフィールドを行き来し、それらの相互作用によってストーリーが進むというシステムは時のオカリナやふしぎの木の実など、後のゼルダシリーズで多く取られる手法の礎となった。

また、ダンジョンの謎解きのバリエーションも大幅に増えている。ダンジョンは多層化し、立体感のある謎解きが生まれた。アクションも夢を見る島やふしぎの木の実などの私がプレイしたことあるゼルダに近く、個人的には違和感なく楽しむことができた。

筆者が苦戦した後半のダンジョン「氷の塔」
ダンジョン設計が非常に作り込まれていると感じた

初代ゼルダの伝説やリンクの冒険と比べると流石にボリュームは大きいため、クリアに時間はかかったが、前述のアクションのとっつきやすさも含めて難易度は適切だったため、楽しんでクリアすることができた。

ガノンを倒し、ついにトライフォースを取り返す
トライフォースが思っていたよりもデカい

次に何をプレイするか

今回は、未プレイのゼルダを列挙したうえで、すぐにプレイできる3作をプレイした。特に、神々のトライフォースは初期の名作と呼ぶにふさわしい出来だと思う。

神々のトライフォースをプレイしたということは、神々のトライフォース2もプレイするべきであるということだ。ちなみに、神々のトライフォース2は家にあるのだが、存在をすっかり忘れており、今回ゼルダのプレイ歴を整理した時にその存在を思い出した。つまり、ソフトを持っているのに遊んでいない状態である。やるなら今しかない。


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