ただ、ただ、人の話を聞く

歌やお笑いのステージをみても、飲みの席の他愛もない話でも、人の話を聞くのはとても勉強になると思ってます。

たまに垣間見える決意だったり、嘘の中に混じった本音であったり、言葉を濁しながら実は聞いてほしい自慢だったり。

その全てに関心と、発見と、驚きがあり、そして共感と、賛同と、反発と、異論などの自分の感情も作られていく。

そういった意味では、私は「飲みニケーション」賛成派です。

ただ無理してお酒を飲む場所に同席する必要は無く、無理して会話に入っていく必要も無いと思います。

そこは自由意志。

昔、毎回飲みの場にいるのに、笑いもしなければ、会話にも参加しない男性が居まして。

座る席もだいたいテーブルの端っこで、気がつけば部屋の隅でグラスを持ってポツンといるような感じでした。

ある時、無骨にも「参加していて楽しいの?」と話しかけた私。

その問いに、彼は何の反応もしませんでした。

それから7年ぐらい経って、その彼に渋谷で話しかけられました。

最初、本当に誰かわからなくって、嫌なキャッチだなと思ってしまったほど風変わり。

いまは人材派遣系の社長をしているとの事。

「あの時失礼な質問をしたね」と、少し罪悪感があった私はその件に振れました。

すると彼は「楽しみ方がわからなかっただけで、みんなの話をとても面白く聞いていた」と言い、「それが総じて、いまは人のコミュニケーションを作る仕事をしている」と続けました。

私は楽しそうじゃないから気にしていたのに、彼は楽しかったんだと言う衝撃。

7年前に話しかけたのが、壮大な振りじゃないかと思うぐらいの答えでした。

そして彼は「話しかけてくれてありがとう」と言いました。

本当に、人の話は面白いです。

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