父性による切り分けがなくなってきたら

子供さんは、もともと優しく 大人の話をちゃんと聞いてくれるものです。

子供さんが、いたずらをしているように見えるのは、それはやっていけないことなんだを知らないからです。

なので、大人がしっかりとルールを教える必要があります。

『これは、やっていいこと 、これはいけないこと』と、教える。

そして、それを踏み外した時に、真剣に叱るということが必要なのです!

昔は、命がけで真剣にお父さんか、またはお母さんが叱り、

『父性による切り分け』ということができていました。

父性というのは、お父さんの 中にも、お母さんの中にもあり、父さんだけが発揮する というものではありません。

『切り分け』とは、区別をするということです。

境界線をしっかりと引く必要があるのです。

『ここまではいいけれども 、これからはいけないんだよ 』ということです。

それを教えられていないと、子供たちはやっていいことと悪いことの区別がつかず、

社会に出てもルールを守れないことになります。

また家庭で、それができていないと学校に行って先生がそれを示しても、

全く聞く耳をもたないということになってしまいます。

今のお父さんは子供に嫌われたくないゆえに叱ることをしない、その切り分けができていないです。

または、お父さんが叱っているのに、お母さんが子供をかばってしまうということがあるようです。

母性というのは、限りなく受け止めるという素晴らしい 面があります。

母性のには、慈しみ育むという素晴らしい面があると同時に、

心配性だったり、子供を自分の期待で飲み込んでしまったり、愛という真綿で束縛したりと、

ずっとずっと幼児のままでいさせ、親が子供を手放せないというマイナスの側面も持っているのです。

子供は、知らないでやっているので大人は子供にルールを教えます、

すると本来ならしっかりと分かってくれるのですが、

ルールを知っているのにわざとやるのは、大人を試しているのです。

家庭では厳しく、感情的に怒られているのに、

外に出ると感情的に親が怒らなくなると、

沢山の人がいるなかで、子供さんが、やりたい放題やってしまうということがあります。

それは、親が、いつでもどこでも人の目があっても、

『これはやっていいこと、良くないこと、ここまでならいい…』というきちんとした線引きをしない、

真剣な大人の姿勢が見られないからなのです。

無邪気に遊ぶということと、傍若無人に振る舞い人に迷惑をかけるということの区別ができてない、

ずっと幼児のままで成長していない子供たちが沢山います。

また、子供だけではなく大人になってからまでもそんな姿が見られます…。

自由にはちゃんと責任が伴うのです!

それを教えずして、わがままに育ててしまうと、 本人が 大変なことになります。

人の話が聞けない、いつも自分に注目関心が向いていないと気が済まない…、

何でも自分の思い通りになると思っている幼児のような大人…。

今社会でどんな現象が起こっているかと言うと、

『青い鳥症候群』と言われる若者が増えているそうです。

理想の仕事を求めて、転々と転職を繰り返すのです。

自分はまだ、本当の姿を生きていない、今は仮の姿で、本当の力を発揮したらすごいことになる…

など妄想的な自己のイメージを持ち、目の前のやるべきことをしっかりとやることなく、

やりたくないことはしたくない、めんどうなことはしたくない、

コツコツ地味に積み重ねることを避けて、現実に直面しようとしない…。

母性による過剰な期待と、過剰な心配の中で、幼児のまま、依存関係のまま抜け出せない…、

大人になろうとしない若者たち、社会的な責任を負いたくない、チームとしての責任を取りたくない…などなど。

私たちが、大人になっていくためには 、子供の頃持っていた『万能感』何でもできる 、
泣いたら与えられる、欲しいものは手に入るというものを手放す必要があるのです。

ジョンジャックルソーは、エミールという小説の中で、

『いつでも何でも手に入れられるようにしてあげることは、子供を不幸にする一番の道だ』という風に表現しています。

自分が子供の頃、親に言うことを聞いてもらえなかった 、与えてもらえなかった、

だから、子供にはその願いを叶えたいと何でも与えていると …、

子供さんを幸せにしていると思い込んでいますが、

それは子供の姿を借りて自分の欲求を満たしているだけであり 、

子供さんを不幸にしているのだと気づいていただけるといいなと思います。

大人になって成長していくために必要な3つの要素があります。

1.不自由な環境が必要です。

2.失敗や挫折の体験が必要なのです。

3.父性による切り分け、ちゃんと境界線を引いて区別をしてもらうことが大事なのです。

今、この3つをまるで体験させない、転ばぬ先の杖をつく 、
それが子供の幸せだと思い込んでいる親御さんによって育てられた子供さん達は、

きちんと大人に挨拶することができない、

ルールを守れない、

常に注目や、称賛を求めようとする、

待つことの耐性がない、

直ぐ切れたり、人のせいにする、

めんどうなことはしない、

などなどの特性を持ち、

ある意味とても不幸なのでは?と思わずにはいられません。

無限なる愛と感謝を込めて
ガンダーリ松本より

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