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誰が言うかより何を言うか。脱パターナリズム。

パターナリズム、という言葉をご存知でしょうか。
パターナリズムとは、強い立場にある者が弱い立場の者の意志に反して、弱い立場の者の利益になるという理由から、その行動に介入したり、干渉したりすることである。
日本語では家父長主義、父権主義などと訳されます。

基本的に、現在の人権的な観点からは外れた価値観であることはなんとなくわかると思います。

医療現場においては、「医者と患者の権力関係」がパターナリズムであると、1970年代初頭に医療社会学者のエリオット・フリードソンによって指摘された。とされています。

人はとにかく権威に弱い生き物です。白衣は権威的と捉えられています。

確かに、白衣着ている時とスクラブ着ている時とでは感じ方が違うなと自分自身でも思います。

一時期よりはかなり減ったようにも思いますが、

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・医師も驚く、がんにきく・・・

なんていうとんでも広告がたくさんありました。
僕もまんまとクリックしたことも購入したこともありました。

いかに僕たちが権威に弱いか、何をいうかよりも誰がいうかということに引っ張られているか、ということが伺えます。

自分自身が医療に関わるようになったことでわかったこと。
それは、医者も同じ人間。ということです。

もちろん、すごい専門的で、すさまじい実績を積み上げている方もいますが、そうでない方も大勢います。勤勉な方も、偏屈な方もたくさんいます。

先日、Twitter上で産婦人科医の先生が、

人工授精で妊娠できる人は不妊症じゃない。人工授精は不妊治療じゃない。

と僕のツイートに対してコメントされてました。

心底驚きましたが、人によって捉え方は多様であってよいだろうと自分自身をなだめ、

うまく性交渉がもてない方、男性側がEDだったり、射精障害の方もいるので、僕は不妊治療だと思います。

とリプライしました。

でもこの先生の真意は、
「正直、僕みたいな何の勉強もしていない一般産婦人科医でも出来てしまうので、プロフェッショナルな意味で不妊治療ではないということです。なんとなくそのへんの産婦人科で意味もないAIHをしている人が多すぎる。」

ということだったのです。
言葉って難しいなとも思いました。

産婦人科医にもたくさんいらっしゃって、レベル感は様々です。
しっかり僕らが選ばないといけませんね。

自分の中の大切なものを明確化して、相手を色眼鏡なく見られるようになるといいなと思います。

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