おちまさゆき-正しい知識で正しい妊活を-

「誰でも、がんでも、ママ・パパに」 正しい知識がないために、妊娠できない「知識性不妊症…

おちまさゆき-正しい知識で正しい妊活を-

「誰でも、がんでも、ママ・パパに」 正しい知識がないために、妊娠できない「知識性不妊症」の方を救いたいという思いから 男性の生殖医療相談士として、不妊治療、がん治療と妊娠のことを情報発信していきます。 治療中の皆さんの悩みや卒業した方々の声もたくさん聞かせてください。

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生殖医療相談士の私がnoteを始める理由

私は2016年から医療法人で働いています。 スペインにいる姉からの紹介で、ひょんなことから、今の勤務先のボスである京野と生殖補助医療というものに出会いました。 その時のことが衝撃的であり、今も毎日私がここで働くエンジンになっていますし、今回noteを始めようと思った理由の1つになっています。 「試験管ベビー」恥ずかしい話ですが、本当に試験管の中でこどもができるのか、とか思ってました。決して保健体育の成績が悪かったわけではなく、むしろ5以外取ったことがないはず。保健体育は

    • 責任を取る局面というのは、去り際、死に際という崖っぽい状況だと思っていて、そういう時にその人の本質が現れるものじゃないですか。 辞めるのも、投げ出すのも簡単だと思う。本当に自分が辞めることが、責任を持つものとしての最適解なのか、というのはよく考えたいもんですね。

        • 人がこぼした仕事、陳腐なものでもなんでも、異常なまでにやり切ればそれがクォリティになる。 AIがとってかわるかもしれないとかそんなんどうでもよくて。今、ここ、自分にフォーカスして、やるべきことをやろう。

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        • 雑感
          180本
        • 不妊治療や妊孕性温存について
          266本
        • 兄との闘病記録(大腸がんStageⅣ)
          4本

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          年齢、世代に合わせて自分を変える -夢物語で何がわるい-

          パリオリンピックが終わった。 様々な競技で、自分にとっては彗星のごとく現れた若き日本人たちの勇姿に心底感動したし、心から敬意を表したいと思う。 感動と興奮をありがとうございました。 さて、オリンピックを通じて、感じてきたことが、まさにタイトルにつながる内容なのだけど、その背景を少しまとめてみる。 都知事選で感じた分断遡ること一月以上前、もはや記憶の彼方に追いやられてしまいそうな東京都知事選挙があった。 自分自身は現在40歳であり、平均寿命からした中間地点付近にいる人間だが

          年齢、世代に合わせて自分を変える -夢物語で何がわるい-

          不妊治療の爆発的な発展というのはなかなか起こり得ないと思うので、この技術進化によって、生まれる子どもが何万人もいきなり増えるというのは考えにくい。様々な角度から不妊治療を受けやすくすることを考え、制度設計を変えたほうがよっぽど出生児数へのインパクトはあるだろうと思う。

          不妊治療の爆発的な発展というのはなかなか起こり得ないと思うので、この技術進化によって、生まれる子どもが何万人もいきなり増えるというのは考えにくい。様々な角度から不妊治療を受けやすくすることを考え、制度設計を変えたほうがよっぽど出生児数へのインパクトはあるだろうと思う。

          もしかしたらもっと、という視点で

          個人的な雑感を書いてみよう。 東京都知事選が近づいている。様々な報道があり、4年前とは全く異なる盛り上がりを見せているように感じる。4年前はコロナ禍で外部環境の変化が大きすぎたため、都知事というものへの興味関心が一切わかなかったからかもしれない。 先日こんな討論会を見た。普通に面白かった。 小池都知事が就任されたから8年間が経つというので早いものだなと感じる。 仕事柄、不妊治療関連の助成には敏感で、確かにこの8年間で助成はなされてきたこともあるよなぁという感じ。 ただ、こ

          もしかしたらもっと、という視点で

          妊娠に効くとされる生活習慣の罠

          妊娠しやすい身体づくりという言葉を聞かれた方も多いのではないでしょうか。 非常にキャッチーなフレーズで、良い言葉だとは思いますが、過剰なものも多いので、注意が必要です。 注意しないといけないポイント一言で言うと、強すぎる表現を用いる方、企業、サービスには注意しないといけません。 妊娠しづらいという状況が「不健康」ということから考えられるのであれば、不健康を無くしていくことで、少しでも妊娠率を高めたいと考えるのが現実的なところです。 喫煙 百害あって一利なし 過度な

          妊娠に効くとされる生活習慣の罠

          治療成績はもはや意味をなさないかもしれない

          これは自分のこれまでの考えに対しての強烈なビンタというのか、 気づきにもなりうる予感です。 不妊治療の領域で、事務周りから医療関連までのいろんな業務にかかわりはや8年。 常にドクターの横で仕事を眺めている中で、治療成績が持つ価値の高さを一番のプライオリティとして考えて、患者さんにも話をしてきました。 しかし、この価値観が僕の中でというより、世間的に考えても限界が来ています。 原因は保険診療開始この価値観のゆらぎのことの発端は、保険診療の開始、だと思います。 先に断ってお

          治療成績はもはや意味をなさないかもしれない

          ファーストペンギン

          先日、私が所属している施設が主催しているカンファレンスが開催されました。 今回で第12回となりました。 私自身、医療者でもなんでもない人間ですが、第1回目からこのイベントの企画・運営に関わらせていただきました。12回目ともなると感慨深いものがあります。 今回は妊孕性温存の先進国として知られるDenmarkからクリステンセン先生をお招きして、開催しました。 一般の方々には意味不明かもしれませんが、このカンファレンスにはこうした海外ゲストがこれまで何人も来ていて、正直、驚き

          声を上げる重要性 声を拾う重要性

          昔のビジネス環境と比べて、患者さんのリテラシーは年々向上しています。 従来の権威主義的な、医療機関の都合による診療はまかり通らなくなってきており、患者さんの方が強いことさえ見られるようになりました。 ただ、僕は個人的にはこれもいずれ淘汰されると思っています。 毎度ありがとう。おおきに!の世界観個人的には、行き着く先はフェアな世界だと思います。 いくら患者さんが情報を持っていたとして、医者には慣れません。 情報の本当の意味での精査はできるものでもないです。 得たい治療の成

          声を上げる重要性 声を拾う重要性

          2024年の広島カープ

          昨年、順位予想で2位と公言し、結果的に2位という結果で終わりました。 さて、今年は何位になるでしょうか、というところですが、個人的に今年は5位だと思っています。 自分なりにそう考えている理由とスタメン予想をしようと思います 無難なスタメン1.ショート 小園 2.ライト 野間 3.センター 秋山 4.ファースト 堂林 5.キャッチャー 坂倉 6.サード レイノルズ 7.レフト 田村 8.セカンド 菊池 チャレンジングなスタメン1.ライト 久保☆ 2.ショ

          強い言葉とでかい主語は使わない

          僕が日々気をつけていることとして、 強い言葉とでかい主語は使わない ということを意識しています。 強い言葉としては、 ・一生 ・絶対 ・間違いなく ・100パー ・だれでも ・いつでも ・当たり前 とかこういう10:0みたいなニュアンスのある言葉です。 一生一緒にいようと思った彼女とも過去には分かれてきましたし、 絶対いけると思った勝負にも負けてきたし 超頑張ったテストも自信あっても100点は取れなかったし 起こらないと思っていた戦争はまだ起きているし。 自分自

          強い言葉とでかい主語は使わない

          少子化対策に感じる閉塞感

          先日中医協の診療報酬改定に向けた案が出てきました。 これによれば、 ・一般不妊治療を受けられる施設が増える可能性 ・凍結保存期限の3年の上限がなくなる ・精子凍結が組み込まれる ・流産検体を用いた絨毛染色体検査が可能に というようなダイジェストになるかなと思っています。 様々な議論があろうとは思いますが、総じて環境としては悪くなっていないですし、より目が細かくなっているような印象を受けます。 凍結期限の撤廃凍結期限の撤廃は、非常に妥当な判断です。 通常、体外受精を行

          ジェンダー平等と多様性の狭間で

          ジェンダー平等、という考え方が年々広がっていて、それ自体は全く問題ないと思うのだけど、一つどうしても気になることがありしまして、 この記事内のアンケートによれば、 日本でも最近、変化が起きつつあります。22年の内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」との考え方に「賛成」する人は33.5%と、調査開始以来最も少なくなりました。逆に「反対」は64.3%と最多になっています。 という部分です。 同調圧力の強い日本の中で、こう

          ジェンダー平等と多様性の狭間で

          不妊治療を経験した方が親になること

          不妊治療という言葉のネガティブなイメージは以前に比べてかなり和らいだとは感じているものの、ハッピーなもの、というニュアンスはないと思っています。 不妊治療は、物理的にも、精神的にも、そして経済的にもかなり難しい治療です。 なぜこれが難しいのか、ということと、教育問題を考えていた時に僕自身が感じたことを綴りたいと思います。 不妊治療の難しさ不妊治療の難しさの根源の一つに「曖昧さ」が横たわっています。 むしろこれが全てと言っても良いのかもしれません。 それくらい大きな問題

          不妊治療を経験した方が親になること