日本酒は半年も過ぎたら飲めないって?
先日ある百貨店の試飲即売会に行った時の事。
「日本酒は栓をあけたて(あけてすぐ)が一番おいしいんですよ。」
と言われました。その方は日本酒の資格って言うんですか?「利き酒師」なるものも持っているとおっしゃってました。
完全なる間違いでもなければ正解でもないと思うんです。
個人的見解からすると極端に味が落ちる酒は少ないと思います。吟醸酒の香りが弱くなる程度でしょうか。でもあまりに華やかな香りがついている酒ですと、多少香りが飛んで行った方がうまいかもしれないとか思いませんか?
栓を開ける事で空気に触れ、量が減るごとに空気をふれる面が増えるので、味が落ちる。と言うのが理由だそうですが、ではちょっと考えてみていただきたい。
酒蔵ではどうやって酒を貯蔵しているのかを。
大抵の場合タンクに貯蔵していますが、タンクに貯蔵する際に満タンにもしませんし常に満タンでもないし、空気をタンクから抜くわけでもありません。液面は
「思いっきり」空気に触れています。
タンクで貯蔵して空気に触れているのは熟成と言い、瓶の中で空気に触れると劣化するというのは、個人的には解せないと言うのが私の考え方です。空気に触れながらも一定の温度で保管するから熟成するのではないでしょうか?
味が変わる→熟成ではなく劣化。と考えるのは、私は違うと思います。
ネットなどで調べますと、利き酒師になるにあたって
勉強する項目の中に、酒を劣化させるものとして、こう挙げられているんだそうです。
1. 光
太陽の光や蛍光灯の光に弱いようです。具体的には紫外線。
特に直射日光の場合、日光臭という香りが発生してしまい味を落とします。
2. 空気
お酒は開栓し空気に触れる事で酸化し、劣化します。
3. 温度変化
基本的に温度が高いと生酒などは残っている糖化酵素や酵母などにより、
発酵が進んだり糖化が進み本来のお酒の味とは異なってきます。
必ずしも劣化する訳ではなく、想像している味と離れてくる可能性が高くなります。また、温度が高まる事でカビなどが繁殖しやすくなり、瓶内で腐ってしまう事があります。
ほうほう。だからこの前の方もそう仰るのだな。そう思い込まされると、酒の味が駄目になってる気がするようになってしまうんだな。とわかりました。
順番に説明しましょう。
1の光ってのは、間違いではないです。日光は特に駄目ですね。純米酒なんかを1時間位直射日光に当てたら、間違いなく色が変わりますから。紫外線が影響を及ぼすのですが、蛍光灯にも紫外線は含まれますので、あんまりガンガン光を当てるのはよくないと思います。ま、それも元に戻っただけという捉え方をして頂けるとありがたいですが、多少嫌な香りも発生します(これを日光臭と言います。)ので、まぁあまりお勧めはしません。
ただ、そうであれば酒屋はみんな真っ暗闇で営業せねばならなくなりますよね。ですので、フツーに明るい程度の光を浴びてる程度なら問題はないと思います。今はLEDなるものがありますので、蛍光灯をこれに変えるだけで紫外線は店の中で発生しませんから、これはやるべきです。酒屋さんは。
でも、紫外線を避けるために瓶に色がついてるんです。ちなみに一番光を通さないのは今は黒のフロスト瓶なんかもありますが、よく見かける茶色が一番いいんだそうですよ。
2、は先にお話ししました。
3、温度変化はまたお話しますね。
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