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セカンドオピニオンの重要性について

勇気をもって意思表示。セカンドオピニオンの積極的活用を!

セカンドオピニオンは医師を変えることと誤解している人がいますが、患者さんにとって最善となる治療を患者さんと主治医で決めるために別の医師の意見を聞くことが趣旨です。

※セカンドオピニオンを聞いて、その結果別の医師の治療を受けるために病院を替えることはあります。

もう1つ重要なことは、セカンドオピニオンを求める先は、主治医とは違う診療科の医師を選ぶということです。外科医を主治医に持つ患者さんが、ほかの病院外科医のセカンドオピニオンを聞くよりも、腫瘍内科や放射線科の医師の見解を聞く方が、違った視点から治療法の選択肢を知ることができるためです。

主治医との関係が悪化することを懸念して、セカンドオピニオンのことを言い出しづらいという人も多くいらっしゃいますが、気になることがあれば質問して、受けたい治療を主張すればいいと思います。聞き分けのよい“優等生”である必要はありません。勇気をもって意思表示をしてください。

治療の選択肢を知る権利が、患者さんには当然あるべきなのです。

東京放射線クリニック 院長
一般社団法人あきらめないがん治療ネットワーク 理事

柏原 賢一先生

【特集記事】放射線治療医からセカンドオピニオンを受けるメリット


▼軟部肉腫の事例

右足に大きな筋肉のがん(軟部肉腫)が見つかりました。

診療ガイドラインに沿った標準治療は「手術」になります。

がんの進行具合によっては右足切断の処置を伝えられる事もあります。

この場合、他の部位に転移がなければ、重粒子線治療を受ける事で、足の切断を回避する事ができる可能性があります。

実際の事例では17歳の高校生のお子さんを持つ親御さんが、手術を拒否し他の診療方法を探し、重粒子線治療を受けた事で、足の切断を回避し、寛解しました。

この患者さんは治療に関する「情報」があったため、手術を回避できました。

ちなみに重粒子線治療にかかる費用は約300万円


▼無理して受けると、マイナス効果になる場合も

 平成28年4月1日現在、先進医療を行っている医療機関のうち重量子線治療を実施しているのは次の5施設です。

1. 独立行政法人放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター病院(千葉県)
2. 兵庫県立粒子線医療センター
3. 国立大学法人群馬大学医学部附属病院
4. 九州国際重粒子線がん治療センター(佐賀県)
5. 神奈川県立がんセンター
放射線医学総合研究所では、重粒子線がん治療を受ける患者さんに「がん治療でいちばん大切なことは、あらかじめ計画された適正な治療を最後まで安全に行うということです。特に線量は少なすぎても多すぎてもいけません。これは放射線治療においては基本的なことです。

重粒子線がん治療は最長で5週間近くにわたることがありますので、その間の体調の維持には最大限の注意を払ってください。照射により体力の消耗が大きくなる場合がありますので、ふだんにも増して日常生活に気をつけてください」と呼びかけています(冊子「重粒子線がん治療について知りたい方のために」)。

また、無理して重粒子線治療を受けると、かえって体の抵抗力を下げ、マイナス効果になる場合があると注意を促しています。

重粒子線治療を受ける場合は、患者さんのがんの性質や進行状態をはじめ、重粒子線治療の適応などについて慎重な検討が必要になります。重粒子線治療を希望される患者さんはまずは主治医に相談したり、セカンドオピニオンを受けることをお勧めします。

【医療情勢】骨軟部腫瘍に対する重粒子線治療に保険適用


重粒子線治療はいままではすべて先進医療でしたが、一部保険診療も適用になっています。その際はやはり大きな一時金が必要となります。


「情報」と「お金」が大切です。