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日記:2020年5月13日(水)

あらゆる店や施設には人が宿る。人なくして店や施設はあり得ず、作った人や運営する人の色が店や施設には強く残る。そんな当たり前のことを改めて感じた。

東京都内のミニシアターは、ほぼ一通り行ったと思うけど、地方のミニシアターは行ったことが無かった。でも、東京都内のミニシアターの運営者も、よくメディアに出てくるアップリンクの浅井隆さんくらいしか知らない。表に出てくるのは、あくまで働いている人で、映画館の館長さんは滅多に表に出てこない。映画に関わる人は数多くのメディアに取り上げられるが、映画館に関わる人には、そこまで光が当たらない。それはシネコンでもそう。映画館で映画を観る僕らにとって身近なのは、むしろ映画館に関わる人達であるのに。

今回のミニシアターに関するオンライントーク番組には、そうした映画館に関わる人達が多く出演されて、ご自身が運営する映画館の話や、映画館との思い出について、色々とお話されていた。映画監督の深田晃司さんと濱口竜介さんが司会を担当されて、名だたる映画監督さんや役者さんも出演されていた。

前の日記にも書いた通り、個人的には、ミニシアターは今まで通りの運営の仕方では続けていくことは難しいと思っている。その上で、貴重な建物だけでもそのまま残せるように、オンデマンド形式でのレンタル上映スペースとしての運営の可能性を書いた。オンデマンドとは言え、あらゆる客の中に観たい作品のイメージが出来ている訳ではないので、そこで館長のセレクトなどが活かせるのではないかと。その想いを強くするトーク番組だった。映画館に関わる人は誰もが個性的で面白い。ミニシアターであれば、必ず、物語があり、様々な切り口からの映画愛に満ちている。大して儲かりもしないことを続けている人は、誰しも、内に秘めている熱い想いがある。そんな想いを聴ける場は、多くない。新作映画が公開されても、それを上演する場に取材は行かない。映画を愛する者として、盲点だった。その作品を上演することには、相応の理由と覚悟が必要だと言うのに。

番組中で、斎藤工さんが、テレビ朝日「関ジャム」の映画.verの番組をオンラインでやりたいと提案されていたが、是非、実現して頂きたい。望むらくは、その番組にゲストとして招くのは、映画監督や製作スタッフやキャストや配給会社の人たちだけでなく、映画館を運営する人たちも含めて欲しい。個人的にも、是非、彼らに話を聴く場を設けていきたいと思っている。

そんなミニシアターを支援できて、DVDやオンライン配信サービスでも観られない貴重な映画をいくつか観ることも出来る、ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金のクラウドファンディングは5/14(木)中まで。

未来へつなごう!!多様な映画文化を育んできた全国のミニシアターをみんなで応援 ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金 - クラウドファンディングのMotionGallery https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

今日のタネラジ収録は、最近で一番良かった。互いに意見を正直に表明し合い、ちゃんと相手の意見を聴いた上で賛成するところは賛成し、意見が異なるところは、相手を否定するのではなく、自分は異なる意見を持っていることを語る。結果として良い感じのグルーヴが生まれていたと思う。収録時間が予定通りに終わったのも久々。これからも続けていきたい。