8.リゾートバイト その①

さて、オーストラリアで全財産を使い果てしまった後。

あ、本当に金がない・・・

やばいな~~~

これは・・・出稼ぎや!

単純な私はそう思い、以前から気になっていたリゾートバイトをすることに決めました。

(リゾートバイトとは観光地でお仕事することです。それに特化した派遣会社に登録することで全国どこでもお仕事がもらえます)

県はどこでも良かったのですが、とりあえず派遣会社にお任せしました。

いくつか見繕ってもらった中で、
北海道でスキーしながらバイトとか
温泉地で仕事終わりに温泉入り放題のホテルとか
いろいろ迷いましたが。

旅館の仲居さんってなんか素敵!
着物着てお仕事!?かっこいい!
と思ってその中で一番給料が高いところに決めました。

場所は、富士山の近く?
ふーん(興味なし)、まいっかー。

心から富士山とかどうでもよかったですが、実際に本物を間近で見たことがなかった私は驚愕しました。

え・・!???これが富士山!!!!なにこれでっっけぇ・・・!!

富士山すげえ・・・!!!!!!

いやもう日本人として、本当に来てよかった。
富士山はすごいです。荘厳で美しかった。

さて仲居のお仕事のスタートです。
いや~~~~~大変でした。
どんな仕事でも始めはつらいものですが、控えめに言って行動も思考もゆっくりめな私に仲居の仕事は全く向いてなかったらしく、めちゃくちゃみんなに迷惑をかけた結果、20名弱いる仲居さんのほとんどから嫌われてしまった私は思いました。

ほう・・・独りぼっちとはこのことだな。

(少しあとにその中で一人だけ友人になってくれる人がいましたが、その話はまた別の場所で)

自分の働いた職場では、最初の1,2か月「お姉さん」という名の先輩にくっついてお仕事をします。本来そのお姉さんとは一番うまく付き合わなければならない相手なのですが、いつまでたっても仕事のできない私に、毎日怒鳴り、こんなに人に嫌われることあるかな?ってくらいに嫌われました。
(休憩中や、休みの日など当てられる時間に勉強しましたがなかなかできませんでした。まあ合ってなかったのでしょう。)


仕事ができないのは私の問題もありますが、何も言わない私に彼女の言葉や行動が次第にエスカレートしていきました。
私を嫌っていた人ですら、さすがの彼女の行いに同情し始めました。

今までであれば泣き寝入りして、仕事辞めよ・・・という選択肢を取ったでしょうが、海外で少々強くなった私は違います。

生まれて初めて、人に対して反論しようと決意しました。

この時、めちゃくちゃ緊張したのを覚えています。
冷や汗をかいて、頭はほとんど真っ白で、手足がものすごく冷たくなっていく感覚がありました。
それでもこれは自分のために言わなければならないと何かの使命感にかられ、伝えました。
いい加減にしてください。とはっきりと。
言いたいことの半分も言えませんでしたし、彼女にはほとんど伝わりませんでしたが、大きな達成感だけはありました。

その後、この”仕事ができない問題”もさすがに時間が少しずつ解決してくれ、おかげで周りの仲居さんたちも認めてくれるようになり、契約満了期間の1年後には、心から別れを惜しんでくれる人もできました。

いろいろありましたけど総じて楽しかったです。
ほんとです。
これからリゾートバイト始める人がこれを読んでやっぱやめよ・・・と思われたら悲しいので、楽しかったことを羅列しておきましょう。

・自分の職場では同じ「リゾートバイト」の割合が少なかったですが(90%が地元の社員さんでした)、その派遣で来る人は、やはり全国に一人でやってこようとする人ですから好奇心旺盛で無邪気な人が多いです。(もちろん全員ではありませんが)今でも友人で仲良くしてる人は、リゾートバイトで出会った人が多いです。

・当然ですが観光地なので、やっぱり楽しいです!自分のおすすめの遊び方をお客さんに伝えて、それで「よかったよ!」と感想をもらえたりできるのがうれしかったです。

・そこそこお金はたまります。場所に寄りますが、リゾートバイトは家賃水道光熱費は無料(会社側が負担してくれる)のところが多いので、それがでかいですね。

・オーストラリアにいたときより英語が話せるようになりました。(私は、ですが)観光地は海外の方も多いので、無理やりでも英語で接客せねばなりません。そしてここは日本。接客の英語が流暢でなくとも怒られませんので好きなだけ英語のぶっつけ練習ができます。(これも職場環境に寄りますが)

どうでしょうか、少しは楽し気な雰囲気が伝わるといいのですが。
さて、せかせかした仲居の仕事を辞めた私は、次はこう思いました。

あ~~~ゆっくりしたところに行ってまったり仕事したいな~~

それで次は沖縄に行くことにしました。

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