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「衰退国家」にいる私たち


少々お休みしておりましたが、がんばろう日本国民協議会の機関紙「日本再生」の読者会の参加者が読者会に参加した中で感じたことをまとめてみようということになりました。また、以前同様に「読者会ニュース:自立した主権者を目指して」の記事も投稿していきます。

私たちはもう「衰退国家」の中にいるのではないか?


 バブル崩壊後から社会や経済の低迷を「失われた30年」と言いましたが、昨今では「衰退国家」とか「衰亡国家」と言われたりします。
 例えば、2011年にGDPが中国に抜かれて世界3位となり、2021年には中国に約4倍近くまで差を付けられ、さらに韓国には一人当たり平均賃金を逆転されました。同様に1995年には世界のGDPの17.5%を占めていましたが2021年には約5%に低下しました。
他方、GAFAのような企業は日本からは生まれず、ブランドや知的財産、人材などの無形資産が主流になった世界経済の潮流から取り残され、IMDによる2022年の国際競争力は34位とさらに落ちました。
 こうした日本が衰退した原因は何でしょうか?30年以上にわたって山積した少子高齢化や巨額の財政赤字や男性優位社会の弊害など、いのちやくらしにかかわる課題を解決するどころか、長く議論をして、先送りを繰り返し、悪化させてきたツケが、どうにも隠し切れなくなって噴出していることを、私達は認めざるを得ません。
 変わらない、常識だと思っている、日々の生活に忙しい、難しいことは誰かにお任せだからという言い訳が見受けられます。そして、それらを理由にして何かに主体的に参加することや関わりが減り、内輪だけで固まる人、しくみや制度から排除される人が増え、個々人の社会性そのものが希薄になり、そのまま体質になってきたのです。
 

「衰退」を止めるのはあなたです。


 これだけ課題が山積し、悪化しても先送りを繰り返した理由には、これらの課題を国家の問題ととらえ、いつか誰かが、行政が、有能な政治家が解決してくれるのだろうと思ってきた、他にやることがあるから無関心だった、自分は困っていないから関係ないという、今だけ、自分だけ良ければという利己的な体質が国全体に蔓延していることにあります。
 その体質は政治だけでなく、地域や生活の現場、身近な小さなところにも影響を及ぼしているのです。
 例えば、この仕事は面倒くさいからあの人に丸投げしようとか、△△さんは部外者だよね、関係ないよねとか、日常によくある言動ではないでしょうか?
 この「面倒くさい」によって、忙しさやコストや時間の削減などの目先の利益ためにやるべき仕事をサボる、手を抜き、どうにもならなければ女性、若者、外国人、障がい者など弱者に押し付けてまで先送りや放置を繰り返してきました。
そのツケが多くの会社や組織でも起きている無責任の連鎖とSNSでの弱者へのヘイトへとつながっています。
 人口減少も少子高齢化も財政赤字も男性優位社会も国家や社会全体の問題とわかっていても、大きすぎて何もできなくて立ちいかなくなっています。
あなたも政治や行政のことは自分には関係ないと思ってきませんでしたか?また、自分たちへの支援や補助金がどうなっているかだけを知っておけばいいとなっていませんでしたか?
こうした体質による行動や態度によって、立ちいかない政治と行政のシステムにつながっていくのです。国会や中央省庁も自分たちとは違う世界ではなく、地元の役所や企業の先でつながっており、先送り体質で放置してきた自分たちにつながっているわけです。典型的には無関心になっている他者の人権です。いじめ、セクハラ、パワハラを大きい組織ほど隠蔽や放置をして、問題が大きくなった後からニュースになっていますよね。
 つまり、自分たちの体質や目の前のおかしいと思う課題を解決しなければ、地域は変わらない。逆に、地域が変われば、日本全体が変わっていく。
 例えば、1995年の阪神大震災で多くのボランティアが参加しました。紆余曲折しましたが災害ボランティアの制度化が進み、技術やネットワークも蓄積されました。そして、全国各地にNPO法人が作られ、その後の災害時の助けとなっています。
 それでも、先送りや無関心や向き合わない、変わらない体質に染まっている自分たちが実は多数なのです。その一人の自分も日々の生活に追われて、鈍感になっていて、それも体質化したのだと思います。
 その体質を変えていくことがはじめの一歩ではないでしょうか。「面倒くさい」に流されない、忙しくてもおかしなことにおかしいと気づいて言えるように感性を磨き続けていくことなのだと思います。
先送り体質や鈍感さ、無関心なことに気づき、その体質を自分だけでなく、周りの人たちとともに気づいていくことも必要です。誰かに解決してもらうのではなく、小さくても課題を見つけて、関わっていく行動を起こしていきませんか?

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