名称不明

人は現象や物、感情、その他もろもろすべてのことに名前を付けている。初めは明確な意図はなかっただろう。目の前の「それ」を指すときになんとなく発した言葉とも言えない声。その声を「それ」を指すときに発する慣習になり、名前が付いたのだろう。何事も初めは思い付きと真似から始まる。そんなものだ。
しかし、現代は違う。言葉に意味があり、その意味を組み合わせて新たな言葉を作る。そして名前として定着させる。その「もの」に名前がないとき、人は不気味に思うほどに名前があることが当たり前だ。

また、名前を知っていることは共通の言葉を知っていることにもつながる。これは仲間意識の構築に大きく寄与する。名前を知っているだけで仲間と思われるのもなかなかに興味深い。

たかが名前だが、知っているだけで人柄に深みがでるのだ。


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