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舞台の粋な風習。

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記事中の画像テストも兼ねて書きます。

私は『粋』という言葉が狂おしいほど好きです。根が江戸っ子なんでしょうね。生まれも育ちもグンマですが。文句あっか?べらんめえ!!

常にカッコよく生きたいし逝きたいと願っているんです。
そのド真ん中にいるのが粋な存在です。

お約束ですが、私の大好きな goo国語辞書調べてみましょう。

いき【粋】 の解説
[名・形動]《「意気」から転じた語》
1 気質・態度・身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があること。また、そのさま。「粋な姿」「粋な柄」「粋な店」⇔野暮 (やぼ) 。
2 人情の機微、特に男女関係についてよく理解していること。また、そのさま。「粋な計らい」⇔野暮。
3 花柳界の事情に通じていること。また、花柳界。「粋筋」⇔野暮。

つまりエロいってことですね。エロさ抜きにして人生は語れないという事です。
ていうかどんだけ『野暮』って言いたいんだよ…


冗談抜きにしてこれは大事な事でして、私が話題にあげたいのは1番の項目です。色気がある行動を、常にとりたいものです。淫乱ではない程度に。
いや淫乱は淫乱で好き
なんですが。

舞台の世界では、『大入り袋』を渡すという風習があります。
冒頭の写真は、私がお世話になっている『演劇実験室◎万有引力』の公演でいただいた大入り袋です。実物、モノホン、無許可のアップです。
諸説あって起源は不明ですが、とにかく舞台が千穐楽を向かえると、これがもらえます。

まず、『大入り』とはなんでしょうか。
これは知っている方も多いと思いますというか、言葉通りですね。
多く入っている事です。
何がと言われれば、我々の業界で言えば、『お客様』です。
つまり、満席もしくはそれに近い状況の際に『大入り』と表現するんですね。
「いよっ!今日も大入りだね!するってーと何かい?今夜はステーキかい?それとも…アレかい?」という風に使います。

大入り袋はそれに呼応する形で存在しています。
満員を祝うための、キャスト・スタッフ関係者に配られるお祝いの袋なのです。本番終了後の打上げでいただく事が多いですね。

この大入り袋の中身って、知ってますか?


正解は『五円玉』です。
他の数字の時もありますが、大体『五円』もらいます。
何故かたった五円。これって嬉しいと思いますか?

本音を言うと、メッチャ嬉しいです。

どういうことか、もうお分かりですね。
これは『縁起物』なんです。
赤字体質の世の舞台ではボーナスは出せないけど、せめて私たちの『ご縁』は大事にしていこうね!ということなんです。

これってドチャクソ『粋』じゃないですか!?
モテること7000%間違いなしじゃないですか!?
モテ過ぎモテ男じゃないですか!?!?(←息子の通った保育園で流行っていた言葉)

私達の業界は、人間関係がほぼ全てと言っても過言ではありません。
人脈が無ければ仕事は回ってきませんし、あっても悪い噂が立てばやっていけません。だから『約束を守ります』
大入り袋をもらうという事は、それが出来ているという証なのです。

まあ、中には本当に満員続きだった時にボーナスとして万券入っていることもあるらしいんですが、それよりもこの粋な演出に首ったけです。

私は古い人間なものですから、売り上げよりも『義理』と『面子』を最優先にして生きています。その分、本当はビジネスを成り立たせる制作という立場にはおおよそ向いていない性格だと思っています。でも、それを捨てたら『大儀』も『人間関係』もへったくれも無いもんですから、仕方がない。
守れないなら『生きる意味が無い』という事です。

大入り袋は、それを集約した現実的な形なわけです。

まあ現場レベルでは、ほとんどの場合、立場的に私が皆様分作って、私が私の分をもらうんですがね!!

尚、大入り袋は当たり前ですが一般向けに販売しております。
ネットショッピングでご確認下さい。

念の為、キャッチで使っている画像について補足です。
一つ気をつけねばならないのは、街に配置されたメカは基本的に外敵から送られてきた刺客で、感知した情報を24時間送り続けているのですが、稀に完全な人間型に偽装しているものもあるので注

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