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家庭菜園イチゴ 夜の明かりと花芽分化の関係詳細_日照処理日数の求め方

 2022年の春、家庭菜園イチゴで、夜の明かりに因り、花が出来なかったと思われる事象がありました。

 これについて、調査してみました。

 イチゴは、クラウンの先端の成長点が葉芽あるいは花芽に分化します。
葉芽から花芽への変化には花成物質が関与しているといわれています。
 花成物質は日長や温度等の刺激によって蓄積的に植物体内に生成され、閾値に達すると形態変化が始まると仮定されています。

 一季成り性イチゴの花芽分化の条件は、温度や日長が関係して、江口(1934)、Went(1957)、Ito&Saito(1962)、Jonkers(1965)による有名な実験結果があります。
(日本のイチゴ 養賢堂 施山紀男著 42頁目、イチゴの基礎知識 誠文堂新光社 森下昌三著   40頁目)

 

Ito&Saito(1962)の図からデータを読み取って作図
Ito&Saito(1962)の図からデータを読み取って作図
Ito&Saito(1962)の図からデータを読み取って作図
Ito&Saito(1962)の図からデータを読み取って作図

 上図の読み方は、例えば24℃では、8時間/日の日照処理を12日間すると、花芽分化しますが、15時間/日の日照処理を12日間では花芽分化しません、ということです。

 日長が14時間以上になると、処理日数が増加するのは何故でしょうか。
 おそらく、日照をすると、花成物質が生成されるけれども、同時に花成物質の蓄積を抑制する何かの生成も増加するということが仮定されます。

 また、およそ25℃以上では、どのような日長条件でも花芽分化しないそうです。
 温度により、上図のとおり花芽分化する日長条件が大きく変わります。
 17℃で、日長7時間のときに、花芽分化に要する処理日数が最も短い8日になります。
 温度が高くなると花成物質が生成される速さが増えるけれども、同時に花成物質の蓄積を抑制する何かの生成もそれ以上に増加するということが考えられます。

 ベランダに置いたプランターに室内の明かりが当たると、上図の横軸の日長時間が増えることになり、花芽分化しなくなる可能性があることが分かりますね。


さて、
 以下に有料記事として、現地・各月での日照処理日数を作図する方法を記しました。
  データ作成用のExcelファイルも添付しました。
 添付Excelファイルはそのままでもよいですが、それを例としてご自身のアイデアで広げてご活用していただければと思います。
 また、6月以降は花芽分化し難くなることもデータから考察しました。
当該データもExcelファイルに添付しました。
 よろしければ購入をご検討ください。

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