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【産学連携・共同研究のススメ】R&D部門でない部門での共同研究のはじめかた

ここ数年、コミュニケーションを可視化することについて大学と共同研究しています。
といいながら、私が所属している部門はR&Dの部門ではなく、事業部門。
なかなか事業部門で大学と共同研究をすることはないのではないでしょうか?
社内では前例もそんなにないため始める際にはだいぶ揉めました(笑)
そこで、この記事では非R&D部門で共同研究をやるために必要なことや、社内調整でやったことを紹介したいと思います。

そもそも情熱もって取り組める興味のあることがあるか?

そもそも何をやりたいか?ここはしっかり持ってないとダメです。
R&D部門にいる場合には、研究すべき自分のミッションが与えられます。
一方、R&D部門では無い方にはそんなミッションはないですよね、事業部門の場合、業績目標がミッションになると思います。
そんな本業のミッションとは別に共同研究をするのですから、いろんな調整や、めんどくさい説明なとたくさん発生します。
ですので情熱をもって取り組むことのできる分野や対象がないと難しいですね。

コミュニケーションを可視化したい!

私の場合には、以前よりコミュニケーションを可視化することにとても興味があり、可視化結果からウェルビーイングな状態をどうすれば作ることができるか?ということに本業(システム受託開発のコンサル〜PM)をこなしながらずっと取り組んできました。

この分野はこれからの分野であること、明確な回答がないことから取り組む意義があると考えていて、情熱を持って取り組んでいます。
何度も周りから「なんでこんなことやってるの?」って聞かれます。
しっかり答えられるよう、一度考えてみてください。

パトロンと予算を見つける

共同研究にはお金がかかります。
一般的な産学連携における共同研究は、企業から大学にお支払いすることで共同研究をすすめることができます。
そのため研究費を用意する必要があるんですね。
R&D部門はそういう研究費が予め予算として認められていますが、事業部門にはないことが多いのではないでしょうか?

そこで、社内で予算を捻出してもらえる部署、人を見つけましょう。
非R&D部門とはいえ共同研究などの投資的な活動が必要と考えられている人は少ないですがいらっしゃいます。
ぜひ、そういう方にお話してみてください。

その際にポイントなのはその方、その部署が共同研究に使える予算を持っているか?ということです。
予算がなければ思いがあってもすすめることはできません。
弊社の場合、ファンドという制度があり、少額ではありますが投資的に使える予算がありました。
その予算を使って共同研究をさせてもらっていました。

確実でなくてもゴールを明確に説明する

ここが非R&D部門で共同研究する際のキモになるところだと思うのですが、ゴールは必ず必要です。
研究なので完了を明確に定義するのは難しいのですが、ゴールを常に見せる必要があると考えています。
予算をお願いする際はもちろん、ところどころでの報告の際にも必ず見せていました。

本業のミッションとは別に行う共同研究です。
いつまでもダラダラ続けるわけにはいきません。少なくとも、そういう印象を与えてしまうと研究を続けることができなくなります。

そのときにわかりやすいゴールが、学会発表や論文になります。
途中経過を少しづつでもアウトプットし、そのアウトプットを一時的なゴール(ゲート)として報告していく方法がおすすめです。
目安として1年に1回は学会発表があるといいと思います。

ビジネス化を意識した研究

本来、共同研究をするのであれば当たり前なことなのですが難しいのが研究成果をいかにビジネスに結びつけるか?です。
ある意味、共同研究をして、成果を発表するのは当たり前のこと。
そこから先、どうビジネス化していくところが一番むずかしい。
特に非R&D部門で共同研究するのであればここが求められます。

意識していること、考えていることを常にアピールしてください。
一気にビジネス化するところまで行くのはとてもむずかしいので、私の場合にはスタートアッププログラムへのエントリーにつなげました。
スタートアッププログラムにて、共同研究の成果を使ったビジネスを検討しています。
スタートアッププログラムに参加することでビジネスを立案することはもちろんですが、共同研究を続けさせてもらえる理由にもなります。
ぜひ、周りのスタートアッププログラムや、アクセラレータプログラムと言われるものもチェックしてみてください。

R&Dじゃなくても共同研究はできるし、やると得られることはとても多いですよ〜

ちなみに共同研究する先生とつながる方法は別の記事で紹介していますのでこちらも読んでみてください!


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