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The DioField Chronicle(ディオフィールド クロニクル)体験版プレイ感想

The DioField Chronicle(ディオフィールド クロニクル)の体験版プレイが2022年8月10日より可能になっている。ここでは体験版をプレイした感想を記した。

概要

ディオフィールド クロニクルはスクウェア・エニックスの完全新作IP。
開発はランカースが担当。
ジャンルはSLG/RPGだと思うが、”クロニクル”という名前からも、軍記物というテーマになるようだ。
SLGだがシステムはリアルタイムストラテジー(RTS)を採用。
2022年9月22日発売予定で、プラットフォームはNintendo Switch、PlayStation4、Steam等。

トレーラー動画

ゲームの流れ

1.開始直後はムービーからチュートリアル的な戦闘になる。
敵を殲滅し馬車にインタラクトすると完了。

2.助けた人物が政府高官だったことで貴族の傭兵団に参加する流れになる。

3.ミッションが発令するまでは拠点の建物で自由行動。
3Dの等身大キャラを動かしてショップでの売買や会話などが可能。

4.ミッションが発令すると机にインタラクトしてブリーフィングが開始。
ブリーフィングでは勝手にキャラ同士が発言し合い、プレイヤーは介入出来ない。
また、敵拠点への攻略ルートなども、プレイヤーの考えで決める事は出来ない。

5.ミッションが開始。ジオラマのようなフィールドにキャラが配置され、移動や戦闘を行い、敵の殲滅等の大目標を達成すると勝利。
(他に、「指定時間以内にクリア」「キャラが誰も死なずにクリア」「宝箱を開ける」といった小目標が設定される事もある。)
次のシーンに進み、ナレーションやムービーが入る。

※キャラメイクはなく主人公はプリセットされたキャラ(アンドリアズ)を操作する。(戦闘では全ユニット操作が可能。)
初期登場人物はアンドリアズ、フレドレット、アイゼレアの3人がいるが、拠点で操作が可能なのはアンドリアズのみで、他のキャラに切り替えも出来なかった。

戦闘パート

ミッションブリーフィングが終わると戦闘画面に移行する。
(戦闘に入る前にムービーでのストーリー描写がある場合もある。)
特に進軍パート等はない。

戦闘では、RTSのため何もしなくても時間が進む。
(RTSだが、スキルや移動等の行動を考慮中は時間が停止する。)
ユニットの初期配置は自動配置され、任意の位置に配置は出来ない。

戦闘が開始すると、移動場所指定・攻撃ターゲット指定・スキル使用を行って目標(敵の殲滅等)を達成すると勝利。

スキルはEPというリソースを消費し、使うとCT(クールタイム)が発生。
スキルの攻撃が強いので、基本的にCTが終わったら直ぐスキルを使うという感じ。

敵の背後を取るとバックアタックになりダメージが多くなる。
魔煌玉はTPをリソースに「バハムート」の召喚等で広範囲に大ダメージを与える。

部隊(キャラ)毎の指示が面倒なので、L2(全体指示)から移動地点か攻撃目標指定、敵に近付いたら各自スキル使用、スキルCT終わったキャラはまたスキル使用、という感じで大雑把にプレイしても十分勝てる。

難易度はハードでやってみたが、演習のミッション以外は死亡者も出ずミッションを達成出来ていた。
ただ、防御かHPを積む必要があるので、本編では模擬戦を何度もする必要がありそうだ。
本作は金を稼ぐ手段がほとんどなく、ミッションを成功させても大して報酬が出ないので、実質無限にリトライが可能な模擬戦が主な金策になりそうだった。

HPが減ると事前にセットしておいたポーションで回復出来るが、敵を倒すと緑・紫・青の玉が出て、玉を取るとHPやEPを回復する。
一章の途中で魔術兵が加わるが、魔術兵は回復呪文を持っているので、更にHP管理は楽になる。

評価点

・魔法やオーバーテクノロジーがありつつも、戦乱の世で貴族が傭兵団を率いるという重厚なファンタジーをストーリーの背景としている。
・ミッションブリーフィングの雰囲気が良い。
・戦闘はファンタジー系では珍しいジオラマ風のリアルな画面で行う。
・ユニット毎に兵科がある。(歩兵・狙撃兵・騎兵・魔術兵)
・成長要素が多く試行錯誤が出来そう。(スキル、アビリティ、兵科、武器開発、魔煌玉開発等)
・拠点マップを開いて場所を指定するとファストトラベルのように瞬時に移動する。
・「模擬戦闘」で過去の戦闘で取り逃した要素等をやり直し出来る。
・日本語音声のほか英語音声(英語文字設定)もある。
・戦闘マップにちょっとしたギミックがある。
・ポーションに制限があるため回復ポットがぶ飲みゲーにならない。

気になった点

■戦闘面
・戦場で操作可能なユニットが最大4つまでと少ない。(出陣するキャラに1人副官を付ける事が出来る)
・細かく裏取りやバックアタックを狙うよりも、大火力スキルをぶっ放すだけの大雑把なプレイになりがち。
・戦闘エフェクトがド派手過ぎる。
・戦場でボスまでのルートがほぼ一本道。道中のギミックも制圧するくらいで戦略性が薄い。
・戦場のマップが狭い。
・マップに敵が最初から配置されていない。(敵を殲滅してマップを進めると都度敵がスポーンする)

■立ち絵
・3Dモデルと立ち絵キャラのデザインがかなり違う。FFのようなデフォルメキャラでリアル立ち絵なら仕方ないが、3Dモデルにするならどちらかに寄せた方が良かったのでは。

■ストーリー・設定
・最初からいる人物のうち、拠点ではアンドリアズしか操作出来ない。(他キャラに切り替えは不可)
が、アンドリアズは謎めいた人物で、動機や秘めている心中が読めず、彼を操作してストーリーを進めるのは物語に没入し辛かった。
・会話や行動におけるプレイヤーの選択肢が存在しない。(製品版では不明)
・ストーリー上の展開に違和感があるものが多い。
例)傭兵団に高貴な家柄の人物が何人か続いて入ってくる、傭兵団の運営が○○○になる。(ネタバレのため伏字)

■UI・導線
・画面は全体的にきれいだが、UIのアイコンが大きすぎスマホを想定しているように見える。
・拠点でNPCと会話するために接触する必要があるが、会話が発生する角度の判定がシビア。
・ショップでの購入手続きの導線が若干不自然。

■その他
・装備品が高く、戦闘に勝っても雀の涙程度しか褒賞金が貰えない。金策の方法が模擬戦をひたすら繰り返す虚無的な方法しかない。
・ミッションがない間、拠点の狭い建物内でしか行動出来ない。仲間との会話も選択肢がなく、会話のパターン自体がほとんどない。
・日本語文字設定で字幕のみ英語に出来ない。(文字設定・字幕が全て英語になる。)

まとめ

体験版インプレッション:
イマイチ

体験版の結果、本作には細かい問題点が多すぎ、とてもフルプライスで買える内容ではなかったように思う。
現状では、セール価格になってからの購入を検討するゲームに入る。

まず、戦場で動かせるユニットが最大4ユニットはさすがに少なすぎる。
なぜこれほど少ないユニット数でSLGをやろうと思ったのか。
ユニット数の増加で煩雑になり、カジュアル層を取り込めない事を危惧したのだろうか。
しかしそれではコア層からの評価が下がってしまうだろう。
システムについてもRTSではなく普通のターン制SLGにした方が大多数のユーザーには取っつき易かったと思う。

体験版のステージでは地形効果や高低差もなくユニットを任意の場所に初期配置も出来ない。

ブリーフィングの雰囲気やジオラマ風のステージ等はいいのだが、肝心の戦闘がアバウトなため、現状ではメインパートの戦闘にほとんど魅力を感じない。
評価点に記載したように、細かく位置取りを考えるゲームではなく、近付いてから大火力スキルをぶっ放してのごり押しが推奨されているように感じる。

バイオウェアのRPG『ドラゴンエイジ:インクイジション』にも、ブリーフィングのマップ画面からクエストの出撃地点を選ぶ、という本作との共通点があるが、それ以外にも、4人パーティーで探索・冒険をするパートがあり、飽きさせない作りをしていた。

本作でも、戦闘パートの物足りなさを補うため、『ドラゴンエイジ:インクイジション』のように、ミッションの合間に自由にフィールドやダンジョンを探索出来るようにすれば、より面白くなったのは間違いない。

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