毎日残業しつつ12日で25P同人原稿備忘録
はじめまして。マイナーCPで活動中の同人マンガ描きです。
描き手の状況
平日:正社員。10時出社、基本20時以降退勤。通勤時間1時間。出社前の30分と帰宅後の2時間くらいは原稿できる
土日:特に用事がなければ10時間くらい作業できる
作業環境:スマホのメモ帳(プロット)、板タブ機能付きタブレットとメディバンペイント(ネーム)、液タブとCLIP STUDIO(下書き以降)
モチベーション:本編が佳境に差し掛かっているジャンルなので、自分の解釈が本誌で瓦解する前に幻覚を冷凍保存しておきたい
遅いのか早いのか分からんとりとめもない原稿記録を書き留めていきます!
まず、マインド編
私が原稿制作以外でやっててよかったなと思うこと2つは
意外と自分のモチベーションに関わってきた点かなと思います。
メリットは
①完成したページから壁打ち垢にアップしていけば、布団でも出先でもフカンで自分の原稿を見られる
ネットにアップした瞬間に誤字脱字や塗り残しを見つけることが、自分は多々あるので…
②原稿の進捗を呟いておけば、日付や時間と一緒に記録できる
後から見返した時に自分の原稿ペースを把握できます
③原稿中はここに籠もると決めておけば、他の絵ウマ字ウマの作品を見て己の創作のつたなさに凹むことがなくなる
モチベーションを上げることも大事ですが、モチベーションを下げる要因を潰していくのも大事 最初から最後までずっと幻覚を見たまま同人していこう♪
④思う存分自分を褒められる
このように!!(伏せばっかりで何がなんだかで申し訳ありません)
描きたいものというよりは読みたいものです。私はノーテンキなイチャイチャと死別と初夜を見るのが大好きなので何度でも描いてしまいます…
具体的には私は通勤中に歌を聞いて、原稿の着想を得ることが多いです。
「この曲、自CPの死別を描いている」と思ったらとりあえずその熱量でつっ走り、原稿に詰まったら原作を読む+その曲を聞いて(ああ、これを具現化したかったんだ)と原点に立ち返る。大体こんな感じで原稿しています。
制作編
制作手順をざっくり示すと
①原案(日頃からスマホのメモに書き留めておいているので、今回の原稿時間には含みませんでした)
②プロット
③ネーム
④下書き、コマ作成、台詞入れ
⑤ペン入れ
⑥ベタトーン
⑦完成、壁打ち垢にアップ
↑の各工程にかける日数の割合についてはこんな感じでした。
(「静寂」というのは自CPの受が本誌で…したときの話のタイトルです)
23P分をプロット2日、ネーム2日、下書き4日、ペン入れベタトーン4日くらいのペースで描いていたみたいです。この時は特に「いつか本誌にこの幻覚の鼻っ柱を折られる前に、具現化しておかなければ」という思いが強かったので自分なりに頑張って急いで仕上げました。
①プロット
こんなような感じで、スマホでポチポチと状況&セリフをメモしていきます。自分が読んでて楽しい要素を入れ込みます。なんか照れくさいので人名には伏せを入れました。
最初は描きたいシーンやセリフをざっくり書き、ある程度まとまってきたらこの時点でページ割を決めておくのがオススメです。
↑の画像で1行空いている箇所が、ページの区切りになっています。
と言っても頭の中だけでページ割を考えるのは難しいので、「このシーンは大ゴマにしたい」という箇所の直前か直後でページを区切ると迫力が出ていい感じになるんじゃないかな…と思います!
メリットとしては、ここでページを割っておくとネームで迷う時間がある程度減らせます。あと(ここは削ってもいい)(ここはもう少し膨らませたい)という調整が文字上でできて楽ちんです。
これは布団の中で出来る作業なので、私は布団でやりました。机に向かうのすら辛い日でも、1行でもプロットが進んだなら自分を褒めましょう。
②ネーム
私は↑画像のように見開き2Pを縦に2つ並べた状態で、4Pごとにネームを切ります。
苦手な人が多い作業かと思います。ご多分に漏れず私も苦手です。
さっき書いたプロットを頼りに、大ゴマから描いて他のコマは間を埋めるように配置していくのがスムーズかなと思います。
セリフを強調したいコマはあえてキャラの顔を描かずに体のパーツのみのコマにしたり、顔マンガになってんなあと思ったら後ろ姿やデフォルメで茶を濁してみたり。4P全体の雰囲気を見て小細工を弄していきます。
あくまで趣味なので、描きたくないものを前に筆を置いてしまうくらいならどんどん茶を濁して完成に近づけていきましょう…
これも布団の中で出来る作業なので布団の中でします。個人的にはクリスタよりメディバンペイントの方が直線を引くのが楽なので、メディバンで進めました。
③下書き、コマ割作成、写植
ここからは布団から出て、クリスタを起動していきます。先ほど描いたネームをコピペして、原稿サイズの新規ページに拡大貼り付けします。
結構まとまった集中力が要る作業なので、休日に仕上げておきたい部分です。
この時点でコマ作成し、ネームを参考にコマ割り・フキダシ作成・写植をしていきます。急にマンガっぽくなるので嬉しくなります。
描きたくない背景の上などにちゃっかりフキダシを置いてもいいと思います。鉄(幻覚)を熱いうちに打って入稿するためには必要な犠牲でしょう。
さらに下書きの時点で勢いで背景をペン描きしてしまえば、ペン入れの工程では推しのイチャコラを描くだけになるのでモチベーションが下がるのが防げます。雑でも大丈夫です、背景より推しのイチャコラを丁寧に描けるのなら…
余談ですが顔のアタリについて、
左の卵型で描く方法から、右の「円の下に四角」で描くようにしたら色んな角度や正面顔への苦手意識が減って、作業効率もアップしました。自分に合った方法を学ぶことも大事!!
⑤ペン入れ
平日出勤前の30分間でもちょっとづつ進められる工程です。好きな動画を流しながら描いていきましょう。
以前は下書き~ベタトーンを1ページごとに行っていましたが、ペン入れは一気にやらないとページごとに絵柄がブレると気付いたので今は全ページを通しでペン入れする方式に切り替えました。
素晴らしきオススメペン3点↓
500ペン:これ以外では原稿が進まない時期が定期的にくる
Sザラペン:自分が絵ウマになったと錯覚できるくらい描き味がいい
ぎゅにペン:ラフな1ページ漫画とか、表紙の線画にいい ほっそい筆みたいな描き味
これは500ペンでペン入れしました。
⑥ベタトーン
ここまできたら残業後に飲酒しながら進められます♪酒を飲んでしまった日でも原稿を進めている自分を褒めましょう。
オススメブラシはこれ!
かすれベタ風ブラシ
おそらく原稿中いちばんお世話になっているブラシです。
黒ベタだけでもいい部分でも、あえてこちらで塗ればニュアンスが出てなんかいいかんじ!人物の髪ベタもこちらで塗っています。
こんなかんじ
トーンはクリスタの基本機能を使います。グレスケでトーンを貼りたい部分を塗りつぶし→レイヤー効果でトーン化しています。
原稿終わってから気付きましたが、トーン濃度ごとにレイヤーを分け全部黒で塗って、レイヤー濃度と線数だけでトーンを管理したほうが、塗り残しも防ぎやすいし多種類のトーンをすべて数値化出来て楽なんじゃないか?と思いました。次からそうします。
⑦完成・壁打ち垢にアップ
ここまできたら、画像結合し画像解像度を50%くらいにしたものを壁打ちTwitterアカウントにアップします。
その画像を翌朝見返して、トーンやベタの抜けがないか・セリフを変えたほうがいいんじゃないか…など、冷静な状態でチェックします。チェックというか(あー原稿進んだなあ)と悦に浸ります。この繰り返しです。
番外編:表紙
上記の漫画を含めたWEB再録本用の表紙を描いたので、その工程をざっくり説明します。
私は1枚のイラストを日にちをまたいで描くのが得意ではないので、まとまった時間のあるときにガーッと描きます。
EGO-W●APPIN’のくちば●にチェリーという曲のPVにめちゃくちゃ影響を受け、熱帯植物モチーフをメインに下書きしていきます
前述の「ぎゅにペン」でペン入れ。
ホログラムPPクラックドアイスという派手めなPP加工をする予定なので、表紙絵自体は地味めな感じで抑えました。
おわり
まとめ
とにかく自分が読みたいものじゃないと原稿は進まないので、最初から超大作を作ろうと無理しないことが大事かな…と思います。
という漫画を描きたい!!!と思った時に、
自分が一番読みたい「転生したふたりが現代日本のスーパーで買い出し」の部分だけの漫画をまず描く。
気が向いたらその後のチョメを描く。
さらに気が向いたら冒頭部分を描いてまとめて一冊の本にする。
くらいの心構えでいいと思います。趣味なので…
私は「自分が老人ホームに入った時の楽しみとして、本の形で読み返せるように」くらいの気持ちで発行しています。
自分の幻覚を具現化してみんなにも見えるようにする趣味、面白すぎる…
(CPについてのコメントは…恥ずかしいから…やめようね!)
以上、原稿備忘録でした!
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