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[ゲーム分析#1]「複数の敵と戦う」を設定とうまく融合させたゲーム。STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー

今回のゲーム

暗黒面に落ちた元ジェダイの皆様こんにちは。ハルです。

 今回取り上げるゲームは、2019年11月に発売された一人用3人称視点アクションアドベンチャーゲーム「STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー」です。

 開発はRespawn Entertainment。こちらの会社はEAの子会社であり、APEXとかを開発されている所ですね。

 同じ時期に「DEATH STRABDING」が発売されたため、あんまり日本では話題にならなかったかなと思います。

https://www.ea.com/ja-jp/games/starwars/jedi/jedi-fallen-order/media

記事内の画像は主に上記リンクから取得しています。

※この先はネタバレあり


感想

 確かにあんまり話題にはならなかったのですが、いや~面白かったですねー。
 ゲームとしても面白かったのですが、スターウォーズファンの私としては「これだよ!こういうスターウォーズのゲームがしたかったんだよ!」という嬉しい思いでいっぱいで非常に満足でした。(BB-8が可愛い!)

最高の相棒

 巷では「スターウォーズSEKIRO」と呼ばれていましたが、最高難易度ジェダイグランドマスターの方がSEKIROよりも難しいと感じました。(まあ難易度いつでも変えられるからこっちの方が幅広い人が遊べるかも)

 特に演出はどこも痺れる所も多かったし、なにより古代の高度先進文明であるゼフォとかいう種族。なにそれくっそワクワクするんだが!?月間ムー的な都市伝説が好きな私としては、そのような世界を探索するのはとても楽しかった。

古代文明の遺跡

ゲームのあらすじ

 このゲームはスターウォーズの映画でいうと、3と4の間に位置し、3の直後の時系列になります。

以下がストーリーの概要です。

「オーダー66」によって、多くのジェダイが粛清されてから久しい時代。その中で、ジェダイのパダワンであるカル・ケスティス(主人公)は、粛清から逃れるために身を隠し、機械の解体作業に従事していました。
しかしある日、親友のプラウフを落下事故から助けるためにフォースを使ったことで、帝国軍に自分の存在が知られてしまいます。尋問官のセカンド・シスターらに捕まりそうになるが、追跡をかわして脱走。その後、不意に現れた宇宙船「スティンガー・マンティス」に助けられ、難を逃れた。
マンティスに乗っていたのは、気難しい船長のグリーズ・ドリタスと、元ジェダイの女性シア・ジュンダ。シアは帝国軍に対抗するため、ジェダイ・オーダーの再建を望んでいた。その後、マンティスは惑星ボガーノに降り立ち、ケスティスは、道中で人懐っこいドロイドのBD-1と出会い、仲間にする。宝物庫の中に入ると、そこでBD-1がある映像を再生した。その映像は、ジェダイ・マスターのイーノ・コルドヴァが、既知の幼いフォース感応者のリストが納められた「ホロクロン」をその宝物庫に隠したことを示すものだった。そのホロクロンがあれば、ジェダイ・オーダーの再建が可能になる。しかし、ホロクロンを手に入れる為には、ゼフォの3人の賢人の霊廟に行く必要があることを知る。マンティスに戻ったケスティスは、ジェダイ・オーダー再建のためにホロクロンを入手すべく、仲間とともに、3人の賢人の霊廟を訪れる旅に出る。

wikiのあらすじをちょっといじりました

 全体的に、スターウォーズの世界観を忠実に再現しつつ、新たなストーリーを展開しているため、スターウォーズファンには特におすすめのゲームとなっています。
 ゲーム本編はオリジナルストーリーなので映画を見たことなくても大丈夫かなって感じです。(ジェダイ、フォースとか有名な単語は分からないとまずい。流石に分かるよね…?)

「STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー」を分析

 それではここから分析をしていきます。分析の方法としては以下を参照。


では分解図です。

STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダーの分解図

 もっと分かりやすいかなと思い、グラフも作りました。ゲームの特徴がこっちの方が分かりやすく見えますね。

STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダーの分解グラフ1
STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダーの分解グラフ2

 分解するとこのゲームは「play出来る部分」と「playできない部分」に同じくらいの力が入っていることが分かります。特徴がでている部分は、操作性、ゲームルールと演出、構成、グラフィック、テーマといった部分でしょうか。
 このような特徴を見ると、このゲームは普通くらいのゲームの幹を、”こだわった演出等のゲームの葉で、魅力を増幅できた”ゲームと言えるでしょう。つまり、ゲームの幹はそこまで目立たないものであったが、演出や構成といった要素で非常に魅力的なゲームになったということです。

 これらの特徴から、STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダーは、「映画ゲームとして100点満点なゲーム」だと感じます。スターウォーズ映画というコンテンツを使ってやりたいことをしっかりやったという感じです。
 具体的に言うならば、ジェダイになってライトセーバーでかっこよく戦い、ライトセーバーでブラスターを弾いたり、フォースを使って敵をふっとばしたり、敵に物を投げ飛ばしたりすることができました。

戦闘はとてもかっこよかった

 全ての項目について話してもいいんですが、長くなるので特筆すべき点だけを話したいと思います。

ここが凄い!①:演出

 このゲームで最も素晴らしい点は演出だと言えます。制作側は演出に非常にこだわっており、映画のような痺れるシーンがたくさんあります。

とりあえず良かった演出シーンの一部を見てみましょう。

例:1

ムービーから操作へ(車内)
扉が開かない
振り向いたら違う場所へ(回想シーン)

 映画でも使われるような、見ていた景色から振り向いたら違う景色になっているといった演出でした。最初ここをプレイした時は痺れましたね~!

 ここのいい所は、映画とかじゃなく、ゲームで操作できるからこそ面白い演出なんです。
 ここのシーンは、まずムービーがあり、操作がユーザーに戻り、振り向いたら違う景色になっているといったものは、プレイヤーを緊張感のある世界観に引き込みます。

 ムービーからプレイヤーに操作権が戻され、振り向いたら別の景色になっているという演出は、ゲームでしかできないプレイできるからこその、独自の面白さを提供してくれます。この演出は、映画とゲームを巧みに融合したものであり、プレイヤーをゲームの世界に没頭させることに成功していると言えるでしょう。

 このシーン割と序盤なんですが、ここの演出でこれは面白いゲームかも、と思いました。

例:2

ムービーから宇宙船に撃たれる
下に落ちて、滑りながら操作へ

 ここは画像ではよさが分かりにくいんですが・・・まあプレイした時のお楽しみという事で。

 このシーンもムービーから撃たれ、ユーザーに操作が戻り、そのまま地面を滑走していきます。滑走中も撃たれたり地形が破壊されるといった演出あります。

 ここもまるで映画のアクションシーンを操作しているかのような感じを味わえ、プレイしていて爽快で楽しいです。この演出も映画の中に入ってもらって操作するといった感じで、ゲームだからこその面白さでした。

例:3

無から兵士がでてくる
幻想の弟子が襲われている

ここも画像だとよく分からない感じに見えますね。

 このシーンは、主人公が最悪の未来の世界を歩いていくところです。主人公の成長の為に精神世界に行くっていうのはあるあるですね。

 ここでは声と音が普通にありますが、でてくる兵士とかは動かないでスライド形式と言えばいいのでしょうか?兵士登場→ブラスター撃つ→ジェダイ避けるみたいなのが静止画でシーンごとに浮き出てくる演出がされます。

 プレイヤーは精神世界で自由に動くことができます。この演出は、ゲームならではではないかもしれませんが、画面で精神世界の不安定で幻的な雰囲気をうまく表現することができていて、非常に面白かったと感じました。

最後の例

カメラの焦点が後ろへ。ん?よく聞いたことある呼吸音が聞こえる
あ!あぁ!あれは・・・

 いやまあこのゲームなんといっても忘れられないのはダースベイダーの登場シーンですよ!!!最後の最後にでてこないだろうなーって感じから、スゥースゥー呼吸音聞こえてきて→鈍い足音→登場という。

 この瞬間は言葉がいらないほど、恐怖感、圧倒的な強さ、そしてダースベイダーならではの存在感を感じました。

閉まるドアをねじ止める。かっこよ
くっそ攻撃してくる

 そこからのフォースでの攻撃。このなんというか構図も綺麗でいいですよねー。このダースベイダーの凄さ強さが現れてる演出。遠くに見えているのに強さが伝わるよい演出です。
 まあここは演出というか、でてくるタイミング、強さの演出や構図、様々な要素が完璧にまとまっていました。(演出担当絶対映画作ってるな)ダースベイダーという素晴らしいキャラクターを最大限に活かしたシーンだと感じました。

ここが凄い!②:構成

 このゲームは構成も良かった!ゲームって構成とかってあんまり意識しないかもですが、ストーリーが重要なゲームな場合、構成は重要です。

このゲームの面白い構成は、主人公のトラウマに関して部分です。
 ゲームが進行していくにつれ、少しずつ過去の記憶が蘇ってきます。主人公はトラウマをもっており、そのトラウマは師匠との記憶です。この昔の記憶の中に、師匠との訓練がでてきます。新しい技やアクションを覚えるために、プレイヤーはこの訓練を通して少しずつ過去の記憶を思い出していくことになります。

要は昔の記憶がチュートリアルになっているんです。

訓練の記憶

 よく続編なんかでもあると思うんですが、2になると1で覚えてた技すら主人公があほになって忘れてるなんてことがあると思います。

 このゲームでいうならジェダイはある程度訓練されていて、その最低限できるようなことすらできないっていうのは設定的におかしい訳です。そのゲームのご都合をトラウマで一部忘れてしまった、そのトラウマと向き合うことで少しずつ思い出していくっていうのは面白いアレンジであると言えるでしょう。(主人公が瞑想することでセーブっていうのもイイ!)

 そしてその訓練の記憶を全て思い出した後、プレイヤーは主人公がどのような過去を持ち、ゲームスタートの状況になったのかを理解することができます。(そしてそれがタイトル画面になってるていうねぇ、このデザインは痺れたし、心に来るものがあった)

トラウマと向き合う主人公

 トラウマを思い出した主人公は覚醒してクライマックスに向かうというストーリーの構成は綺麗でした。

 このような少しずつ過去の記憶を見せるといった手法ストーリー性が高いゲームにおいて適していると思います。似たような手法を使っているゲームとして、「DEATH STRANDING」が挙げられます。

 映画で使われるというより、ドラマのような長い時間軸の作品で使われている気がします。最近のゲームのストーリーも長いのでこのような手法は、プレイヤーを引き込む面白い構成であると思います。

ここが凄い!③:ゲームルール

さて最後はゲームルールについてです。

 この記事のタイトルを覚えていますか?やっとタイトル回収です。ゲームルールでよかった点は、「複数の敵と戦う」を設定とうまく融合させていた点です。

 アクションゲームには複数の敵VS主人公という構図が存在しますが、どのゲームも一対一で戦っていくのが普通です。(無双系ゲームは複数の敵を巻き込んで戦うことを最初から想定して作ってあります)

 しかし、このゲームでは自然に複数の敵と戦うことができるように設計されており、フォースを駆使して自然に、かっこよく、複数の敵と戦うことができます。(結局一対一に持ち込む方が簡単なのは秘密)

簡単に戦闘例を見ていきましょう

複数の敵が向かってくる
ドロイドをフォースで吹っ飛ばして敵を倒す

 こういう感じですね。フォースを使って工夫して敵を倒すことで複数の敵と戦うっていうのがあまり違和感なくできる訳です。

 それにこのフォースを使った戦闘っていうのはめっちゃかっこいいんですよねー!複数の敵とフォースを駆使しながらライトセーバーで戦うっていうのは、見てる側も面白いし、プレイする側も多彩な戦闘を楽しめる要因でした。

 よくモブキャラに囲まれてストレスがたまる状況を、フォースを伴う戦闘で逆に面白くして解決したのがこのゲームですね。まあジェダイという設定だからこそできる感じはあります。

 また、超能力的な戦闘要素を取り入れることで、スムーズに複数の敵と戦うことができるというこのゲームの設計は他のゲームにも応用できると思われます。

 だから、このゲームは「複数の敵と戦う」を設定とうまく融合させていたゲームとして上手いなということです。

最後に

 これで「STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー」の分析は以上になります。まだまだ良い所がたくさんあって物足りない感じもします。

 特にテーマに関しては良いものでした。トラウマと葛藤。何が正しいのか。プレイしてて魅力的なストーリーでした。

主人公とシア

全体的にムービーから操作に移るっているのがスムーズで巧みでしたね。

 こうしてみるとこのゲームは「映画+ゲーム」といった感じでしょうか。だからこそ映画ゲームとして100点満点だなという感想になりました。
 そのような映画ゲームのようなストーリー性の高いゲームはゲームの葉の「playできない部分」である演出とか構成といった要素に力を入れることが大切で、それが良いとプレイヤーの満足感が上がるのだと思います。

 是非PC版、PS4とPS5でプレイできるので、機会があればプレイしてみてください。アクションゲーム好きな方、ストーリーを見るのが好きな方、スターウォーズが好きな方は特にオススメです。(↓steamのリンク)


 次はSlither.lioを分析する予定です。ワールドカップが面白すぎていつになるか分かりませんが・・・(この記事も時間かかりすぎた)では、また。


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