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体調を崩して、今の身体と向き合った

この冬から、出勤ルートを変えました。大雪で渋滞にはまったことがきっかけで、ゆっくりでも比較的流れるルートを見つけ、以来、春になってもそのままそのルートを使っています。

こちらのルートは、小学生から高校生まで学校へ登校する生徒さん達がたくさんいます。
中には、朝から部活のトレーニングのために走っている、スポーツの強豪校として有名な高校の生徒さんもいます。

おそらく陸上部と思われる生徒さんが、無駄のない綺麗なフォームで、背中に羽の生えたような軽やかな走りをしているのをたびたび見かけます。

病気になる前は、ほぼ毎朝、出勤前の時間に3㎞~5㎞走っていました。
彼ら彼女たちの走る姿を見ていると、もう一度あんな風に気持ちよく走ってみたいと思いますが、私の身体ではもう叶うことはないのかもしれません。

白血病サバイバーで、GVHDが強めに出てしまった人、赤血球が標準値に戻らず、低値にとどまったまま病後の生活を送っている人がどれくらいいるのか。

同じ白血病といえども、年齢や発症時期、進行具合や病型。たくさんの要素があることで、個人差がかなりあると主治医にも言われましたし、実際周囲の白血病サバイバーさんと話をしてみると、抱えているものが相当違うことが分かります。

思ったように動けないという葛藤は、療養の間に年齢を重ねたことも追い打ちをかけているようです。

緊急入院で病気の確定診断を受けた日が、39歳の誕生日。
ずっとアマチュアアスリートのようなトレーニングをしながらの生活だったため、同年代よりはかなり身体が利きました。
その時の記憶があり、頭の中に動けるイメージが強く残っているせいで、リハビリで身体を動かそうとした時に、意識する動きと実際の身体の反応の乖離が大きく、戸惑い混乱しています。

来月で44歳。発病からもうすぐ5年となります。5年の間、まともに運動ができていないわけで、時間の経過とともに加齢し、残念ながら身体の劣化はかなり進んでいたということだと思います。

無菌病棟で過ごしているときに読んだ資料の中にあった文章だと思いますが、この病気の治療は10年程度老化するくらいのダメージがある、ハイリスクハイリターンの治療だということを思い出しました。

それが抗がん剤によるものなのか、移植によるものなのかは、今はっきり思い出せないのと、その資料をどこにしまったのかも定かではないので、根拠の資料をここに出すことは出来ないのですが、体感的には確かにそうだなと感じさせられている今日この頃です。

後遺症が重く、生活の質は落ちていますが、それでも私は運よく生き延びて、病気の経験を活かした新しい事業を始め、本業の仕事にも復帰をしました。

もちろんまだまだ人数は少ないとはいえ、同じ病気のサバイバーさんと出会うことも増え、治療実績が少しずつ上がってきているだろうことも予想できます。

ただ、GVHDとの付き合い方、対処の仕方については、まだまだ研究が進んでいないようですし、私のように、ある程度小康状態とは言え、紫外線をはじめとして、常に気を付けることが多い患者もいると思います。

私が試みていること、こんなことがあったということは、今後もここになるべく残していこうと思います。

4月後半、久しぶりに体調を大きく崩しました。
仕事を詰め込んでしまったことによる疲労や、3月に一度暖かくなった後、4月に入ってまた一気に寒くなったことにより、身体がついていかなかったのも影響しているようです。
寒暖差にすごく弱い身体になったのですが、今回は消化器官の動きが悪くなり、激しい腹痛と便秘と膨満感に苦しめられました。

消化器内科の医師の見立ては、おそらく気温変化の外的要因と精神面、両方のストレスや疲労により、大腸の動きが悪くなったことが原因ということでした。
移植患者にはたまにある症状らしく、念のための大腸内視鏡検査をするが、メインは検査のためにつかう腸管洗浄剤で強制的にたまった便を排出することと、胃腸を動かすことで解消させるというのが狙いだと説明されました。

私の腸管はかなり細いらしく、カメラを入れるのは痛みが凄く伴います。前回検査したのはGVHDの悪化により入院した4年前ですが、今回の医師もその時検査をしてくれた方で、前回同様痛いと思うけど、何とか耐えてくれと言われました。
かなりの痛みで苦しい検査でしたが、医師の見立て通り、腸管内部はきれいで、組織片採取も行いませんでした。

その日から3週間ほどたちましたが、今のところ体調は落ち着いていますし、医師のアドバイス通り、体力を戻そうと無理に食べるのも止めました。腹八分目どころか6分目7分目でやめないと、おなかが苦しく感じるようになりました。

これもきっと加齢の影響があるんだろうなと、今はわかります。

これを機会に、自分の身体ともっと対話するように、食事の仕方、休み方に気を配っていこうと思います。

来月の緊急入院から5年に向けて、まずは無理せず過ごし、年末の移植後5年を無事に迎えられるように、今年の中間関門を突破したいと思います。

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g.m.design&art works  野本 昌宏 (がめちゃん)
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