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ターン制のターンと同じとは限らない #wgac2022

これは「War-Gamers Advent Calendar 2022」の12月12日分です。

Twitter経由で見た記事に「標準的な地図とNATOシンボルを使う、ターン制かつダイス主導のウォーゲーム」と書かれていて、なるほどと思った。僕はそういうウォーゲームばかり遊んでいるけれど、そうじゃないウォーゲームもたくさんある。

「鶏ガラスープとちぢれ麺を使う、野菜多めで油少なめのラーメン」もあれば「豚骨スープとストレート麺にネギと焼き豚」もあるように、ターン制やダイスやNATOシンボルを使わないウォーゲームもあって、そちらの方が好きな人もいるし、両方イケる人が今日はこっちということもあるよ、と。

「標準的な地図」が何を指しているかはよくわからない。国土地理院やゼンリンが出しているような地図じゃないかと思う。将棋やチェスのような抽象的な盤面や、ポイント・トゥ・ポイントやエリア式のマップは「標準的じゃない」と。正解は記事を書いた人に尋ねれば分かりそうだけど、そこまでするほどでなし。

ダイスを使わないゲーム、というかランダム要素のないゲームとしては、まずは『Diplomacy』Simmons Gamesの『Bonaparte at Marengo』もランダム要素がなかったはず。NATOシンボルを使わないウォーゲームはミニチュアだったり、シルエットだったり、色々とある。

ターンのないウォーゲームはどうか。ウォーじゃないゲームを含めたとしても、ターン制ではない非電源ゲームはトランプの『スピード』しか思い浮かばなかった。Google検索したところHasbroの『Hungry Hungry Hippo』を教えてくれた。これも『スピード』的なアクションゲーム。

ターン制の反意語は「リアルタイム」だそうで、電動RPGの戦闘場面思い浮かべると、確かにターン制とリアルタイム制があるなと。僕がフライトシミュレータや『ヘルツォーク・ツヴァイ』をうまくプレイできないのは、これらがターン制じゃないからだ。ターン制のウォーゲームだからうまくプレイできるという訳でもないけどな。

電動RPGはスーパーファミコンでファイナルファンタジーをよく遊んだ。ターン制の戦闘ではあるものの、そのターンに何をするかを決めた後で両軍のアクションを一気に解決する。これは紙のウォーゲームで言う「プロット」だから、そういうターン制に慣れた人からすると「アイゴーユーゴー」のターン制は意外なのかもしれない。

ウォーゲームで「1ターンは現実世界の1日を表す」のように言うときの「ターン」は、ターン制のターンと同じとは限らない。複数のプレイヤーによる複数の(決断、手番という意味での)ターンのひとかたまりを指して、ゲームターンと呼ぶことが多いはず。

リアルタイム制だけどゲームターンがある、というゲームシステムもあるのかもしれない。ボクシングの「ラウンド」とか野球の「イニング」、フットボールやアイスホッケーの「クォーター」あたりはゲームターン相当の概念なのか。ゴルフはターン制じゃないかな。サバイバルゲームはリアルタイム制かつ非ターン制のウォーゲーム、とか。

ウォーゲームで「1ターンは現実世界の何日(または何分など)を表す」という情報がないとちょっと寂しい。少々無理があっても「だいたいこのぐらいだよ」と書いてあるとプレイヤーとしての気持ちがそれなりにアガる。「1ヘクスは何キロメートル」な情報と合わせて、ご提供くださいますようよろしくお願いします。

この記事を書くにあたって、普通の人がゲーム用語としての「ターン」をどのくらい知っているのかと思って、配偶者に尋ねてみた。返ってきたのは「会話のターン」と「水泳のターン」で、ゲーム用語としての「ターン」は知らないとのこと。ウォーゲーマーと寝食を共にしていてもそんな感じというか、拙宅のゾーニングは適切ですねというか。

「会話のターン」という物言いがあるのを初めて知った。これを知っていたら家族がウォーゲーム用語をもっと知っていたかもしれない。ウォーゲームで長いこと「ターン」に触れてきた経験を活かして、残りの人生は「会話のターン」をちゃんと意識して、いろいろな人とのコミュニケーションを深められたらいいな。

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