【レポート】ピカイアーーざんねんなこせいぶつ

いきもの名:ピカイア
学名:Pikaia
約5億0,500万年前(古生代カンブリア紀中期)の海に棲息していた原始的脊索動物。

【登場するゲーム】

Birthdays the Beginning(Happybirthdays)
World For Two
ライフスケイプ 生命40億年はるかな旅

 ピカイアのモデル、二つは3D で一つはドット絵であるが、おおよそ同じような見た目をしていると言える。しかし、『World For Two』に関しては、そのゲームの世界観に合わせて、実際にいたとされるモデルと少し違う見た目をしている(注1)。
 『Birthdays the Beginning』と『ライフスケイプ』の両者とも、ピカイアはアノマロカリスに捕食される生物として描かれる。そのため、ピカイアといえば、アノマロカリスに食べられる、ということが多くの作品の共通見解があるのかもしれない。個人的には、ピカイアだけでなく、エルラシアなどの三葉虫もアノマロカリスの捕食対象になっているゲームも見たいと思う。

 ピカイアは『ライフスケイプ』において「脊索動物」であると示されているが、『Birthdays the Beginning』においては「頭索動物」であると示されている。これはどちらが間違いであるというわけではなく、「脊索動物」という生き物の分類を細かく見ていく中に「頭索動物」という分類がある、ということである。「頭索動物」は、現存する生物では「ナメクジウオ」(注2)が該当する。ナメクジウオは再現されたピカイアのモデルに似た生物であるが、「ピカイアが頭索動物である」と明言された文献は研究所にある資料から見つけることはできなかった。
 また、『ライフスケイプ』において、ピカイアは「現在の地球上のすべての脊椎動物の祖先と目される動物」と記されている。これについては、ピカイアの研究の歴史について触れておきたい。
 1980年代まではピカイアは確かにカンブリア紀唯一の脊索動物とされていた。しかし、近年の研究でそれは否定された。ピカイアがいた層よりも古い層から、ミロクンミンギアなどの脊椎動物が発見された。そのため、現在は「ピカイアは脊椎動物に連なる最古の存在」とされる説が採用されやすい。『ライフスケイプ』は1996年に発売されたゲームであるため、ミロクンミンギアなどの研究をゲームに反映させることは難しかったのかもしれない。2020年に発売された『あつまれ どうぶつの森』では化石としてミロクンミンギアが登場する。ミロクンミンギアなどの発見がなければ、そこで発掘されたのはピカイアかもしれない。

※このレポートは現在研究員がプレイ・収録した情報を元に書かれている。そのため、新たな情報が更新される可能性がある。

(注1):『World For Two』は一度滅びた生物を再生させるゲームであり、もともといた生き物のDNAをいくつか混ぜ合わせていきものを再生させる。そのため、ピカイアのもとになる生き物のDNAとなにかが混ざった結果、ピカイアに似た生き物=ピカイアと表現されたのかもしれない。
(注2):実はナメクジウオが登場するゲームがある。PlayStationの『アクアノートの休日』だ。

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