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【雑記】インディーって何かわからないけど、インディーゲームの話をする

 タイトルのとおり、インディーというものがよくわらかない。
 最近、『DAVE THE DIVER』がインディーゲームの枠で賞をもらったことで「これはインディゲームじゃねえ!」みたいな意見がよく出た、らしい。
 『DAVE THE DIVER』を作った会社自体は「自分たちはインディーゲームを作っています!」と言っているわけではないから、この賞はだれかが『DAVE THE DIVER』をインディーゲームとし、それを見ただれかはそれをインディーゲームじゃないとしている。どうやら「大企業の一部所がやっていることなんか、ベンチャーじゃねえ!」みたいな話なのだろう。ややこし。

  どんなものでも、作ったものは「無料(お金をとらない/とるほどではないと売り手が判断したもの)」と「有料(お金を払って手に入れる/売り手がお金を払ってもらえると見込んだもの)」がある。
 私たちが子どものときは、ゲームはすごく高くて(スーファミとか64とか9000円した。デラックス版かよ)、ブラウザで遊べるFlashゲームをしていた。このFlashゲームは無料ででき、そこそこ楽しめるものが多い。今でもUnityで似たような遊びができたり、Ruffeを使ってFlashゲームを復活させようとしたりしている。こういうゲームはお金がかからない。
 こういう「無料ゲーム」と言われていたものと、「企業が作った5000~9000円するゲーム」の間には、もちろんたくさんのゲームがある。高専や大学生が作って学園祭などで発売しているものから、Steamで発売されているものまで、様々だ。
 この間に入るもの全てを「インディゲーム」と言ってしまうこともできるだろうし、細かく「ここからここまで」と言ってしまうこともできる。つまり、定義が難しい。

 話は変わるが、ポルノグラフィティが好きだ。
 昔、まだネットが無法地帯すぎる時代に、「ヒトリノ夜」という曲をどこかで聴いた。それは「ヒトリノ夜」っぽかったが、なにか若干違った。
 調べてみると、それはどうやらインディーズ版だったらしい。

 小さいころの私は「あ、これが売れる前に歌っていた曲、メジャーデビュー前の曲なのかー!」となった。『NANA』で言う、アレね、と。
 だから、インディーという言葉にはインディーズ→メジャーという流れがあり、みんなそこを目指していくんだと思っていた。「日の目を見なくていいです」の場合は、よっぽど尖ったことをやろうとしている人なのだろうとも思っていた。
 しかし、インディゲームが流行ってきた現在、この流れを見直してみると、ゲームではこの流れが当てはまらないことがあるとわかった。インディーゲームから「めっちゃ売れるゲーム作るぞ!」って人たちもいるが、「インディゲームのためにインディーゲームを作る」人がそれなりに多い。それも、小さめのゲーム(それこそFlashを豪華にしたようなもの)をどんどんと出していく人もいれば、フルプライス(5000円くらい)ではなく2000円くらいのゲームを出していく人もいる。
 しかも、それらのゲームが、コミケや音楽で言うライブ会場やホコテンみたいなに行かなくても、Steamなどのストアで購入することができる。もはやワンピースの大航海時代。

 パッケージしか発売されていなかった頃。ゲームは「完成してから売られるもの」だった。ゲームボーイで『昆虫博士2』という「セーブデータが消え続けるバグ」があるようなゲームはゲームにならず、「クソゲー」と言われ、不評につながった。今であれば、こういう問題は修正アップデートでどうにかなっただろう。しかし、当時はそういうものはなかった。出した後の不評は一身に受けるしかない。そういう緊張感があった。だからこそ、そういう緊張感に打ち勝ち、バカゲーを出す人たちは賞賛されてきたのかもしれない。
 しかし、今はそれらが手軽に配信できる。
 インターネットのゲームコミュニティで2022年まで行われていた遊びに「クソゲー・オブ・ザ・イヤー(KOTY)」というものがあるが、それらは「これパッケージで売ったのかよ」みたいなことを笑って面白がる遊びだった。しかし、今はリスクなしにクソゲーを発売できてしまうため、この遊びができなくなってしまった。

 こうした文化の終焉などはあるが、インディゲームというものがメジャーになった現在は、すごくいろいろなゲームを出しやすく、またプレイする側もアクセスしやすい時代になった。
「これ、一般受けしないかもしれないけど、好きなんですよー」
 そんなゲームも増えてきた。
 Flashゲームでたくさん遊んでいた側からすると、数百円~2000円くらいのゲームはすごく楽しい。面白いゲームを作れる大手が、こういったフランクなゲームを作ってくれることもかなりありがたい。

 ゲームという世界の入り方はいろいろある。会社に入らなくてもゲームが出せる時代だ。ゲームを作っていく人間からすると、賞があり、それをもらうかもしれない立場からすると、「インディゲームなのか」という問題は重要な点になってくるかもしれない。
 今回の『DAVE THE DIVER』の件を経て、よりはっきりした定義が出ると、ゲーム世界をよりピンポイントに説明することばができていくかもしれない。

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